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遠足初日

 「おいリョウ! 最近の遊園地はすごいな、なんだいこの宇宙コースターって」


 「308、わかんないすよ! 俺も行くの幼稚園以来ですもん309」


 「そうなのかい、いや〜私は魔法の国の上層部に嫌われていてね、デスティニーランドは出入り禁止なんだよ」


 「310、何したんすか師匠?」


 「えっ、気になるのかい?」


 「311、そりゃそんな言い方されたら」


 「ちょっと王子に無茶させてね、ああ今は王様か」


 「312、何したんすか!」


 「生意気だったんだよ、王子様はね」


 「あっ、知ってるよそれ、前の王様ブチ切れてたよ」


 「おっ? 知ってるかいミミティ」


 「もちろん魔法の国の伝説の一つさ、でもそこから王子様は勉強をするようになって、今や賢王なんて呼ばれてるよ。古い人はみんな麗華さんに感謝してると思うよ」


 「おやそうかい、あいつも偉くなったね」


 「王様も会いたいんじゃないかな?」


 「さあどうだろね、ボコボコにしたからね」


 「そういや王様、女性兵士は近くに置かないらしいよ、怖いって」


 「そうかい、あはは」


 「あはは」


 俺の背中の上で一人と一匹が高笑いをしていた、俺は一人と一匹を重しに腕立て千回を命じられてた。

 いや、腕立ては良いんだよ、トレーニングドンと来いだよ、でもね〜! 王様ボコった話で盛り上がるのはどうなんだろう? 一応は正義の味方じゃないのか一人と一匹は


 「ほらリョウ! もっと早くしな、チンタラしてたら終わらないよ!」


 「はい!」


 俺は師匠の人を人と思わない訓練を日課にしながら遠足日当日を迎える。そういや師匠に一つだけ技を教わったな、まあマスター出来なかったけど


 「リョウ早く行かなきゃ、おいてかれるよ、デスティニーパフェが食べれないよ」


 耳元でミミティが叫ぶ、今日は朝からうるさい、滅茶苦茶テンション高くてウザいし


 「ほらほらみんな待ってるよ、走れよリョウ!」


 はぁ、しかし憂鬱だな、班決めから今日まで三人とも余所余所しいし、俺の事避けてるよな


 「遅いですわよ魔藤さん」


 「あ、おはよう魔藤くん」


 「あわ、おはようございます魔藤くん」


 三人とも挨拶はしてくれる


 「ああおはようみんな」


 「こら魔藤! お前班長だろうが! 早く点呼してこい!」


 「は、はい」


 やべー、担任がキレてる、早く行かなないと


 「俺行ってくるよ」


 そう言ってすぐに報告しに行く、なんだか三人が寂しそうな顔をしたが気のせいだろ。


 「うーん、しかしリョウは女心をすこし学ばないとね、いやこの場合は幼女心かな?」


 なんかミミティがうるさい、何言ってんだ。


 「五班全員揃いました!」


 「よしバスに乗れ」


 「はい、おーいバスに乗れってさ」


 俺は三人を呼ぶ、三人は素直にバスに乗ったので俺もバスに乗る、しかしバスも班ごとだからな気まずいな


 「早く乗れ魔藤!」


 「は、はい」


 こうして楽しい楽しい、デスティニーランドへの遠足が始まる。


 場面変わって、ここは千葉県某所のラーメン屋……を隠れ蓑にする光の使者、千葉支部、幕張出張所


 「隊長、魔法の国への侵入ルートの確保完了しました。」


 ビシッと敬礼をする、ラーメン屋のおやじ、彼は光の使者でしたっぱもしたっぱの一兵隊だが、彼が経営するラーメン屋は千葉で口コミサイトのランキング常に一位を取り続けるラーメン界の風雲児である。

 何故ラーメン界で頑張らないのか? 本当に残念なおっさんであった?


 「ふむご苦労、で侵入ルートは?」


 「はいこれです」


 彼は隊長にデスティニーランド1日パスを手渡す


 「これ普通に買えるやつじゃ?」


 「はい徹夜で並びました!」


 「そ、そうか」


 光の使者は世界的な悪の組織であるが、まあ一番下の構成員程度は一般人と大して変わらない


 「では計画の概要を説明する」


 そう光の使者の魔の手はデスティニーランドに向かっているのだった。


 そして魔藤達に場面は戻る


 しかし気まずいな、沙織は無心にお菓子を食べてるが、瑞樹はじっと座ってる、エリナは窓の外を眺めたりこっちを見たりせわしない


 「なんだよエリナ、なんか用か」


 「なんでもありませんわ!」


 プイッと窓の方に向くエリナ、はぁ何なんだよ、しかし瑞樹はしすが……


 「気持ち悪い」


 うおー! 酔ってたんかい!


 「大丈夫か瑞樹」


 「ちょっと気持ち悪いよ」


 仕方ない窓際に、エリナと変わってもらうか


 「エリナ!」


 「はいなんですか」


 エリナは急に呼ばれたので驚いたのかキョトンとしている。


 「瑞樹がバスに酔ったみたいなんだ、席を変わってくれないか?」


 「えっ、ああ瑞樹さん大丈夫ですか?」


 うーん、最初はワガママお嬢様かと思ったが意外と面倒見がいい、困ってる奴を見るとすぐに助けようとするからな、まあその辺は流石のWSS学園の生徒だよ


 「窓際なら少しは楽だろ、どうだ瑞樹?」


 「うん、少し楽になったよ」


 こうして瑞樹は窓際に、そしてエリナは


 「なんであなたが隣に!」


 「仕方ないだろ、後少しなんだから我慢しろよ」


 「くぅー」


 可愛らしい声を出して黙る、はぁ、なんだか行きのバスでもうヘトヘトだよ

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