私のムック
ムックとの出会いで主人公のみっちゃんは、どう変化して行くのか。
ムックとの出会い
パパが右足の骨を折ってから3か月が経った頃、
あたしと公園の散歩に、出かけることが多くなりました。
季節は春も中盤に差し掛かった頃の事です、公園の入り口付近で、あたしが石を蹴っ飛ばしてしまった時です。
パパがこれは石じゃ無いよ、亀だよと言いました、みっちゃんどうする?
あたしは、持って帰りたいと言いました。
パパは、そうだねと言って、持って帰って育でてみようか?
あたしは、うん、と答えました。
早速家に持ち帰り、亀の家作りを始めました、あたしは、パパの指示道理に動き、水槽容器や石、草などを集めて来ました。
パパがよ~し~水を入れるぞ~~、アッ、そうだみっちゃんが入れてみるか?
うん、あたしが入れたい。
よ~し~みっちゃんその位で良いよ、そうだ、亀の名前決めようか。
あたしムックが良い~。
よ~し、分かった、ムックにしよう、その代りムックの面倒は、みっちゃんが見るんだぞ~~。
うん、分かった、あたしが面倒見る、絶対に。
よし、任せたぞ、水の入れ替えはパパがやるから、みっちゃんは、エサを上げる係りだぞ、エサは1日2回だけだよ、朝と晩ね、分かった。
うん、分かった、忘れずに上げるよ~~。
ムックを育て始めてから5ヶ月が過ぎ、パパの手のひらサイズまで成長しました。
季節は、冬を向かえ、パパが突然ムックを冬眠差をせると言い出しました。
ねぇ、パパ冬眠ってな~に。
冬眠って言うのは、秋から冬への変わり始めから、春の終わりまでの間、動物が普段の生活を一時期中止して土の中や洞穴の中で寝る事かな?
うん~~、動物ってどんな動物~。
例えば、ヘビや熊、リスやコウモリも冬眠する動物だな、ムックもその中間だよ。
パパ~、ムックも土の中に埋めるの?
いや、埋めないよ、今使っている容器の中で冬眠させるよ。
どうやって?
じゃ~今から準備するから、みっちゃんも手伝ってくれるか?
嫌だ~~冬眠なんて嫌よ~~~ォ~~~。
だって、だって死んじゃうかもしれないじゃ~~ん。ワァ~~~~ワァ~~~ワァ~~~ァ~。
あたしは、不安になりママの所へ聞きに行きました。
ねぇ~~ママ~~ァ~、パパがねぇ~~ァ~~ァ~~ムックを~~冬眠~~させちゃうんだって~~ェ~~ェ~~~~、死んじゃうよ~~~ォ~~ワァ~~~~ワァ~~~~ァ~~~~。
みっちゃんそんなに泣かないの、パパがそう言っているのなら大丈夫よ。
ハイ、もう泣かない、一緒に手伝って来なさい。
ぅ~ん、分かった~。
パパ何を用意すれば良いの?
枯れ葉を容器に入るだけと、エサを半年分を持って来て。
うん、あたしがやるから、パパは何もやらないでね。
分かったよ。
用意したよ、後何やれば良いの?
先ずは、枯れ葉の一番下にムック入れてから、容器の中に水を少し入れてくれる、最後に枯れ葉の上に半年分のエサをまんべんなく振りかけて蓋をする。
みっちゃん、後、新聞紙やハッポウシツロールが有ったら、持って来て!
何で?
容器の回りに包んで、温めてあげるんだよ。
分かった、持って来る~、だけど、あたしにやらせてよ。
分かった。
あたしとパパは、冬眠仕度を完成させました。
それから半年後の5月に、突然パパが、みっちゃん、表に出て来てみなと、呼ばれました。
早速あたしが表に出てみると、ほら見てごらんとパパがムックに指を指し、あたしは思わず大声を出しました、ムックがムックが~、生きてる~~~~。
あたしは、亀が冬眠する事、脱皮する事をパパから教わりました。
時が過ぎ、あたしも高校生になり、水槽の掃除やムックの世話は全部あたしが出来る様になった頃、何時もの様にムックを表に出し水槽の掃除を終えた時、何処にもムックの姿が見当たらず 、逃げ出してしまいました。
何処を探しても見つかりません、パパ一緒になって探してくれました。
あたしがもう諦めるよと言うと、パパもう少し探してみようと言ってくれました。
そのパパが3年後、亡くなってしまいました。
あたしの為に、ムックの世話の仕方や育て方を教えてくれたパパまでもが、あたしの前から消えてしまった。
その2週間後、学校帰りに、昔パパと散歩してた頃のように、偶然に石を蹴ったと思ったら、亀でした。
あたしは、これは、パパからの贈り物だと思いました、いや、この亀は、パパの生まれ変わりだ~~~と、思い大切に育てていきました。
現在も、その亀を育てています。
名前は、パパです。
78歳になった私が。
完。
みっちゃんは、育て方を覚え、喜びを感じたが、また、一方では、死や悲しみを経験し、成長もし、最後には、幸せを掴む事が出来た、美智子さんで有りました。