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邪眼は正しく使って下さい!  作者: たかはし?
世界転移の邪眼勇者編
2/162

第1眼 神様は素直に敬って下さい! の1つ目

本編開始。ただし、まだ異世界には到着しない模様。


最初は短めですが後から一話が長くなりそうな為、読みやすいように分割。

分割が逆に読み辛く感じる場合等はご意見下さい。

手始めに本日3話分一括掲載。



 私の名前は砂原(さはら) (あい)

 ちょっとだけ複雑な家庭環境で育った、19のOLだ。

 家庭環境の平均点等聞いた事がない為『このくらい複雑だ』と明確には言えない。目安とするなら、『家庭についての質問に返事をすると、相手の顔が大体引き攣る』程度だ。


 数ヶ月前まで母と二人暮らしだった。

 別に、母は他界したとかそんな重い話ではない。

 ただ少し、長期で入院しているだけだ。

 そして唯一の同居人であった私は、母の病名も病状も入院予定期間もその経過も知らない。それだけだ。

 あまり仲はよくない方だったため、興味がわかず何一つ聞いていないだけ。


 裕福な家庭ではないが、生きるのに困った事はない。

 母しか居ないと言っても、生まれて今までシングルマザーとかではない。

 ちゃんと父の顔も記憶に残っている。

 父については、母を思う気持ちと比べれば比較的好きな方だが、「もう一度会いたい」とは最後に会った日から一度も思わなかった。

 唯一家族愛と呼べる物を抱いていたのは、家を出た父に連れられ10年以上姿を見ていない、2つ下の妹位だ。

 愛と言う名前を持って生まれた私が愛を実感せず人生の半分程過ごしていると言うのは、ちょっと皮肉が効いた笑い話だ。




 思い返してみたがやはり、そこまで声を大にして言わなければいけない程珍しい所など自分にはないと思う。重ねて言うが、決して裕福な家庭の生まれではない。

 それが、気がつけば見知らぬ絶世の美女、もしくは美少女から拉致監禁を受けているようだ。


 …はて?




 直前の記憶ではたしか、休日の昼下がりに部屋のソファーにうつ伏せでのんべんだらり。

 趣味の読書をしていたはずなのであるが?

 推理小説の醍醐味、「犯人はあなたです…!」的シーンの手前。

 あの興奮の中、夢でも見ているのだろうか…?

 …あの興奮の中、私ははたして、眠れるのだろうか?



 出口どころかつなぎ目一つ見当たらない、広いか狭いかもわからないし光源が何なのかもわからない真っ白な部屋。

 私はこの真っ白な、自分と美女しか居ない空間に、気がつけばぐーたらスタイルのまま寝っ転がっている。

 さっきまでの『柔らかいソファーで本を読みながら左手でページをめくり、右手が届く範囲のテーブルの上には紅茶とケーキとお絞り用ふきんを完備』な、至福のひと時、名づけて、ぱーふぇくとぐーたらの姿勢で。



 ああ、そうですね。

 こういうのは明晰夢と言うんだったでしょうか?


 いや。いやいやいや。それは、『僕、今夢見てるんだ!』って奴だった。

 これはどちらかと言うと、白昼夢と呼ぶべきか。

 …待てよ、これが夢ならやっぱり、明晰夢でも間違っちゃいないだろう。

 ダメだ。どうやら随分と興奮しているらしい。

 もとい、混乱しているらしい。




 美女は、浮いていた。目測15cm位。



「私は、神です」



 考えるよりも速く、正座していた。





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