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武装山猫王子

作者: 遥(はるか)奏汰(かな遥(はるか)奏汰(かなた)
掲載日:2026/09/11

モフモフの毛並みに、過剰すぎる最新兵器。戦場の常識を吹き飛ばす、史上最小で最弱(?)の兵士が今、出撃する。猫好きも兵器マニアもクスッと笑える、ゆるかわ戦場コメディ!

「おい、我が軍の最終兵器『武装山猫王子』のお出ましだ!」

司令官の叫びとともに前線へ躍り出たのは、二足歩行の愛くるしい山猫だった。ただし、身につけている重装備が異常だ。体長の三倍はある巨大な多目的ミサイルランチャーを背負い、頭部には暗視スコープ付ヘルメット、両手には小型機関砲を構えている。過剰な火力が、ふわふわの毛並みを激しく圧迫していた。

敵軍の兵士たちは思わず身構えた。しかし、王子は威嚇の咆哮をあげる代わりに、重すぎるミサイルの重量に耐えかねて「フシャーッ!」と短く悲鳴を上げ、そのまま後ろへゴロゴロと転がっていった。重火器の重心が高すぎて、自力で起き上がれないらしい。

「王子! 大丈夫ですか!」

慌てて駆け寄る味方兵士が、転がった王子の背中からミサイルを一本取り外してやる。すると身軽になった王子は、鋭い爪で兵士の脚をガリッと引っかき、素早く戦場の瓦礫の隙間へと逃げ込んでしまった。

「……司令官、王子が戦線離脱しました」

「よし、敵の戦意を削ぐ作戦は成功だ。撤退する!」

重装備の重みに勝てず、ただただ暴れて味方に爪痕を残しただけの王子。彼の「武装」が役に立つ日は、まだまだ遠そうだった。


     【了】

ここまでお読みいただき、ありがとうございました!

モフモフと重火器というロマンを詰め込んでみましたが、猫には少々荷が重かったようです。

クスッと笑っていただけたなら幸いです!

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