Story1 兄への手紙
親愛なるアイナス兄様
時候の挨拶で候。
いかがお過ごしでしょうか。
まずは出がけにトムヤムクンひっかけてごめんなさい。
やけどとかしていませんか?
凄い匂いになっていませんか?
あの色に染まっていませんか?
結局、兄様の言う通り、姉様の復讐なんて出来ませんでした。
ちょっと悔しいです。
味方だと思っていた人が実は敵でやっぱり味方だったり、色々あったから、昇っていた頭の血が一気に下がっていったというのもあるかもしれませんが、実のところ、復讐が失敗したと思ったらちょっとだけほっとしました。
まだ考えると憎いけど、何だか前ほどの気持ちはありません。
ヴァルコは王様に召喚されて色々問いただされることになったそうです。王様がどんな人なのか知らないけど、私たちにとって嫌な結果にはならないと私を助けてくれた人が言っていました。
その結果を待ちながらもうしばらくこっちで色々勉強したいと思います。
っていうか、しばらく帰らないのでよろしくー☆
こっちはアフロの白鳥がいたり、頭からキノコが生えているおじさんがいたり、オーナディアにはない不思議なものがあって楽しい国です。
また手紙を書きます。
それからそのうちもみあげ送ります。
楽しみに待っていて下さい!
エリアード
追伸
ヴァルコが発狂したという噂も聞きました。繰り返し「ゆるしてくれ」と呟いているそうです。
もしそれが本当なら、ほんとうに少しだけ嬉しいです。




