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人生詩集(2)  作者: 多谷昇太


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3/9

緑の館

僕を連れって行って欲しい、やさしい風の娘たちよ。

君達がもっとも朗らかな声で笑うという、

あの陽光ひかりあふれる緑の館へ。

そこに人はいない。

愚かで傲慢な白豚どももいない。

そいつらの醜く、性質の悪いことと云ったら

まるでお話にならなくて、

イエローの僕をまったく人間あつかいしないんだ。

ただ爪はじきされ、差別されるだけの為に

僕はいま豚の国に居る。許せないのは…

僕がここに来てしまったということで、

豚の豚たるを知らず、

剰え僕は此奴らに憧れてさえいたんだ。

此奴らの国を訪れることを生き甲斐とし、

もって未だ灰色の人生の、しかし未来における

光明とさえしていた。

この無明、この愚かさを、いったい何と語れよう!

いますべてを知って、失って、

ただ眩暈がするばかり…


どこへ行っても、どこで生きても、

まわりの連中が僕にはみな豚に見える。

黄色豚、黒豚、白豚、etc豚。

だからもう、ここから逃れてあそこへ行こうなんて、

考えるもせんなきことだ。人間がいる以上。


どこへ行っても、どこで生きても、僕は異邦人。

たぶん僕は、異星から来たか、

でなければ魔界の者だ。

生まれてこのかた人を一度も好いたことがない。

そのことゆえに僕は自分への理解ができる。

ただ他人の眼には僕は馬鹿と写るだろう。


だから、さあもういいだろう、やさしい風の娘達よ。

僕を拉致して、連れて行って欲しい。

人のいない(絶対に!)、あの緑の館へ。


何と云っても僕はそこで

(白豚のリーマの目を盗んで)

アリどもを殺してやりたいのだから…

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