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邪眼は正しく使って下さい!  作者: たかはし?
世界転移の邪眼勇者編
5/162

第2眼 名前を正しく覚えて下さい! の1つ目



「で、さっき勇者って言ってたけど…」

「はい、そうですよー。勇者です勇者。」



 この喋り方はおそらく不貞腐れているのではなく、大方気が緩んで本性が出たと言う所だろう。

 あ、また睨まれた。図星だったのだろう。

 と言うか、もうちゃんと会話してるのにまだ心を読まれている。

 結局心を読むならさっきの茶番はなんだったのか。



「じゃあもう読まないですよー!もう!」

「…」



 流石女神様!

 空気は読めるし仕事は速い!かわいいだけじゃ終わらない!

 …あ、照れた。緩んだ顔かわいい。

 …顔隠した。



「読んでないですしー!」



 まあ、嘘だけどね。

 …泣きそうな顔で見ないで。



「…もう、聞きたくないのです。」

「嘘っていったのが嘘だけどね。」

「えへへー。」



 まただらしなく緩んだ。

 …あ。今度は、顔隠さない。



「ようやく本題に入れそうね」

「ですねー。ただその前に…自己紹介、しておく方がスムーズだと思いますが。聞きたいですー?砂原 愛さん。」



 あえてここでこちらのフルネームを呼んだのは、『お前の事は聞かなくても知ってるぞ』ってアピールね。

 そして、『お前は何にも知らないが、私は何でも知ってるぞ』と。



「じゃ、お願いしても?」

「はーい。改めて私、この世界の主神で、因果律担当してるセステレス・ミリアン・ガーデゥーですー!」

「ガードゥー?」

「ガー、デゥー」

「ガー、デュー?」

「デアー、デイー、デゥー」

「デュー!」

「デウ!」



 どんどん顔が近づいてきて、きっとあと何回かでデューとヂューしちゃう。



「だめだ、違いがあんまりわからない。」

「諦めないで欲しいのですよ!」



 不機嫌な様子を体全身で表す自称女神。

 いや、もう自称つけなくて良いか。

 多分女神。恐らく間違いない。きっと。



「ミリアンで良くない?」

「セステレスの人類には元々そう呼ばれていたのですよ。」

「じゃあ良いじゃん!」



 頑張って損した!

 なんと言う面倒くさい女神だろうか。


 等と考えていると、不機嫌な様子から一転、意気消沈している。

 目が潤み、「今にも泣きそうだ。」と思った矢先に…



「…だがら。。。」

「…だから?」

「だがらー、このギかいに覚えでほじいのですょぅううういっ、よぉぉおおおいおいおい、よおおお」



 ダバーッと、勢いよく流れ始めた涙と一緒にあふれ出る悲痛な叫びが歌っているようにも聞こえる。

 見た目は10代後半に見える女神様、ぎゃん泣き。どうすんの、私!



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