第1眼 神様は素直に敬って下さい! の3つ目
「神、様、ですか。。。」
Q、神様です、と言われて、なんと返事をするのが正解でしょうか?
A、
街中で会った場合、「はあ、そうですか」と深くは探らず答えるのが優しさです。
宗教勧誘だった場合、「ごめんなさい、無宗教なので」と一旦断って見て下さい。
ネットで見つけた場合、「ネ申降臨」とかの無難なコメントをコピペしましょう。
『白い部屋に拉致監禁された場合』の検索結果0件。
もしかして…:幻覚?
おっと、少し思考がトリップしていた模様。
別に私は、口下手とかではない。
強く意識すれば普通の速度で話はできる。
ただ『直ぐに考えこむ』癖があるせいで、時々会話相手を困らせる事が多々あるのだ。
…時々、多々あるのだ。
ああもう、面倒な。
神様なら思考を読むとかできないんだろうか。
「それ、したら、人間はみんな怒るじゃないですか!」
ごもっともです。
あ、目を開いた。別に糸目と言うわけではないらしい。
じゃあ目を閉じてたのはなんなんだろうか。
そうか、いつもの事か。私の目が怖いと。ふーん。まあ良くある事だよね。
たとえ神様だろうとね。ふーん。
「うぅぅ…」
まあじゃあ、今回はこのまま会話をお願いします。
その方が神様も楽できますでせう?
「いやですよ!!速く本題に入らせて下さい!あーもう、…あ、じゃあこうします。」
そう言うと女神様は、空中の見えない何かをペペィっと触ってこちらを向き直る。
「どうですか!」
「何がですか?」
「ほら!ほら!」
人を指さしてはいけません。
なんだか最初の神様っぽい神々しい雰囲気が台無しになってきているが大丈夫だろうか。
「余計なお世話ですよ!」
「会話が噛み合ってないですよ。ちょっとよくわからないので口に出して説明して貰えますか。」
「普通にしゃべってるじゃないですかー!」
会話なぞは自力できるとさっき言ったじゃないか。
…あれ、心で思っただけで言ってなかったかな?
本当に、会話が苦手なわけではないのだ。
長年の、家での癖が抜けないだけ。
あと、たまにちょっと会話が噛み合わないから、必要ない時は口を開かないだけ。
「いや、大差ない。まあうん、どっちでもいいか。」
「うわーん!こんな面倒な勇者が初めてなんて嫌なのですよー!」
目元を拭いながら叫ぶ女神様。
本気で半泣きなのか、演技なのかは微妙な所。
なんだかもう、ただのかわいいだけのガキんちょにしか見えなくなってきた。
あ、睨まれた。
どうやら恐怖心は薄れて来たようだ。
言う程怖くないでしょ?私の目。