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プロローグ、魔藤亮の場合

 採掘場で激しい戦いの音がする。


 キンキン! キンキン!


 ぶつかり合う金属音の中で一人の少女と魔法使いのような姿をした男が戦ってる。


 「ふははは、やはりこの程度かラブリーキュアよ」


 「くっ、強い」


 どうやら男が有利らしい、少女は追い詰められていく


 「ラブリーキュア、危ない!」


 どうやら魔法少女のマスコットらしい、リスみたいな生き物が叫ぶ。


 「終わりだ、ラブリーキュア!」


 男から放たれる光の玉が少女に直撃する、吹き飛ばされ岩に激突する。


 「ゲッフ」


 「ラブリーキュア!」


 血を吐き、フラフラの少女に駆け寄る一人の男性


 「何で先生が」


 虚ろな目で男性を見つめる少女、そんな少女に男性が声をかける


 「大丈夫か魔藤」


 「先生なんで来たの?」


 「何でって、お前が心配だからだ」


 「先生」


 少女はこの戦いの前に男性が別の女性と歩いてるのを見たのだ。少女はその事がショックだった、しかしそれは少女の勘違いその女性は彼の姉である。


 「俺はバカだった、こんなにもお前の事が……」


 「先生」


 「好きだ、好きなんだ!」


 その瞬間にラブリーキュアに勇気が湧いてくる、涙を流しながら男性に抱きつく、そして


 「私も、私もだよ先生」


 「魔藤!」


 そんな光景を見ていた男、名を後藤田 為三と言い50を越え未だに独身は、怒りに震えている。


 「もう大丈夫、私負けない!」


 ラブリーキュアは立ち上がる、愛を手に入れ勇気を持ち悪と戦う、それが魔法少女ラブリーキュアのラストバトル、そして彼女は日本を救うヒーローとして称えられるのであった。そして先生と呼ばれる男性と幸せに暮らしたとさ


 そして時は経ち


 「やべー、遅刻だ!」


 「ちょっとリョウ、朝ごはんは?」


 「いらないよ、遅刻遅刻」


 「もう、起こしても起きないんだから」


 「うっせえな母ちゃんは」


 「はいはい、で私に口答えしてるのはいいけど遅刻よ」


 「はっ、そうだった、行ってきます!」


 俺は急いで家を飛び出る、まさかの入学式からの遅刻なんて笑えないよ。

 目覚ましかけたのにぶっ壊れてた、不思議だ。


 「気をつけてな」


 親父が後ろから何か言っていた、はっきり言って影の薄い親父だ。さっきもいるとは思わなかった。


 「走れば間に合う!」


 そう言えば、横断歩道では左右の確認をしろって習ったな、はは、なんでこんなこと思うかというと


 ドン!


 俺はオリンピック選手も真っ青なひねりを披露する、5回転はしたぜ、着地は出来なかったけどな


 ドサ!


 どうやら車に轢かれたようだ、滅茶苦茶高級そうな車に、慌てて運転手が出てくるかと思ったが


 「怪我はこれで治ったかしら」


 そう言って俺の体が治っていく、いわゆる治癒魔法か


 「お前、魔法使いか?」


 「いきますわよジイ!」


 「はいお嬢様」


 俺の質問を無視して車で去っていく女、美人だがワガママお嬢様って感じだった。しかし治癒魔法を使ったからといってひき逃げじゃねえか、全く


 キーン! コーン! カーン! コーン!


 「やべー遅刻だ!」


 これが俺とエリナとの出会いだった。


 結局俺が到着したのは入学式が始まった後だった。


 「初日から遅刻とはいい度胸をしている、君は魔藤だったな」


 「はい」


 現在正座で説教を受けている、入学式なのに廊下に立たされるとは思わなかった。


 「こんなのが私のクラスにとは」


 教師が呆れながら喋る、しかし若い教師だな下手したら俺と同い年ぐらいだぞ。


 「聞いてるのか?」


 「えっ、はい」


 「ふん、まあいい、そろそろ入学式も終わる今日は簡単なオリエンテーションを受けて終わりだ、お前は1年1組だ」


 「あっ、俺1組なんすか」


 「そうだよ、何故! かな」


 妙に引っかかる言い方をする教師、気にはなるが気にしても仕方ないので教室に向かう、その途中で中学からの友達のヒョウマとユウジに出会う


 「よお、ヒョウマ、ユウジ」


 「あれリョウいつ来たんだ?」


 「リョウ君まさかの遅刻かい?」


 「いや、あはは」


 照れる俺


 「ダメだなリョウは、でクラスどこなんだ、もちろん3組だろ」


 何がもちろんなんだ? 


 「いや、ユウジは3組かヒョウマは?」


 「えっ、2組に決まってるだろ」


 「決まってるのか」


 「なんだよリョウ、ヒョウマはサイキックヒーローなんだから2組のサイキック組だろ、変身ヒーロー科の俺は3組だし、そういやお前3組に名前なかったな、もしかして5組か?」


 「えっ、1組だけど」


 「「えっ!」」


 固まる二人、そこで予鈴が鳴る


 「もう始まるな、流石に遅れられないから俺は行くぜ、また後でな!」


 そう言って教室に向かう俺、最後に二人が


 「「魔法少女科?」」


 と言ったことは聞こえずに



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