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「アフガンの夜」
魅せられしはアフガンの夜。
星の光のあまりの明るさ、美しさに、
わがこころ驚き、すなわち哭きぬ。
斯くも静謐なる光を受けるなら
妖精らも出でむ、月の女神も舞い降りむ。
幼子に戻るか、伽の世界へ行くか、知らず。
現し世のすさみから放たれ、
原初の世界へ誘われんとする、そは魔法なめり。
女神よ、舞え。妖精らよ、遊べ。
もの皆なべてこの光のもと安逸たれ。
我とてもえやは受けざらん、この原初のやさしき光。
ムーンシャワー、スターダスト浴びるがに。
国の人あらば見せまほしきよ、また云いまほしきよ、
我らが国の夜空は空にあらずと。
失われおりしはこの満天の星空、それに比すべき我らが清心たりき。
毒心、邪心、欲念、もろもろの不浄、この光のもと、みな洗い流さばや!
流れ来るコラーンの祈り声に、回教徒ならずとも額づき、
また起きては、
その声がむた、星の世界へと飛びたたざるや。
かくこそ思わめ、このアフガン夜空に…