第三話 お隣さんは音楽を聴いている
最近気になることがある。勿論、友達のほとんどいない僕にとって、学校で気になる事があると言ったらあの人しかいない。梓さんだ。
最近、梓さんはよくイヤホンを付けて音楽を聴いている。もし、僕の知っている曲ならば、仲良くなれるチャンスに違いない!
しかし、どうすれば、なんの音楽を聴いてるか聞けるだろうか。直接ストレートに「梓さん何の音楽聴いてるの?」とか聞くか?「え、いきなり何?キモ」とか言われたら、僕泣くぞ?(被害妄想が激しいタイプ)てか、この人そもそもずっと寝てるし。ん〜、どうするか、、、
「ねえ、敬一」
「えあ、何かな、あ、梓さん」
梓さんはいつも唐突だ。寝てるかと思えば、気づいたら起きてるし、その逆も然りだし。とはいえ、これはチャンスだ!えーっと、さっきなんて言おうと・・・
「暇だから、せっさんしよーよ」
せっさん、、?
「せ、せっさんって梓さん、何?」
「えー、せっさん知らんの?こうやって指立てるやつだよ!」
こ、これは、小学生の時ルールがいまいち理解できず、輪に入れなかったから、完全に僕の黒歴史BOXにしまっていたやつだ!
「ごめん、思い出した、思い出した」
「ん、忘れてただけ?そんじゃあ、私から行くね!」
なんとなく、始まったせっさん。相変わらず、展開が唐突すぎて、頭がこんがらがる。しかし、やるからには、勝ちたい!そして、この勝負に勝ったら、梓さんから音楽を聞こう!
「じゃあ、行くね、せーっさんーー、あ!あれ見て!」
「え、何」
「4!じゃあ、次敬一ね」
僕は、慌てて指を2本とも上げてしまった。ズ、ズルい。というか、セコい。早速負けそだぞ、僕。ぐぬぬ、勝って仲良くなるんだろ僕!
「よ、よぉし、せっさん2」
梓さんの指はぴくりとも動かない。う。
「せぇっさーーーーん、、、」
梓さん凄い溜めて言うな。というか、梓さんどんだけ勝・・・
「4!」
(ま、また、上げてしまった)
「敬一の負けね!また、今度負けた分の罰ゲームだからよろしく!」
負けた、、。なんとなく、聞かなくなって安堵してる僕と普通に勝ちたかった僕がいた。て、ちょっと待って!罰ゲームって、、。
「梓さん!罰ゲームって、、って寝てるし」
梓さんはいつも唐突だ。
【5時限目の授業の途中】
「梓ー、イヤホンやめろー」
「これ、耳栓なので、問題ないです!」
「そうか、耳栓か。いや、問題はあるからな。今授業中!早くしまえー」
「はーい」
あれ、耳栓だったのか。僕以外もクラスの全員がそう思った。




