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愚者達の戦記  作者: 六三
皇国編
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第11話:偉大なる大使

 会議の前日、アルベルドはコルネートと余人を交えず執務室で向かい合っていた。無論、ケルディラ大使ゴルドロフについての調査の報告である。その内容にアルベルドは苛立ちの声を上げた。


「つまりあのじじいは、そもそも我が国と手を組むのに反対の立場だったと言うのだな?」

「そうです。ですが議論の大勢が我が国と共にランリエルに対すると決まると、立場を一転させ交渉の大使に名乗り出たとか。どうやら反対しきれぬなら、せめてケルディラに有利に交渉しようと考えたのでしょう」

「なるほどな。それで自国に不利になる要求にことごとく反対している訳か」

「そのようです」


 アルベルドは小さく頷くと、顎に手をやり考え込んだ。あの爺がどうして一歩も譲らぬのか。その理由は分かった。奴なりに祖国を思ってだろうが、アルベルドにとっては邪魔者でしかない。


「このままでは、交渉決裂にもなりかねん。奴がこちらの提案を飲まぬので、こちらだけ譲歩する訳にも行かぬと何も話が進んでないのだからな」

「確かに」

 と、コルネートも頷く。


 とにかく、どうやって奴を譲歩させるかが問題だ。正面から論破しようにも、奴自身無理を承知で反対しているのだから意味は無い。脅そうにも奴は己の命すら捨てている。やはり何か弱みを握るしか手は無いのか。奴自身ではなく、親しい者の命を盾に取る。ならば奴も折れるかも知れん。だがそれも諸刃の剣。妻子を手中に収めても奴が屈しなければどうなるか。


「デル・レイ王国は、自国に有利に交渉を進めようと我が妻子を人質に取りました。とても信頼し手を組める相手ではありません」


 ケルディラに帰ってそう言い放たれては、それこそ交渉決裂だ。力でも、策謀でも、さらに言えば正々堂々の正面からの議論でも対処できぬ相手に、さすがのアルベルドも頭を悩ませる。


 まったくこれでは、八方塞ではないか! あの爺! いずれ目に物見せてくれる! 神を信じぬアルベルドは己自身に誓ったが、今はそれよりも交渉をどうするかだ。


「ここは仕方がありません。一旦、大使の条件を飲んでみてはどうでしょうか」

「それも手だが……」

 とは言うものの、アルベルドとしては譲りたくない線でもある。


 国々を侵略しながら西進するランリエルに脅威を感じ、その怯えからケルディラが宣戦布告。出陣してきたランリエル軍に対し、ケルディラの怯えももっともとデル・レイが救援に赴く。正義はデル・レイにありと情報操作により世論を味方に付けるのだ。それがアルベルドの計画だった。


 それが万一にもデル・レイの手引きと露見しては、デル・レイこそが無用に乱を引き起こしたと非難される。良くてデル・レイの利益の為ケルディラを利用したのだ、と各国は見る。反ランリエル同盟の旗手たらんとするアルベルドにとって、それは避けるべきだった。だが、このままではその危険に配慮するまでもなく計画は頓挫する。


「やむ得まい。まったく交渉が進まぬよりはマシか。万一事が露見しても世論を味方に付ける方法を別に考えるとしよう」


 アルベルドはため息と共に、言葉と、気を吐き出した。そしてその気の緩みが、彼の無意識の意識を台詞とする。


「もっともあの爺の事だ。この先も何かと理由を付けて、こちらの要求をつっぱねるかも知れ――」


 アルベルドが、自身の言葉に驚きの表情を作った。それは理性、知性が紡ぎだしたものではなく、大使との会話から肌で感じたものだった。普段のアルベルドなら、このような感覚を頼りにした台詞は吐かない。だがその感覚の台詞が、アルベルドにある、気付き、を与えた。


 結局こっちが折れても、あの爺はこちらの提案を何も飲まないのではないのか?


 瞬間、それをきっかけにアルベルドの頭脳が急速に回転した。どうしても見つからなかった合わせ絵の最後の一枚を見つけ、はっきりと絵が浮き上がる。


 不意に、アルベルドがくぐもった笑い声を発した。それは次第に大きくなり、部屋中に鳴り響く。


「いかがなされたのです? 陛下」


 主人の思考が読めぬコルネートが、まさかとは思うがあまりに面倒な相手に気でも違ったのかと、突然笑い出したアルベルドに気遣いの視線を向けた。


「私とした事が、迂遠な。こんな事に気付かぬとは」

「ゴルドロフの事で御座いますか?」


「そうだ。分かってみれば単純な話だ。どうやっても交渉が進まん。だがこのままでは交渉決裂だ。奴は自国に有利になるようにとこちらからの提案を突っぱねているのではない。交渉自体を潰す為に議論を停滞させているのだ」

「なるほど……。奴は元々我が国との連携には反対の立場。ケルディラ国内の意見が我が国と組むと固まったので、今度は我が国との交渉を潰そうとした訳ですか」


 コルネートは感心したような声を出しアルベルドも頷く。だがそうなると、とコルネートの懸念は深くなる。


「ですが、だとすればなおの事ゴルドロフにこちらの要求を飲ませるのは難しいのではないですか?」

「ああ。ならば頭を切り替えよう。奴を相手にしては話が進まぬなら、奴を相手にしなければ良いのだ」


 その言葉にコルネートは首を捻った。


「交渉役の大使の交代とケルディラに求めるのですか? しかし、それは彼らも警戒しましょう。どの国も自分達にとって有利に交渉を進めたいもの。それをこちらから交代を求めては、我が方がゴルドロフを持て余していると相手に伝える事になります。例えゴルドロフの所為で交渉が進まないとこちらが訴えても、あくまで国の利益を考えてと主張するでしょう」

「いや、それは分かっている。だからゴルドロフより、もっと有能な大使にご登場願うのだ」


 デル・レイ王国国王アルベルドの顔に不敵な笑みが浮かんだ。



 時が過ぎ交渉が開始された。前回と同じく謁見の間で限られた者達だけが参加している。


 主に口を開くのはデル・レイ王国側はアルベルドであり、ケルディラ王国側はゴルドロフである。王の左右に居るデル・レイ王国の文武の官僚、ケルディラ王国の副大使は、前回と同じく2人を見守っている。


「先日も申し上げたとおり、そのようなご提案は受けかねますな」

 ゴルドロフは、やはり提案を突っぱねた。


 まあ、予想通りか。とアルベルドは唇の端を皮肉に引き攣らせた。もっともそれも一瞬で消し去り、あえて困惑の表情を作る。


「ゴルドロフ殿。それでは話がまったく進まんではないか」

「とは申しましても、受けられぬものは受けられませぬ」


 万一こちらの読みが外れて交渉が進む事もあるかともアルベルドは考えていたが、取り付く島も無いゴルドロフの態度に内心頷く。では計画通りに進めるか。


「これでは話にならん。一度ケルディラ王国に帰り、エフレム王と再度ご相談された方がよろしいようだな」

 そう言って開始早々、会談の終了を宣言したのだ。


 これにはさすがのゴルドロフにも意外だった。彼自身は交渉の決裂を求めていたので望み通りではあるのだが、あまりにもあっけなさ過ぎる。とはいえ、今までの己の態度を考えれば、いえ会談を続けましょう、と言う訳にもいかない。


「かしこまりました」

 と一礼し、副大使共々王に背を向けた。その背に王が言った。


「まだ日が高いとはいえ、すぐには出発出来まい。どうせ明日になるのなら、今日は我が王都でも見物なされては如何か?」


 見物など迂遠な。そうゴルドロフは心中吐き捨てたが、表情にはまったく浮かべず王に向き直ると丁寧に頭を下げた。


「いえ。この数日間、存分に見させて頂きましたので」


 改めて背を向け退出し副大使も後に続く。そしてさらにコルネートが、彼らを追いかけるように続いたのだった。



 ゴルドロフは与えられている部屋に入ると椅子に座り大きく息を吐いた。やり遂げた、という充実感がある。これで交渉は決裂だ。アルベルド王はエフレム陛下と相談しろと言ったが、デル・レイがいかに無理難題を押し付けたかと誇張して報告する積もりだ。その為話はまったく進まず交渉は決裂したのだ。と。


 勿論、デル・レイ王国側から事実と違うと抗議の声が上がるが、実際交渉は何も進展しておらず何の誓約書もかわされていないのだ。陛下には、デル・レイが自国の失態を隠す為虚偽の主張をしていると訴える。他国の言い分と自国の大使の言。どちらを信じるかなど自明の理。


 ケルディラ王国に下級役人として仕え30余年が過ぎ、今では過分な地位を頂いた。身命を賭してその恩に報いる時を捜し求めていた。そして今がそうなのだ。武人ならば、戦場でいくらでも命を賭ける舞台が用意されている。だが文官の自分にそのような場所が与えられるとは、ある意味果報と言えるかも知れん。


 陛下はアルベルド王の虚言に惑わされ、ランリエルに対抗すると決断なされた。だが、現在友好関係にある国に危険の可能性のみを論拠に戦争を仕掛けるなど……。いや、陛下が暗愚なのではない。陛下を惑わすアルベルド王が悪辣なのだ。


 明日には副大使のフリストフォルと、数人の従者と共にここを立つ。それですべてが終るのだ。我が身どころか妻子にも危険が及ぶのではとも危惧したが、その時は妻子の命すら陛下の恩為に捧げる覚悟だった。ケルディラ王国に忠誠を誓う身としては当然の決意ではないか。だがそれも杞憂だった。


 張り詰めていたものが切れたのか、まだ日が高いにも拘らず椅子に座ったままゴルドロフの瞼は閉じられ、それは、出発の朝まで開かれる事はなかった。



 ゴルドロフ一行はデル・レイ王国を発し、10日ほどの道のりを経て祖国へと到着した。一度ゴルドロフの邸宅に寄り、そこで改めて身支度を整えるのだ。ゴルドロフだけではなく、皆、風呂にも入り身を清め、用意してあった礼服に袖を通す。陛下に拝謁するのだ。砂塵にまみれた身でなど許されない。その間に、王宮には到着を伝える使者を向かわせた。


 乗る馬の身すら清められたゴルドロフ一行は改めて王宮に向かった。彼らの到着を待ちわびていたエフレム王は早速彼らを拝謁の間に通す。


 大使のゴルドロフ、そして副大使のフリストフォルは王の前に跪き俯いた。無論、事は秘匿を必要とする。デル・レイ王国で王に謁見した時と同じように、エフレム王の左右に並ぶ臣下は信頼できる口の堅い者達ばかりだ。


 エフレム王は、齢70歳を超える老人だった。長い髭も頭髪もすっかりと白くなっている。若き頃はその英明を讃えられていたが、10年ほど前から耄碌し始めた。そう陰口を叩かれる事も多い。だが、いやそうでない。陛下をたぶらかす佞臣の毒の所為なのだ。と、ゴルドロフは考えていた。


「ただ今、デル・レイ王国より帰参致しました」


 大使はそう言ってさらにこうべを深く下げ、副大使もそれに倣う。


「うむ。それで首尾はどうであったか?」

「は! 恐れ多い事ながら、デル・レイ王国のアルベルド王のげんは、まったく信用なりませぬ。自国の利益のみを考え、我が国に無理難題ばかりを押し付ける有様で御座いました」


「それはまことか?」

「真で御座います。その為交渉はいっこうに進まず話になりませぬ」

「では、わざわざデル・レイ王国まで出向きながら、何も決めずに戻ってきたと申すか?」


 王の顔色が不信なものに変わった。せっかく日をかけ他国まで出向きながら何の成果も無いのかと、ゴルドロフの能力を疑っているのだ。もっともそれは、ゴルドロフには予測済みだ。


「はい。ですが、それもすべてアルベルド王の要求が横暴な――」

「陛下にお伝えしたい事が御座います!」


 突如、副大使のフリストフォルが割って入った。陛下の御前で、副大使が大使の言葉を遮るという無礼に、皆の視線がフリストフォルに集中する。


 ゴルドロフは、いや、荷物を運ばせる為にデル・レイまで同行した従者ですら、この副大使の存在を気にも留めていなかった。国内の大貴族が、己のどら息子に箔を付けさせる為だけに、邪魔はさせぬからという条件で副大使として同行させただけなのだ。


 それが今、そのどら息子は普段は愚鈍に眠そうにしている目を見開き、弛んだ頬を興奮に震わせている。


「何も決めずに帰ってきたなど、とんでも御座いません。私は独自にデル・レイ王国と交渉し、こちらの要求を飲ませて参りました!」


 何だと!? ゴルドロフは、我が耳を疑った。いったいこいつは何をしてくれたのか。呆然とした目でゴルドロフが見つめる中、フリストフォルは得々として言葉を続ける。


「ランリエルに対して事を起こした時に、デル・レイ王国が我が国を支援する軍勢の規模など、間違いなく誓約書に署名も頂いておりまする!」


 その言葉にゴルドロフは目眩を覚えた。身体が震え、胃の中の物が口腔へと逆流しそうになるほどの精神的衝撃が襲う。これがデル・レイ王国国王アルベルドが打った手だった。


 デル・レイ王国とは何の取り決めもしていない。だからこそ無かった事にもし易い。それをどんな些細な事でも誓約書を交わしてしまっては、そう簡単には反故に出来ない。誓約書は神聖だ。当然デル・レイから抗議の使者が来て破棄する経緯を詳しく調査するだろう。


 交渉を決裂させる為に大使の役目を買って出たなど、他に漏らせるはずは無い。アルベルドはそう読んでいた。そして副大使のフリストフォルに目を付けたのだ。副大使が愚鈍な人物であったのはアルベルドに幸いしたが、例えそうでなくとも策に支障はなかった。何せ、交渉を決裂させようと思っているのはゴルドロフだけなのだ。


 ゴルドロフ達がデル・レイ王国の謁見の間から退出した後、それを追いかけたコルネートがフリストフォルに声を掛けた。


「ゴルドロフ殿はあのように仰っておりましたが、せっかくの陛下のお言葉、私が城下をご案内致しましょう。副大使ともなれば、今後の為街を知っておくのもよろしいかと存知まする」


 フリストフォルは頷き、近くに居た従者達も、まあその通りだと誰も気にもしなかった。だが2人っきりになった途端、コルネートがフリストフォルに耳打ちした。


「このままでは、貴方達は手ぶらで国に帰る事になります。せっかく遥々ケルディラ王国から我が国に来たのです。それをなんの成果も無しに帰っては、ゴルドロフ殿だけではありません。副大使たる貴方もエフレム陛下から御不興を被りましょう」


 途端、副大使は震え上がった。

「お前はただ黙って大使のゴルドロフ殿の後ろに控えて居ればよい。それだけで隣国との交渉を纏めた大使一行の一員として箔がつくのだ」

 父からそう言われていた。それが何もせぬのに責めだけ負うとは話が違うではないか。


「しかし、それは皆大使たるゴルドロフ殿の所為では無いですか。それを私まで責めを負うなどと、あまりにも理不尽な」


 フリストフォルは、額に脂汗を流し必死で訴える。だがコルネートの責めは続く。


「お役目とはそういうものなのです。誰の所為ではなく、副大使という職を負っている。その事で、結果に責任の取らねばならないのですよ」

「ですが、そのような……」


 大貴族のどら息子と言っても、10や20の子供ではない。30近い大の大人なのだ。それが王から不興を被るという言葉に、目に涙さえ浮かべ身を振るわせる。この年になるまでずっと甘やかされて育った男なのだ。たとえ30年という歳月を生きていても、その人生は親の溺愛に薄められたものであり、その密度は子供と変わらない。


「副大使の役目とは大使を補佐するもの。大使が道を間違えそれを副大使が正さぬなら、それは副大使の責任で御座いましょう。職を全うせずと責めを受けても仕方ありますまい」


 コルネートの言葉はかなり誇張したものであるが、副大使の職責の拡大解釈のギリギリ範囲内でもある。自分のあずかり知らぬ事とは言えず、どら息子はぐうの音も出ずさらに顔を青くした。


 その表情にコルネートは満足し、十分鞭はくれてやった、では、次は飴をあげようと、泣く子をあやすように優しげに声をかけた。


「脅えさせてしまったのなら申し訳ありません。ですが、我々は貴国との友好を望んでいるのです。それがこのままでは、こう言っては失礼ですが、ゴルドロフ殿の所為で両国の関係が悪化しかねません」

「はい……。仰るとおりです」


「ですのでゴルドロフ殿を交えず、貴殿とお話したいと、陛下は仰っております」

「私と、ですか?」

「そうです。常ならば大使を差し置いて、副大使が交渉をするなど許されるものではありません。ですが、今はそのような些事に囚われず、両国の国益こそを考えるべきではないですか。それに、ゴルドロフ殿が何の成果も上げず国に戻る中、貴方は我々と交渉し成果を持ち帰る。きっとエフレム陛下は、貴方を認めて下さるでしょう」


 罰せられると脅えていたフリストフォルは、むしろ手柄になるとの言葉に顔色を歓喜に変えた。そしてアルベルドは、デル・レイ王国側にとって、交渉を続けるならばどうせ受けてやらねばならぬと決まりきった事柄を2、3見繕って認めてやり、誓約書を交わしたのだ。それを今フリストフォルは胸を張り王へと報告している。


 そして国王も、

「なるほど。それは良き働きをしたものだ」

 と頷き、さらにお褒めの言葉が続く。


「お主の父の名はよく耳にしておったが、その息子たるお主もこれほどの手腕を有しておったとは、予も今までしらなんだわ。虎は猫の子を産まぬものよ」

「はは! 勿体無きお言葉!」


 役に立たぬ大使に一瞬侮蔑の目を向けた後、副大使はそう言って平伏した。ゴルドロフの所為で処罰されるところだったのだから当然である。しかしゴルドロフにその視線に気付く余裕は無かった。


 命を賭した計画が、何も分からぬ軽率などら息子にぶち壊しにされたのだ。その崩壊は彼の精神にまで波及し、まるで気でもふれたかのように口元はだらしなく開かれた。その姿に王の左右に並ぶ臣下達から、ゴルドロフ殿はまだ50を過ぎたばかりであるのに、もう耄碌もうろくしたのかと侮蔑の視線が送られる。


 謁見の間では、王とフリストフォルとの間でお褒めの言葉と謙遜の言葉の応酬が続いていたが、その言葉はもうゴルドロフの耳には届いていなかった。



 それからしばらく後、ゴルドロフは更迭され、フリストフォルがデル・レイ王国との交渉の大使に任命された、とアルベルドは部下から報告を受けた。その時アルベルド王は、大いに笑った。と、その部下は親しい者に語ったという。

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