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蛍の絆  作者: 吉川翼
第二章 蛍の恋
14/17

6

その翌日。休日であり、特に用事もないため、徳馬はショッピングモールへと向かった。

理由は勿論、プレゼントの購入だ。


モールへ着くと、まずは地図を見て、場所を確認する。

3階であることを確認すると、徳馬はエスカレーターに乗り、3階へと向かった。


3階に着くと、アクセサリーショップへと向かう。

このショッピングモールは、大変広いため、それを探すのだけでも一苦労だ。

何とか見つけると、そこへ徳馬は入っていく……はずだった。


「あれ、徳馬」

聞き覚えのある声が、徳馬の耳に響く。

その声は、徳馬の脳に伝わるや否や、それが沙紀の声であるということを告げた。

「あぁ、沙紀か……、え、沙紀!?」

驚きの表情を浮かべる徳馬。沙紀は、それを不思議そうに、首を傾げてみていた。

「徳馬は、何しにきたの?」

沙紀が徳馬に問う。が、徳馬は内心焦っている。それもそのはず、来た理由は、沙紀へのプレゼントを買うためなのだから――。

しかし、それを言うわけにはいかない。徳馬は、必死に頭の中で、考えをめぐりめぐらせた。


だが、ずっとこうしていても怪しまれる。

苦し紛れ言った答えは、こうだった。

「あの……その……、そう! 新しいシャーペンでも買おうかなって」

シャーペンを買いに、わざわざこんなでかい見せにくるもんか――言い終えてから、徳馬は気づいた。

が、沙紀は、それに気づいていないようだ。

何とかやり過ごせたかな、と安心する徳馬。だが、沙紀が何しに来たかも気になるため、徳馬はそれを聞いた。

「沙紀はどうしたの?」

「私は、服でも買おっかなって思って」

いかにも女の子らしい答えに、徳馬は「あぁ」と頷いた。


「じゃぁね、徳馬」

沙紀は、そういって手を振り、洋服のコーナーへと歩いていった。

「ほっ」

沙紀がいって、完全に緊張の糸が解けた徳馬。

安堵の気持ちが、つい声に出てしまっていた。


沙紀が見えなくなったのを確認すると、やっとの思いでショップに入る。

そこには、何ともかわいらしいアクセサリーが、まるで博物館のように売っていた。

その量に驚きつつも、徳馬は蛍のようなストラップがないかを探す。


徳馬がいいストラップを見つけるのは、それから5分後のことだった。

「これ、いいじゃん」

そう言って、徳馬が手に取ったのは、緑色に輝く蛍のようなストラップ。

暗闇の中でも綺麗に輝くのを見て、徳馬はそれにすることを決めた。


ストラップを手に、レジへ進む。そのとき、包装もしてもらい、何とかプレゼントの購入は、することができた。

「よし、これでオッケイだな」

すべての悩みが解消し、安心した徳馬は、ショッピングモールから、軽い足取りで出ていった。


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