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愚者達の戦記  作者: 六三
皇国編
281/443

第190:豪腕

 ベルトラムとの直接対決を決意したサルヴァ王子は、ゴルシュタットにベルトラムとの秘密裏の会談を申し入れた。会談の場所を含め事前調整が必要と考えていたが、ゴルシュタット側から提示されてきた場所は、驚くべき場所だった。


 ラチューシ。地名はケルディラでは、これといって特徴があるものではない。地形も変哲のない山林である。問題があるのはその位置だ。ランリエル勢とゴルシュタット勢が対峙している地点から、1.5ケイト(約11キロ)もずれていた。ランリエル側に、である。


「ベルトラム殿は、我が方から危害を加えられる可能性を考えぬのでしょうか……」


 繊細とは(少なくとも表面上は)程遠く、図太い部類に入るウィルケスですら、この申し出には唖然とした。領土問題でもめ一触即発。その相手の只中に乗り込もうというのだ。しかも、ならば大軍勢を率いてくるのかと言えば、従えるのは僅か百騎。無論、精鋭中の精鋭ではあろうが、こちらは全軍で十数万。大軍で囲むのは造作もない。


「こちらが危害を加えられぬとの確信があるのだろう」


 陣中の粗末な卓に座す王子は努めて冷静さを保とうとするが、その声には抑えても抑えきれぬ苛立ちがある。


「ですが、それでも捕えられて人質にされる危険もあるはずです。ベルトラム殿は、あまりにも無謀ではありませんか」

「無謀か」

 サルヴァ王子の顔に人の悪い。いや、闇のようなものを含んだ笑みが浮かんだ。

「お主にはそう見えるか」

「はい」


「お主が相手でなくて、ベルトラム殿は幸運だ」


 その言葉には、僅かながら嘲笑が含んでいた。しかしそれは、かけられた者よりも、発した者の心を傷付けた。ベルトラムに追い詰められたその威圧から逃れる為に、身近な者に八つ当たりをし気を紛らわす。その精神作用を王子自身が気付いていた。そして、それが分かっていても止められぬ負の感情の連鎖。


「ありがたい事に、私はベルトラム殿に信頼されているらしい。のこのこ出てきたところを捕えるなどという、愚行をせぬだろうとな」


 卓に肘を付き手の平で顔を覆う。くぐもった笑いが漏れる。それは不健全な響きだった。


 勿論、ここでいう愚行とは、出向いてきた相手を捕えるなど信義にもとる。などという次元の話ではない。現在、ランリエルとゴルシュタットは領土を争っているのだ。そこにのこのこ相手陣営に出向く方が愚か。サルヴァ王子がベルトラムを捕えても、ベルトラムこそが自業自得と嘲笑される。ならばこそ、ウィルケスもその危険を指摘したのだ。しかし、それが出来ない。


 王子は、何の情報も持たず交渉するという愚行はしない。ゴルシュタット、リンブルクの情勢は多くの人を使い調べつくしている。そして分かった事がある。今、ベルトラムを捕えればその両国の政治体制は崩壊する。


 いまだ盤石ではなく、ベルトラムという強烈な個性が纏めているのだ。それを捕え、お前達の主を捕えたのだから言う事を聞け、などは通用しない。ベルトラムを捕えた瞬間、彼らは我こそが権力を握るのだと妄動する。対皇国戦時に、ゴルシュタット=リンブルクの戦力を味方に引き入れたいサルヴァ王子はそれを望まない。ベルトラムは自身の支配体制が脆弱である事すら武器にしているのだ。


 サルヴァ王子は今回の会談で、いわばベルトラムにはったりをかます計画だった。


 あまり調子に乗るな。いざともなれば、後先考えずにゴルシュタットを滅ぼしても良いのだぞ。その気概を見せ、譲歩させる。それを目論んでいた。それが、その会談の前に、ベルトラムの方から、出来ますかな? と嘲笑を浮かべ諸肌を脱いで見せたのだ。


 他の者なら、サルヴァ王子の思惑に乗っただろう。知者であればある程、王子の動きに惑わされ、事の本質を見誤り術中に落ちる。それが通用しない。幻惑など利かず、王子は自分を殺せない。その原理原則から踏み外さない。剛強な男だ。


 しかし、それにしてもだ。もしかしたら。万一にでも。常人ならばそう考え、敵の只中には来ない。それをやってのける豪胆さがベルトラムにはあった。


 あるいは、ベルトラムの方こそ、はったりを仕掛けてきているのではないのか。一瞬、頭によぎった王子だったが、すぐさまその愚かな考えを捨てた。そのような次元の男ではない。実の塊のような男だ。ベルトラムとて詐術を使い、相手を陥れる。だが、その詐術ですら、実。そう思わせるものがある。


「いかがなさいますか。ベルトラム殿が百騎ならば、こちらも百騎で出迎えますか」


 勿論、そうはいっても数千の兵を周囲に隠す。安全を考えれば当然だ。ウィルケスもその積りで言っている。そして、サルヴァ王子は即答できない。


 ゴルシュタットは、コスティラ兵、ケルディラ兵のように巨人ぞろいではない。しかし、実直で寡黙な彼らは武芸に励み優秀な軍人だ。こちらはこちらで最精鋭を揃えるが、同数では勝てぬ可能性がある。ゴルシュタットの場合、皇国に付くと決断すれば、ここでサルヴァ王子を討つのに問題はないのだ。


 サルヴァ王子を急襲し、討ちとって一気に逃げる。それが無いとは言い切れない。


 ならば、数千の軍勢を率いるか。数百のベルトラムに対し、あまりにも器が小さくはないか。いっそ、万の兵を率いるか。馬鹿馬鹿しい。相手は百なのだ。数千だろが万だろうが変わりはしない。ますます器の小ささを晒すだけだ。


 サルヴァ王子は知者である。まぎれもない知者だ。その知者が、賢者に翻弄されていた。ベルトラムの揺さぶりに、過剰反応している。しかし、ベルトラムが何を考えているかなど、ベルトラムの頭の中を覗き込むしか分かりようがない。


 ベルトラムには、考えても分かりようがない事を、頭から切り捨てる豪胆さがある。しかしサルヴァ王子は、知者であるがゆえに正解を追い求めてしまう。その知に溺れていた。考えても仕方がない事は考えない。それが賢というものだ。だが、知はそれでも答えを求める。結局、この日、王子は結論を出せなかったのだった。


 数日後、ベルトラムとの会談の場に向かうサルヴァ王子が率いたのは5百騎。いまだに心が揺れていた。いや、出発する前は、少な過ぎもせず、多過ぎもしない適切な数だと考えていた。しかし、馬上で揺られている間に、その心も乱れた。


 結局、中途半端なだけなのではないか。やはり同数か。いっそ大軍勢を率いるべきだったか。


 サルヴァ王子はベルトラムに会う前に呑まれていた。普段の王子ならば、ここまでの過剰反応は見せない。ルキノがリンブルク王となってからの一連のこちらの対応が、全てベルトラムに封殺されている。この状況を打破したい。その思いが強過ぎた。


 王子が会見場所に到着すると、そこには急ごしらえにしては立派な小屋が建っていた。平屋だが、横30ケイト(約26メートル)、縦35ケイト(約30メートル)で十分な広さがある。ウィルケスと幕僚、護衛の騎士達を伴い中に入った。


 現在もケルディラは完全には陥落しておらず、戦時である。にもかかわらず小屋の中の調度品は最高級の物で占められていた。壁にはビロードの布が掛けられ、小国の王ならば、自身の部屋よりも贅沢だと嘆くだろう。


 長方形の巨大なテーブルの上には口を湿らす葡萄酒が用意されていた。それに口を付けずサルヴァ王子はベルトラムの到着を待った。外交上の格はともかく、ランリエルが占領している地にベルトラムがやってくるのだ。王子が先に来てベルトラムの到着を待つのが礼儀だ。王子は開始予定の半刻ほど前に到着していた。


 尤も、現在のベルトラムの外交上の地位は、実は無官である。ゴルシュタット=リンブルク二重統治の統括者という地位が、外交上の席次に想定されていないのである。


 そしてサルヴァ王子にしても、ランリエル勢力圏内5ヶ国の統括者と言えるが、外交上の地位はランリエルの王子であり、さもなくばセルミア王。王子の地位も妙といえば妙だ。良く分からない地位の者同士の会談ともいえた。


 ベルトラムは予定時刻の少し前に到着した。ランリエル士官に先導され部屋に入って来た彼を一目見た王子は、名乗られずともその者がベルトラムであると理解した。


 過去には武人として名声を得ていたベルトラムだが、現在は武官ではない。総指揮官として軍部の幕僚を従えているが、彼自身は文官の礼服だ。しかし、そのような事よりも、身にまとう雰囲気が他の者達と格が違うと告げていた。


 強烈な覇気を発している、からではない、その逆だ。むしろ他の幕僚達の方が、敵地といってよいこの会談の場に覇気と殺気を漲らせている。しかしベルトラムは平然としている。敵地にもかかわらず我が庭を散策するかの如くだ。


 ベルトラムは勧められるままサルヴァ王子の対面に座った。まだ挨拶はせず、王子は2ヶ国王と呼ばれる男を今一度視線を向けた。


 60近い年齢のはずだが、鍛え上げられた身体が服の上からでも見て取れた。ベルトラムに気負ったところは無い。瞳にも力は込められず静かな光を放つのみ。にも拘わらずその威圧は勇猛な騎士と対峙したかのようだ。ベルトラムは何もしていない。平然と座する。その平然に、威圧される。引き寄せられるように目が離せない。


 王子の左右にはムーリなど幕僚も座している。ベルトラムも同じく数名の随員がいる。彼らも続いて席に付く。王子の視線はベルトラムに向いたままだ。しかし、王子の幕僚達からざわめきが起きた。王子が視線を向けるとムーリと目があった。冷静沈着が人の形をしているといわれる宿老が、驚きに目を見開き、王子に答えを求める視線の向けていた。


 王子がベルトラムの随員に目を向けた。王子の目も見開かれる。


 ルキノか!?


 王子の視線が動揺し泳ぐ。ルキノの方は王子がいるのは重々承知しているはずだが、やはり気まずそうだ。王子と目があった瞬間、僅かに逸らした。


「どうなされたのですかな。先ほどから我が娘婿であるリンブルク王の顔を見て驚いているようですが」

「リンブルク王……」


 ベルトラムはぬけぬけと言い放ち、王子の幕僚達がさらにざわめく。ベルトラムの一人娘であるリンブルク女王を助け、突然リンブルク王になった男。ラルフ・レンツの名を知らぬ者はいない。しかしこの顔はルキノ。サルヴァ王子の元副官である。王子への取り次ぎは全て彼を通していた。ほぼ全ての者が言葉を交わした事があり、友誼を結んでいる者すらいる。


 無論、王子もルキノの不在に無策ではない。ウィルケスに命じ偽の指令書を作成させている。書類上はルキノはランリエルに居るのだ。書類上で転属に転属を重ね、そこに意図的に不備の書類も紛れ込ませていた。ルキノの知人が、軍に問い合わせてルキノの配属先に会いに行っても、問い合わせた時の書類は不備で実は別の場所に居る。という事になる。会いに行くには遠く全くの反対方向。行く気がそがれ、せめてもと手紙を出せば、カーサス伯爵の部下がルキノの手紙を代筆して返す。まず、ばれる事は無い。万一そこまで行ったとしても、すでに転属している、となるのだ。


 とはいえ、ルキノとリンブルク王は瓜二つ。幕僚達も軍人として優秀な者達だ。自制心を発揮し、どう見てもルキノ。その言葉をかろうじて飲み込むが、代わりに王子に視線が集まる。前を向いたままの王子が、頬にその視線を感じた。


「ルキノ」

 王子が言った。リンブルク王の眉がピクリと動いた。

「という者に、ラフル王が良く似ているのです。以前、私の副官を務めていた者なのですが、まるで生き映しだ」


 思いもよらぬ事態に、この場でルキノの正体を公表すべきか。その決断が付きかねぬまま王子が踏み込んだ。


 ルキノの存在は両国を揺るがす巨大な爆弾だ。リンブルク王が実はサルヴァ王子の腹心。それが知れ渡ればどうなるか。皇国はゴルシュタットがランリエルと手を組んだと見る。だが、現時点でそれが公表されるのはベルトラムも望んではいないはず。


 もし露見すれば、ベルトラムが取るべき道は2つ。1つは、ランリエルと同盟を組んだと公表する事だ。しかしそれは危険過ぎる。ならばもう一つの道。ランリエルに騙されたのだと主張し、リンブルク王の、ルキノの首を刎ねる。現状、これが一番可能性が高い。


 この場にルキノを連れてきたのは、ベルトラムにその覚悟があるのか。ルキノはそれを理解しているのか。


 早まったか。まったく気付きもしない。その態を装うべきだったか。サルヴァ王子の背に冷たい汗が流れる。だが、気付かぬふりをするにはリンブルク王とルキノは似過ぎている。似ていると思わなかったでは通らない。


「世界は広い。顔が似ている者などいくらでも居ましょう。そのような事よりも、我が勢力とランリエルの国境線に付いて話そうではありませんか」


 王子が息を呑んだ。自ら用意した巨大な爆弾を、その豪腕で投げ捨てたのだ。


 常人は、秘密を知られたくないなら、その秘密を隠す。それをあっさりと晒し、些事と言ってのけた。その有無を言わせぬ何気ない物言いに、王子の幕僚達が、そ、そうなのか? と顔を見合わせている。


 そして王子は、その手に乗るしかない。大陸を揺るがす秘密のはずが、これで対外的には、リンブルク王はサルヴァ王子の腹心の部下にそっくりだそうだ。そういう雑談の種でしかなくなってしまった。無論、この後、サルヴァ王子も秘匿に手を尽くさなくてはならないが、一先ず危険は去ったというべきか。しかし、ルキノの首にかかった綱は、いまだベルトラムの手にある。


 ランリエル側の幕僚達は釈然としない者も多いが、ゴルシュタット側の随員達は、リンブルク王とサルヴァ王子の元副官は顔が似ているのか。と、ベルトラムの言葉通り受け止め、それで納得している。話題の中心となったリンブルク王は落ち着きがないように見えるが、今までは流浪の騎士だった男だ。それが大国の会談に顔を出せば、それも無理からぬと思われた。


「確かに、既知の者に顔が似ているどうこうで時間を無駄は出来ぬな。本題に入らせて貰う。今回のゴルシュタットのケルディラ侵攻。いかな考えがあっての事か。ご返答頂こうか」


 王子は、あえて礼節を踏み外した。自分から招いておきながらほとんど命令といってよい口調だ。ルキノの話題から早く逃れたい事もあったが、無論、ベルトラムを激させる為だ。


 ベルトラムは巨大な岩である。いかに押そうが引こうがびくともせず、砕こうとしても刃が立たない。精神の巨石だ。それを砕くには熱く燃え上がらせなくてはならない。岩をも燃やすほど熱し、焼け爛らせるのだ。そこに一撃を与えれば、いかな巨石でも砕ける。


「どうと、言われればランリエルと同じというしかありませんな」


 しかし、ベルトラムは乗ってこない。王子もまだ弱火だと理解している。これから燃え上がらせる。


「我が方と同じとはどういう事か。我らはケルディラとコスティラ。両国の統一という大義で動いているのだ。ゴルシュタットにいかな大義がある」

「その大義の厚化粧の下が同じと申しておるのです。領土が欲しいから攻めた。何をどう取り繕うと同じ事。まさか、サルヴァ殿下も本気で言っているのではありますまい」


 ベルトラムの口調は責めるふうではなく、事実を言っているだけと淡々としたものだ。王子も平然と受け止める。幕僚達に身じろぎする者が居たが、堪えている。


「なに。下の素顔が同じなら、化粧をした方が世間には受けがよかろう」

「なるほど。確かに着飾る事を忘れた女からは、男も去っていくと申しますな」


 ベルトラムがさらりと肯定して見せた。王子がベルトラムを言い負かしたかに見える。だが、実はそうではない。


 ベルトラムを燃え上がらせたい王子にしてみれば、一番されたくないのが、あっさりと引かれる事なのだ。激しくぶつかりあい、その熱で燃え上がらせねばならない。とはいえ、やみくもに突っかかっては、底が浅いと侮られる。ベルトラムの上手を行かねばならないのだ。


「男が去るように、ゴルシュタット兵にも去って欲しいものだ。ケルディラ全土をコスティラと統一せねば、その化粧が完成せぬ。ケルディラ西部を欠いたままでは、クウィンティラ王国の復活とは言えぬ」


 明確にクウィンティラ王国の復活を大義名分に掲げてはいないが、コスティラとケルディラが統一されれば、そういう事になる。無論、正式にそう名乗るかはコスティラとの協議となる。そして王子も戯言でその名を出したのではなかった。


 さて、ベルトラムはどう出るか。それとも気付かぬか。この程度を気付かぬ男なら、買いかぶりだったという事だ。王子は笑みを浮かべているが、瞳には挑戦的な光が浮かんでいる。


「あまり欲をかくものではありませぬな。我が方がケルディラの3分の1、ランリエルは3分の2.それで十分でありましょう」


 気付かぬのか? ベルトラムは絶対に気付く。そう考えていた王字には意外な返答だった。この程度の男だったのかという落胆と、韜晦なのかという疑惑。2つの考えがせめぎ合う。確かめねばならぬか。


「両国が統一され、クウィンティラを名乗れば、いずれ両国民には、大国クウィンティラ王国の民だという誇りも生まれよう。その時西部の土地が欠けていれば、あまり良い気はせぬだろうな」


 コスティラとしてケルディラの領地を侵食した。それならば西部をゴルシュタットが占領していても、不快とは思いつつも妥協の余地はある。だが、クウィンティラ王国を名乗れば、国民は嘗て大陸に君臨した大国クウィンティラの復活を夢見る。西部を欠くのを我慢出来ない。


 国民感情、民族意識とは人間の心に染みつく。容易にはぬぐえない。クウィンティラ完全統一まで彼はら諦めない。失敗しても何度でも挑むだろう。ベルトラムにとっても、それは避けたいはずだ。


 そしてそれが活発になるのは、統一されたクウィンティラがランリエルの影響下から抜け出た時だ。今はサルヴァ王子の制御化にあり、彼らも勝手には戦は出来ない。王子がコスティラを抑えているからゴルシュタットは安全なのだ。それをベルトラムはどう思うか。


「なに、クウィンティラなどというすでに滅んで存在せぬ亡霊を墓穴から掘り起こし挑んでくるならば、もう一度墓穴に追い返すまでですな」


 ベルトラムは平然と言ってのけた。

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