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デスティニーランド

 さて来ましたデスティニーランドに


 「おーい、全員いるな? 園内ではいい子にしてろよ!」


 「「「は〜い!」」」


 元気よく返事するJK、本当子供っぽいよなこのクラス

 それはいいとして、これからのルートの確認であるが


 「わぁー! わぁー! デスちゃんだ!」


 「きゃー! ティニーですわ!」


 「はわわ、デスター城です、綺麗です」


 と滅茶苦茶テンション高めの三人のJKがあっちフラフラ、こっちにフラフラして予定通りにいかない、それどころか


 「わっふー、これがデスティニーか凄いよエリナ!」


 「なんだなんだ、あれはなんだよ瑞樹!」


 「うおー、あれが宇宙コースターか! 沙織どれに乗るんだい?」


 マスコットまでフラフラしていて


 「リョウ早くしろ、デスティニーパフェが待ってるんだ!」


 と俺の耳を引きちぎらんばかりに引っ張る。すげー痛い


 「痛い、痛いからやめろミミティ、分かってるから分かってるから今は落ち着けよ」


 はぁ、なんだよバスの時の雰囲気とまるで違う、女ってこんなに遊園地ではしゃぐものなのか?


 まあとりあえ全員を集めなければ、早くしないと沙織が迷子になりそうだ、もう見えなくなってるし


 「お前ら集まれよ、予定の確認とるぞ、チョロチョロすんな!」


 「ちょ、チョロチョロなんてしてませんわ」


 エリナはハッとしたようにこっちにくる少し顔が赤い


 「あ、ごめんなさい魔藤君」


 瑞樹は素直に謝りながらこちらに来る


 「……」


 沙織は消えていた。……あっ、やばい!


 「沙織!」


 俺は沙織の消えた方に全力で走りなんとか見つける


 「はぅー、ごめんなさい魔藤君」


 「たく、焦るなよ」


 こうして五班の面々が揃い、予定のルートを回ろうと歩き出した


 「デスティニーパフェは、リョウデスティニーパフェは」


 ミミティが煩いが無視だ、ちなみに他のマスコットも声は出さないが目で訴えている。

 瑞樹はその目に負け、魔藤君先にと言って来たがマスコットを決して甘やかさない俺はミミティの耳を引っ張りながら


 「ダメだぞミミティ」


 「うぎゃー、やめてくれリョウ」


 しゃんとなるマスコット達、こうして俺たちは最初のアトラクションマウンテンコースターに向かう、先ほどからエリナがテンション高めでニコニコしてる、よほど乗りたいらしい


 「そ、そうね最初はマウンテンコースターよね」


 嬉しさを隠せないのかエリナは終始笑顔だった、二時間待ちの行列を見るまでは


 「はぅー、何ですかこの行列は!」


 まぁ、予想通りでだから最初にマウンテンコースターを選んだんだけど、三人が絶望した顔をしてる。

 ただそれ以上に絶望してるマスコット達は何なんだ


 「リョウ、もしかしてこれが終わるまでデスティニーパフェはお預けかい?」


 ミミティが信じられないほど青い顔で聞いてくる。本当に可哀想なくらい


 「いいよ、お前達は先にパフェ食べて来いよ、俺が並んだいてやるから」


 ミミティの顔に血が通ってくる。


 「本当かいリョウ!」


 それは嬉しそうに聞いてくる。


 「構わないよ、俺は別にパフェ食べたいわけじゃないしな、言って来いよミミティ」


 「リョウ!」


 ミミティは嬉しそうに、パフェを食べに行く


 「い、いいんですの魔藤さん」


 「ああ、その代わりミミティを頼むよ」


 「分かりましたわ」


 「ありがとう、じゃあ二時間後に」


 「はぅ、ありがとうございます魔藤君」


 こうして俺は行列に並ぶことにする、俺の前は怪人か……


 「はぁ、怪人だと?」


 「ん? なんだ坊主怪人がデスティニーランドに来たらダメなのか?」


 怪人はフランクに声をかけてくる、どうやら何度も言われた事らしい


 「いや、別に悪さしないなら良いんじゃないか」


 「そうだろ坊主」


 クマ型の怪人だった、クマなのでマスコットと勘違いして写真を撮られている。怪人も気にせず応じている、そんな二時間が終わりを迎えようとした頃にエリナ達がやって来る。


 「お待たせしましたわ魔藤さん」


 「やあリョウ、もうそろそろだろ」


 「ごめんなさい魔藤君」


 「あゎ、もうすぐです」


 こうしてマウンテンコースターの順番があと少しという所で五班が揃う、まあ二時間並んだ成果なのかマウンテンコースターは楽しかった。

 特に五百メートルをほぼ直角に落ちるマウンテンフォールと呼ばれる箇所は圧巻だった。


 「ふふふ、流石マウンテンコースターですわ、凄かったですわ」


 「怖かったよ、ふぅ」


 「はぅ、クラクラします」


 なんだか三人が仲良くなっていた、まあこの遠足の目的がこれなんだろうけど、少し仲間外れ感がある。


 「そうだね、まさかマスコット用の席まであるなんて、流石デスティニーランドだよ」


 「ミミティはすっかりデスティニーランドがお気に入りなんだね」


 「そうさ、あはは」


 ミミティまであっちにいる、今はエリナの肩の上だ。本当に俺のマスコットなのか?


 「さて皆さん、次はシーエリアに行きますわ」


 「ん? 城は?」


 おかしい次は城に向かうはずだが


 「それはもう行きましたわ」


 「あ、そうですか」


 どうやら俺が並んでるうちに城の見学を終わらせたらしい、いや別に良いんだけど、なんだかな


 「では行きますわよ」


 「「おー」」


 元気よくシーエリアに向かう、こういう時男って損だよな


 と言うわけで来ましたシーエリア、千葉に広がる海の景色、その中でデスティニーランドシーエリア最大のアトラクション、海賊船クルーズ


 「まあ凄まじい行列だよな」


 「はぅー、流石デスティニーランド一番人気です」


 「そうだよな、だけどなんだか様子がおかしくないか?」


 「へっ、何処がですか?」


 「クマが暴れてるね」


 「ああ、あのクマは怪人なんだよ」


 「あれはシーエリア一番人気のブルック船長」


 「縛られてるよ」


 「縛られてるね」


 「間違いなくまずい状況だな」


 あのクマ、やっぱり悪いことしたんじゃねーか


 こうして俺はデスティニーランド襲撃事件に巻き込まれることになる。

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