2.目覚めたら森の中
「ここはどこ?」
見渡す限り木しかない。
どこかの森だろうか?
でも私さっき車に轢かれて死んだ気がするんだけど…
とりあえず現在地の確認しなきゃだよね?
そう思い立ち上がろうとした時だった。
自分の体に違和感を感じたのだ。
「私の手ってこんな小さかったっけ?」
開いたり閉じたりを繰り返す小さくてふっくらした手。
いや、私の手はもうちょっとしわくちゃだったよね?
なんか自分で言ってて悲しくなってきた。
見覚えのない森。
小さくふっくらな手。
そしてーー
「よっこいしょ」
今度こそ手を使い立ち上がる。
そして気づく視界の低さ。
これは最近流行りのあれかな?
小説とかである死んで転生しましたってやつ。
とりあえず今の自分の姿を確認したいから川、探そうかな。
鏡があればよかったけど手ぶらだし。
「川…探そう…」
ーーーーーー
それからしばらく森の中を彷徨ったのだが…
「川、見つからないんだけど!!」
どれだけ歩いても水の音は聞こえないし。
転生初日死亡フラグ立った。
この際自分の容姿はどうでもいいから水分を、水分をください!
「とりあえずちょっと休憩…」
そう呟いて近くの木の根元に腰掛ける。
ゴツゴツしてて痛いけどこれくらいは我慢だ。
それにしてもどれだけ歩いても風景が変わらないのは精神的につらいな。
こういうとき犬とかいればもふもふして癒されるのに…
無いものを求めても意味はなんだけどね。
そんな事を考えてからはぁ〜と深く息を吐き出す。
その時どこからか音が聞こえた。
「なんの音だろう…?」
耳を澄ませてみるが少し距離があるようで何の音かまでは分からない。
確認しに行ってみようかな?
そう思い音のする方へと歩き出す。