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光の使者の幹部

 「リョウ、先生が戦ってますのよ!」


 「その先生が避難しろって言ってただろ、我儘言わずに行くぞ」


 俺はクラスメイトのブーイングを聞きながらも強引にみんなを避難させる。なんだかんだ言いながらもクラスメイトも逃げる事には反対しなかった、やはり危険である事をキチンと認識しているのであろう。


 「文句は後で聞くから今は避難を優先しろ、あいつらの目的の一つにお前達を人質にすることもあるんだからな!」


 「むぅ」


 納得はしてるが不満はあるんだろう、クラスメイトはそんな顔をしながらも避難を急ぐ

 そんな最中も先生達と熊男との戦闘の音が聞こえて来る。


 「ぐふ♡」


 「ぐは♡」


 さっきから熊の楽しそうな声しか聞こえないのは気のせいだろう。

 それにしても怪人達の作戦もかなりお粗末だよな、みんなを人質に取りたいならもっとなんかあったろうに


 そんなフラグが立ちそうな事を思ったのが不味かったのか、俺達がバス乗り場に到着するとそこには


 「やあご苦労様、君達を迎えに来たよ」


 「なぁ!」


 目の前に光の使者の……えーっと、うーんと


 「ああ、初めてあったんだからそんなに考えなくてもいいよ少年」


 「そうだよな、あー良かった。有名な人なのかと思った」


 俺がそう言うと呆れたようにエリナが言ってくる。


 「何を言ってますの?超有名人ではないのよ、あいつは」


 エリナがそう言って俺に説明しようとしてくれたのを遮って目の前の人物が割り込んでくる。


 「いいよお嬢さん、自己紹介ぐらいしておこうかな、私の名は光の使者、三大幹部の一人


 【鈴木 三郎】


 だよ」


 鈴木? 三郎? ……普通だな


 「なんて事なの、まさか大物指名手配犯の鈴木三郎がやって来るなんて」


 「これほどの人物を投入するなんて光の使者が今回の作戦に賭ける意気込みを感じるわ」


 あっれー、なんか俺以外は深刻に受け止めてる。やっぱり大物みたいだな、でも名前は普通だな。


 「まあ今回は怪人だけに任せるには少々不安でしたからね。安心して下さい皆様に危害を加えるつもりはありませんから、ただ少しだけ私の招待を受けていただきたいだけですから」


 そう言うと鈴木三郎はあっという間にクラスのみんなの意識を奪う、俺は何も出来ないまま目の前の光景を眺める事しか出来なかった。


 「さて、あとはあなた方だけですね」


 「み、みんな!」


 エリナがその惨状を見て声を上げる。瑞樹はあまりの出来事に涙を流しながら怯える。沙織は状況の変化について行けずにオロオロするだけだった。


 「それでは…」


 「ま、待て!」


 俺は勝算も何もないままに鈴木三郎の前に出る。


 「おや魔藤君でしたかね、あまり抵抗をしないでもらいたいのですが?」


 「俺の名を知ってるのか、それは光栄だね」


 よく分からないが鈴木三郎が俺の名を知っていた。


 「そりゃ有名ですからね、変態魔法少女、いや魔法少年だと!」


 「なに!」


 衝撃の事実であった、俺は変な事で既に有名になっていた……死にたい、グスン。


 「君が邪魔をするのは想定内だけど、あまりオススメはしないな」


 鈴木三郎の雰囲気が変わる、それは先ほどクラスメイトを気絶させた程度の殺気ではなく、まるで深い穴の、更にその奥に広がる闇のような殺気が広がる。


 「死んでしまうよ」


 俺の目の前から鈴木三郎が消える、俺は師匠から何度も言われて来た相手が消えるほどのスピードを持っていても落ち着けと、落ち着いて


 「そこだ!」


 「ほぉ!」


 俺は首への手刀が来ると予想する。それは敵の目的と自分との実力差を考えて来るであろう攻撃を予想しておく、その予想は自分の意識を奪いにやって来る攻撃、腹への拳か、後頭部付近への手刀の二択、そしてスピードに自信を持っていそうだったので確率的には手刀が高いと予想して首を守る。それがビンゴ


 「やりますね、まさかまだまだヒヨッコの貴方に防がれるとは」


 「へっ、あんまり舐めるなよ、これでも毎日地獄の特訓をしてるんだからな」


 なんとか成功したけど、こんなギャンブルが何度も上手くいくはずが無い、だから


 「変身だ!」


 俺は完全武装で戦う、とりあえずやれる事をやれるだけやる。


 「ほぉ、やはりすごい格好ですね」


 「うるせ」


 ともかくこいつをなんとかして、せめて逃げれる時間を作れれば


 「お前達はみんなをなんとかして逃がせ、俺がこいつをなんとかする」


 勝てるなんて思えなかったが不思議と何とか出来ると思えた。師匠に言われた事がある、男には何かを守る時だけ不思議な力を出せると、そしてヒーローにはそれ以上の力を出せると、いや出せるものがヒーローなのだと


 「行くぞ鈴木三郎!」


 「まあ君に少しだけ付き合いましょうか、何をしても無駄だと思えるように」


 俺と鈴木三郎との戦いが始まる。

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