恋われる
私は今孤独に朗読を繰り返す
私には才能がない
だから誰かの描いた物を読む
私は卑しくも
怪談クラブ部長
猫目 小柳 だ
そいつはいつの間にかいた
ある日ふといつも坐っている
安物のパイプ椅子に腰を掛けていたら
何やら声がする
そのぼそぼそとした声は
日が暮れて闇に染まりつつある
冬の部室に紛れた
僕はその声を頼りに探す
いったいなんなのだ
怖くわない
足が震えているのは武者震いだろう
それはしばらく使っていない掃除用具の
ロッカーの中から聞こえているようだ
ダッン
けってみる
、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、
一分くらい経っただろうか
別に立ったまま腰を抜かすというあら行事をしでかしたわけではない
ふいに夕闇が迫りくる部室の中で扉がきしみながら開く
そこには誰の物かわからない。上履き。雑巾。モップ。exr
、、、不意にサー―と何かが背中を伝う
、、、「おばけ、、、
そんなことを思うが
こんばんは、、
声が響く
ひどく落ち着いたその声は
僕の真横から聞こえた
びくつく首は自然に横にギリギリと向く
そこには小さい男? が居た
身長が低い幼稚園くらい
しかし制服を着ているがそれすらも異様で
古臭く実際継ぎはぎも見える
「あっあのどちらさまで
聞く
しかしその声は暗い部室に仕込まれる
動かない人
もしかしたら人形なんじゃ
そういえば動いていたっけ
声しか聴いてない
動く人影
それはうごく
紙を懐から出す
これを
そうい言って渡したそこには
部室の移動
と書かれていた
その男は小さい
小柄で、目が細く猫のようである
なんとも落ち着いた物腰でひょっとしたら人形と見間違がえる
そのため気が付くといる
何か聞こえて見るとそこに奴はいる
僕はそいつを無視することにした
怪談部には不吉なうわさがよく立つ
入部者がいつも四人だとか
入った奴は必ず死ぬだとか
それが奴らがうわさとして宣伝ぽく流すのか
他の部が嫌がらせとして流すのか確証はない
しかし今、目の前にいる物はよく分からない
それしか言えない
良く分からない者が一番世の中で怖い
そう思い聞いてみることにした
猫目さんはなぜその部に入ったかそれに対して
いやきずいたらと
その小さな口をゆがましていう
それじゅあまたどうして廃部に
そういっても首を傾げてさ――という
そうですかというしかない
一度知り合いを集めて怪談を聞いた
といってもごろつきばかりの知り合いである
その日三人が倒れ一人が喚き散らしながら駆け出し僕はなんとか彼に辞めさせた
とんだジャイアンである
そのせいか
彼は僕を避ける
辞めさせられた恨みは怖い
その結果無視してしまう
そんなある日
怪談部部長 猫目 小柳が言った
私部を辞めます
えっ正直喜ぶ自分がいた
僕はそういう彼を廊下まで見送る
次の日その部は怪談部となり
僕はふと廊下の鏡を見て思う
何で猫目 小柳が写っているのだろう
おいおいおい
僕は夕暮れの中
話す部長を見て言う
僕を怪談に入れないでくれよ
へへへ
と笑う怪談部部長
でもね という
実際に
なぜかいつも部員は四人いるし
絶対新入部員は来ないし
ちょちょっと止まってくれ部長
と 演芸部部長が言う
だったら誰も入っていないのになぜ、、。
この学校で一人の部はつぶされる、、、それともこれも作り話か
しかし奴は何にも言わず
妙に光かる細い目がこちらを見た
知ってます?
先代からある怪談部の集合写真なぜかみんな私が写ってるんですよ
その暗い部屋で二人の会話 僕はパイプ椅子から立ち上がり
きれいに掃除した部屋のすみに立てかける
これですべて終わった
僕は点々と光る白い蛍光灯の廊下を歩く
二度と戻ることのない部活を後にした




