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邪眼は正しく使って下さい!  作者: たかはし?
世界転移の邪眼勇者編
73/162

第16眼 約束は絶対に守って下さい! の3つ目

 おかしいな?

 金額交渉の時にごねられるならまだしも、お金を出す事自体間違いないと、ミドリーちゃんの護衛ロウ君は言っていたんだが。

 間違いだったのかな?

 まあ、ロウ君の事は別に良いんだけどさ。



「敵とか言ってる奴になんでお金あげると思うのよ!バッカじゃないの!?」

「おいおい、約束は守らなきゃ。お姉さん」




 てってれれってってーってって~!

 あいてむぼっくす~!


 ミドリーちゃんの腕だけ収納ー。



「怒っちゃうぞー?」

「え?は、あ、ひぃいいいいいい!?」



 両肩から先が消えたミドリー。



「ミドリー!?ミドリー!!」

「姫様!?」

「ミドリーを話しなさい、卑怯者!」



 騒然とする広場、特に金銀おばさんとヒゲがうるさい。



「離せと言われて離す馬鹿が居るかっての。ま、冗談はこれ位にして。ミドリーちゃん。君の肩から先はまだちゃんとあるよ?ほら、焦らないで動かしてごらんよ。まだ別に痛くもなんともないでしょ?」

「え、あれ?ホントに…痛く、ない?」

「キヒヒ」



 ドッキリ大成功!ってフリップを何処かから出せたら良かったんだけどね。

 どうやら玉座の後ろにフリップは隠されてないみたいだし、私の手持ちにもない。残念だ。


 アイテムボックスは現在、物を入れる事は出来るが出す事はできない状態になっている。その扉を二つ、左右からミドリーを挟むように動かした。

 なので現在ミドリーは両肩を完全に固定されており殆ど直立不動の状態だが、逆に言えばただそれだけ。言うなれば捕獲された宇宙人状態だ。

 それを見て、常にすわった目をしていたヒゲが驚いたように目を見開いた。姫様が無事で嬉しかったのかな?



「っ…!ひ、姫様、落ち着いて静かにお待ち下さい。勇者も、どうか気を静めて欲しい。姫様が今言ったのは、なにも約束を破ろうと言う話ではないのだ。ただ理解して欲しいのは、この国も何分戦時下にあるが為にそう余裕があるわけでもない。その、だ。先の約束についてもそうだが、勇者の戦力を当てにしていたからこそ見越せる余裕だったと言う事わかって欲しい。」

「つまり、『私が協力しないと出せない』と?それは流石に理屈が通らないなあ。」


 

 こちとら、てめぇの都合なんて私が知ったこっちゃないんだよぅ?



「そうではない!そうではないが……渡すのが無理だとは言わないが、渡せる分となると非常に少なくなってしまうのだよ。だが……」

「だが?」



 ふーむ。まあ、額が少なくなっても良いから、貰えるならこの場で貰う方が良いとは思う。

 で、「だが」なんだろう?



「…一度だけで良い。一度だけ我が国に力を貸して貰えるなら、約束通りの金額を支払おうではないか。それで良いですね、姫様!」

「え、ええ…約束するわ!」

「…キヒヒ」

「どうだ、君にとっても悪い話ではなかろう?この国に新たな勇者ありと知らしめられれば、それが牽制となり大きく時間を稼げるだろう。その間に我が国はもう一度、来る争いに向けての準備ができる。それだけの余裕が今この国には必要であり、その余裕があれば君への報奨も出せるだろうと言う訳だ。これぞお互いの利益になると言う物ではないかね。」



 お互いの得になる話、ね。

 成る程どうして、この話し合いの中で考えたにしてはしっかりとしている意見だ。至極まっとうな交渉であり、今までの中では一番まともな案のように聞こえる。


 ハハ。

 まあ、だからどうしたと言う話なんだけど。

 


「ヒハハ!ああ、残念だがお話にならないね!交渉らしい良い交渉だったとは思うが、何度も言わせないで欲しいなあ。君達はもう交渉する相手として見れないんだよ。一回手伝え?私に、一回分融通利かせろって言ってるんだよね?私の方が先に譲れと。ねーわ。ないない。私が譲るとかありえないから。と言うかそもそも、どうにも私とあんたらの認識が違うからこんな話になるみたいなんだよねぇ。もし話をしたいってんなら、私が『話にならないのは何故かって事』を説明してあげよう。私の主張をひとまず聞きたいと言うなら、その位は喋ってあげようじゃないか。どうだい?聞くかい?」

「その前にミドリーを離しなさい!」

「そ、そうよ、とっとと離した方が身のためよ!?」



 金銀と深緑の親子がうるさい。

 今は君らに話しかけてないから、ちょっと黙ってなさいよ……



「え、無理に決まってるじゃんちょっと黙ってよ。敵なんでしょ?私。敵になったのあんた達だよね?敵の言う事聞くと思う?」

「お金なら出すって、言ったのに…!あんた、さっきから勝手で意味わかんない事ばっかり言って!ふざけないでよ!私は王族なのよ!?こんな事してただで済むわけないでしょう!?今すぐ離しなさいよ!」

「なに、もしかして本当にお馬鹿なの?大丈夫?ミドリーちゃん。状況がわからないなら黙っててくれないと。話進まないんだよ?わかる?」



 私が離している相手は目の前のミドリーだったが、返事は全く別の方向から返ってくる。



「ふざけるなぁああ!もう我慢の限界だ!」



 大臣三度現る。君の我慢の限界は何回来るんだろう?きっと今日だけで堪忍袋は細切れだね!


 だが、大臣の行動はこれまでとは少し様子が違っていた。彼は顔を真っ赤にしてズンズンとこちらに向かって歩いて来た。そしてあと6・7歩程の距離で止まり腰に携えていた少し長めの剣を抜く。



「決闘だ!」

「お断りだ!」

「は!?」



 なんでそんな面倒な事しなきゃいけない!


本日のミリアン一言劇場

「え、命短しって、意味全然違…え?わざと?え?……わけがわからないのですよー!?」

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