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第42話 サイレント、黒幕を知る!?

これまでのあらすじ

 サイレント、ラカンと戦い、ラカンの背後をとる。

 アリア、アイズ・ブリジットと戦いそうになるが、サイレントが止める。

「久しぶりだね、アイズ、ブリジット!!」

 和やかな雰囲気を維持し続けるために、したくもない挨拶をするボク。


「久しぶりですわね、サイレント」「お、お、お久しぶりです、サイレントさん」

「本当に懐かしいな!」


 そうそう、アイズとブリジットに、カバッカ町で『必要ない』とか『臭い』とか言われたんだっけか……

 ああ、死にたい。


 過去をフラッシュバックしたボクは激しく落ち込む。


「懐かしいだろ、サイレント! ほら、お前も加えてやるから、以前のように俺たちでパーティーを組もうぜ」


「そうですわ」「い、い、一緒にパーティーを組みましょう」

 アイズとブリジットもボクを誘ってくる。


 絶対に嫌だよ。

 ラカン、アイズ、ブリジットの顔を見るたびに、仲間外れされた記憶がよみがえってしまうもの。


「以前のように……デスか?? もしかして、あなたたちが、カバッカ町で師匠を追放したパーティーメンバーたちなんデスね」

「その通りだ」


 ラカンの言葉に殺意を抱くアリア。


「四つん這いになって、師匠を追放したことを後悔するといいデス!!」

 アリアは叫びながら、瞬動でラカンとの距離をつめると、おなかに回し蹴りを1発ぶちかました。


「ぐふっ」

 アリアの蹴りの衝撃で、ラカンは吹っ飛び、アイズとブリジットにぶつかると全員が床に倒れる。


 ああ、せっかく和やかな雰囲気にもっていったのに……

 これじゃあ、台無しだよ!!


「あのラカン様が一撃だと??」「なんなんだ、あの少女は??」「いや、油断しただけだろ」


 ざわつく会場。

 そして、起き上がろうとするラカン・アイズ・ブリジット全員の首元に大鎌の刃を突き付けるアリア。


 アリアが刃を上に動かせば、ラカン・アイズ・ブリジットの首は飛んでしまう。


「これから楽しくもない公開処刑の始まりデス」

「やめるんだ、アリア。ラカンが追放してくれなければ、アリアとパーティーは組めなかったんだから」


「師匠の言うことも一理あるデス。デスが、それだと、アリアの気が収まらないデス」


 アリアはもう一度大鎌を握りなおした。

 まずい、アリアの目が据わっている。


 このままだとラカンもアイズもブリジットも殺されてしまうだろう。

 さて、なんて声をかけるのが正解か??


「追放したのは悪かった!! だが、俺様の話も聞いてくれ!! 俺様はサイレントを追放するように指示されていただけなんだ」


「今更、ウソをついて命乞いデスか??」

 ため息をついてあきれるアリア。


「ウソじゃない!! 本当なんだ!! 俺様の話を聞いてくれ!!」

 ラカンは必死に訴えてくる。


「あの世に行ってから言うと良いデス」

 アリアは大鎌で首を斬りおとそうとした。


「ちょっと待つんだ、アリア、本当かもしれないから聞いてあげよう」

「本気デスか?? 師匠??」


「ラカンがウソをついているようには見えないからね」

「分かったデス」


「ボクを追放するように指示されていたって言っていたけど、一体誰に?」


 あの傲慢な勇者のラカンに指示を出せる人なんているはずがない。

 もしも指示が出せるとしたら、ラカンよりも圧倒的に強い人くらいだ。


「それは……あいつだ!!」


 ボクはラカンの指さしている方をみる。

 会場にいたボクだけが息をのんだ。


「まさか、あなたがラカンを操っていた黒幕だったなんて………………………………………………………………………………………………………………………フラットさん!!」


「何を言っているんですかー、ラカンさんー、わたしが黒幕なはずないじゃないですかー。サイレントさんー、騙されちゃいけませんよー」


 いつものようにニコニコしながら甘ったるい声で否定するフラットさん。


「そうデスよ。きっとフラットお姉さまを妬んでいるだけデス。苦し紛れのウソに違いないデス」


「ウソじゃない!! 騙されるな、サイレント。本当にあの女が俺様に指示を出したんだ」

「そもそもー、何で私がラカンさんに追放するように指示しなければならないんですかー?? 動機がないですよー」


「動機は知らない。だが、お金を積んでも、コネを使っても、手に入れることはほぼ不可能に近い伝説級のティタン製の武器をあげるから、理由を告げずにサイレントとパーティーを解消しろって指示を出してきたじゃないか」


「そうでしたっけー?」

「とぼけるな!! フラットさんが言ったから、俺様はアイズとブリジットにも協力してもらってサイレントを追い出したんだぜ!!」


「え? 協力してもらったってどういうこと??」


「ラカンが頼むから、カバッカの町のレストランの前でサイレントの悪口を言っていたのよ」


 アイズはボクの目を見ながら訴える。


「さ、さ、サイレントさんが自分からパーティーを辞退すればそれで良いし、もし、言わなければ、追放の通知をつきつけるって、ラカンさんが言うので」

 ブリジットはこちらを見ずに、地面を見ながら、今にも消え入りそうな声で話した。


「え? それじゃあ、カバッカ町でボクのことを追放するって言っていたのは……」

「あれは、演技よ。ブリジットの念話まで使って、頭の中で会話をしながらね」


「え? そうなの!?」

「そ、そ、そうなんです。あの時は、ラカンさんにサイレントさんの悪口を言えと言われたんですけど、言えなくって」


「そこで、とっさにブリジットは二重人格ってキャラにしたのよね」

「あ、あ、あの時は本当に恥ずかしかったです」


「それじゃあ、本当にあの時のことは全部ウソ!!」

「その通りだ」


 こくりと肯くラカン。


「ラカンはほとぼりが冷めたら、サイレントをパーティーにもう一度迎え入れる予定だったのよ」

「え?」


「そ、そ、そうですよ、ラカンさんは、サイレントさんのティタン製のアサシンダガーも持っているんですから」

「それに、あなたが住んでいたカバッカ町の家も、ラカン名義でまだ借り続けているのよ、こいつ」


「おい、お前ら、それだけは言わない約束だろ」

「今日、サイレントを仲間に入れて、すべて本当のことを話すって言ったから今日まで黙っていたのよ!! それなのに、いつまでたっても言わないのが悪いわ」


 ラカンをまくしたてるアイズ。


「サイレントさんー、信じるんですかー?? この方たちはあなたを追放したんですよー??」


 ウソをついているのはラカン達なのか??

 それともフラットさんなのか??


 いや、もしかしたら、どちらもウソをついている可能性もある。

 ボクは何を信じればいいんだ??


 思い出せ、思い出すんだ。

 今までのラカン達の行動と、フラットさんの行動を!

 行動が矛盾している時や、変な行動をしている時はなかったか??


 思い出せ!!


忙しい人のためのまとめ話

 アリア、ラカン達がサイレントをパーティー追放したと知り、首を斬りおとそうとする。

 サイレントがパーティーを追放された元凶はフラットさんだと、ラカンが言い出す。

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