ヒーローの戦場
光の使者総本部内
「総裁、計画は順調です」
「そうか、ヒーローの動きは?」
「こちらがバラまいた偽りの情報の方に」
「ふふ、そうか」
「はい、順調に行けば月末には行動に移せるかと」
「ならば行おうかこの国を神の国に!」
「神の国に!」
悪の組織が動き始めようとしている時リョウ君は
ダルいな、そういや最近空手の稽古に行ってないや、変身ヒーロー科だったら授業であるのにしまったな
「久々に道場行こうかな!」
そう思って道場来たらこれだよ
【アメリカに移転します!】
「なんでやねん!」
俺は道場の跡地の前で叫んだ。
しかしどうしたもんかな、流石に体を鈍らせる訳にいかないし、まだ変身ヒーローを諦めた訳ではないし
ナレです、リョウ君はヒーローの資格さえ取ればヒーロー活動は魔法少女スタイルでなくても大丈夫だと思っています。
確かにヒーローの資格書にその様な規定はないので可能といえば可能ですが、変身ヒーロー科で学ばなかった者を雇うほどヒーロー業界は甘くありませんし、独立自営でやって行くのには新人には厳しい世界でしょう。
それに世間がリョウ君を変身ヒーローにさせるはずがない状況に成り立つあります。
「おもろいやんけ!」
「珍しくそして目立つ素材か」
「視聴率は取れるかな」
男で魔法少女のインパクトを狙い、スカウト達は暗躍しているのです。
リョウ君の未来は険しい道のりなのです。
「くそ、あの先生「ハロー」とかいきなり言い始めて金髪の姉ちゃんの本ばかり読んでたからおかしいと思ったら、アメリカに行く気だったのか」
「リョウ、どうするんだい?」
俺はミミティの質問に
「どっか練習出来るとこ探すしかないだろう、街に行くか」
「ほーい」
俺は久々に正確には中学卒業以来か、東京に出ることにする。
ナレです、リョウ君達が通うWSS学園は東京都の八王子市より更に西側に存在する。
WSS学園は授業を行うのに軍事演習が行える程の規模の土地が必要であり、東京都の西側を再開発して広大な学園都市を形成する。
ただヒーロー育成だけでなく研究機関や理工学系の新たな国立の大学、WSS学園の更に上位に属するヒーロー養成の大学、正確にはWSS学園とは高大の一環教育でもある。ただヒーロー資格は高校卒業時に貰えるので進学する者はあまりいなかったりする。
ただヒーロー資格は大学では取れないが就職率が高く、それも大企業ばかりなので日本で一番人気の大学でもある。
皆、何故大学でヒーロー資格が取れないのか不思議だが創立者が決めた事に意を唱えるものもいなかった。
そんな町で育ったリョウ君はこの町より東京の東側、23区内に向かう事にします。
この時代の23区内は正にヒーローの甲子園と呼べる場所で毎日の様にヒーローと悪の戦いが見れます。そんな危険な町なのに人口は増え続け、今や二千万人を超える都市にタワーマンションばかりで世界中の金持ちが住んでいます。
そう金持ち達にとって最大の娯楽が本物のヒーローショーなのです。
そんな場所に新たな道場を探しに来たリョウ君ですが
「東京ならいい道場あると思ったんだけどな」
「リョウはあまり東京に来ないのかい?」
「いや警視庁とかにはよく行ったけど」
「えっ? リョウは不良だったの?」
「違うわ、殺人事件とかの捜査の手伝いだよ、こう見えても名探偵なんて呼ばれたんだぜ」
「えっ! リョウが? 嘘だー!」
「嘘じゃねーよ、変身ヒーロー科に入ってれば卒業すぐに警視庁入りだったんだよ、みんな頑張れって応援してくれたんだけどな」
「そうなんだ挨拶にいかないのかい?」
「いけねーよ、恥ずかしすぎて」
「でもいつかは挨拶にいかないとまずいんじゃないの?」
「それは、そうなんだけど」
こうして俺がミミティとうだうだしていると
ドカーン!
近くで大規模な爆発が起こり、俺の目の前に負傷した警察官がいた。
「大丈夫ですか」
俺は駆け寄り警察官に声をかける
「あ、ああ大丈夫だ、ここは危険だ避難しなさい」
警察官は負傷しながらも俺を気遣う、そんな俺の顔を見て
「あれリョウじゃないか」
「三島さん!」
その警察官は知り合いだった。