窓に滴る
雨の日、カップルは外へ出ない。
交代で作る料理。
彼女が作ったポトフを二人でひとくちずつ冷ましながら食べる。
白い肌に散りばめられたそばかす、横顔は鼻から顎までの綺麗なEライン、それらはいつも私を虜にする。
モスグリーンのソファは最近購入した三人掛けのものだ。
白猫は彼女と同じ青いビー玉のような目でこちらを見ている。
彼女の爪は今回は夕焼け色に染まった。
するするとした髪を撫で、指を重ねる。
じゃれあっていると猫が三匹いるみたい、と端に行くにつれて下がる眉で彼女は控えめに笑う。
見透かすようなその青は、BPMを上げる。一定かつ、不規則に。
私の心にもそれが降る。痛いくらいに。
こもった雨音が私達を閉ざす。
この瞬間、世界には二人しか居ないような気がする。
ベッドは軋まない。
ベッドは軋まない。