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第12話 院長先生、ホーリィでサイレントを倒す!?

これまでのあらすじ

 サイレント、スタンディング・ウッドから逃げようとするが逃げられない。

 院長先生、ホーリィで倒そうとするが、枝と根っこにガードされ、倒せない。

「ここは魔界に最も近い樹海なのよ。ここを焼野原なんかにしたら、そんな魔物に気づかれてしまうのよ」

「あ、そっか。アリア、ボルケーノは無しで!!」


 ボク達、魔物にバレないようにここまで来たのに、もし見つかれば、ジ・エンドじゃないか。


「それならどうするデスか??」

 んー、ボルケーノだと、強すぎるから……


「それなら、アリア、ファイヤーボルトだ!! さっき、コピーしていたよね??」

 ファイヤーボルトなら、あたりを焦土化することなく攻撃できるはずだ。

「分かったデス!!」


「ちょっと待つのよ、アリアちゃん!!」

「ファイヤーボルト……デス!!」


 院長先生はアリアを止めたが、アリアは魔法を唱えると炎の玉がスタンディング・ウッドに直撃して、大きな破裂音があたりに響いた。


「よし、クリーンヒット。これなら、焼き尽くせ……ていない!!」

 木の魔物相手なんだから、炎の魔法なら焼き尽くせると思ったのに、どうして??


「植物系はすべて、火で焼き払えばいいなど、愚かでごわす!! 愚かの極みでごわす!!」


「どういうことだ??」

「物が燃えるには、水分が抜けていないといけないでごわす。しかし、この密林はいつもジメジメしていて、土には大量の水分が含まれているので、根から水分を吸収し続けているので、おいどんの体は水分たっぷりで全然燃えない体になっているのでごわす!!」


「それじゃあ、スタンディング・ウッドに火は通じないじゃないか!!」

「燃えなくて良かったのよ!!」


「燃えなくて良いって、どっちの味方なんですか、院長先生!! ボク達の知らない間にスタンディング・ウッドに改造されて、敵に寝返っているんじゃないでしょうね??」


 ボクは院長先生にも警戒して身構える。


「私はあなたの味方なのよ、サイレント!!」


「それなら、燃えなくて良かったと言った納得のいく理由を説明していただきましょうか??」

「さっき言ったばかりなのよ。もしも、アリアちゃんのファイヤーボルトで燃えてしまったら、煙があがるのよ。こんなところで煙が上がったら、魔物が様子を見に来てもおかしくないのよ!!」


「あ」

 煙が出てくるところまでなんて全然考えていなかった。


「やっぱり、考えもなしにアリアちゃんに指示を出していたのよ!! サイレントこそ、私たちの敵なのよ。今から敵であるあなたをホーリィであなたを串刺しにしてあげてもいいのよ!!」


 飛び交う木の枝を避けながらマジギレする院長先生。

 本当にボクに向かってホーリィを投げてきそうな雰囲気だ。


「すみませんでした!! 次から考えて行動します!!」

 ボクは飛び交う枝を避けながら、院長先生に土下座する。


「次に大失態をしたら、本気でホーリィで串刺しにしてあげるのよ」

「肝に銘じます!!」


「それなら、師匠、次はどうするデスか??」

「次はセオリー通り、氷魔法で攻撃するんだ、アリア!!」

 氷魔法なら煙もでないだろうし。


「氷魔法も使えるでごわすか??」

 あきらかにうろたえるスタンディング・ウッド。

 お、これはいけるぞ!!


 フラットさんが教えてくれたセオリー通りにスタンディング・ウッドを倒してやる!!


「師匠、アリア、水魔法は先ほど、追われていた時に見ていたので使えるデスけど、氷魔法は使えないデス」

「なんだって!? 氷魔法は水魔法と風魔法の応用でできるんだよ?? アリアは水魔法も風魔法もどちらも使えるよね??」


 確か、天界でヴァンパイア・あげはが風魔法を使っていたから、風魔法もコピーしているはずだ。


「水魔法も風魔法も使えるデスけど、実際に見たことがないデスから、どのように応用すれば氷魔法になるか分からないデス」

「そうか……無理を言って悪かったね、アリア」


「アリアちゃんに恥をかかせるんじゃないのよ!! ホーリィを食らいたいのよ!?」

「次からは本当に考えてから指示を出しますので、勘弁してください!!」

 ボクは全力で謝った。


「それなら、アリアちゃんに的確な指示を出すのよ!!」

 まずい、まずい、まずい、的確な指示を出さないと、串刺しにされてしまう。

 敵ではなく、院長先生に。


 考えろ、考えろ!!

 スタンディング・ウッドを倒すための方法を!!


 あ、そうだ、この方法ならいけるかも!!


「アリア、ウォーターボルトの魔法は見てたから使えるんだよね??」

「はい、使えるデス!!」


「それならさ……」

 ボクは院長先生……いや、スタンディング・ウッドに聞こえないようにアリアに耳打ちをする。


「わかったデス!!」


「ちょっと、どういう作戦なのよ?? 私にも教えるのよ!!」

「作戦がスタンディング・ウッドに筒抜けになったら意味がないので、アリアにだけ話しました。院長先生は時間稼ぎをお願いします!!」


「……と言いつつ、変な作戦を立てていたら承知しないのよ!!」

「変な作戦なんか立てるわけないじゃないですか!!」


「つまりは、その娘を狙えばいいでごわすな!!」

 そう言いながら、木の枝の鞭をアリアに当てようとするスタンディング・ウッド。

 しまった、作戦ミスだ。

 ボクが院長先生に時間を稼いでくださいなんて言ったから……


 ボクは院長先生の顔をチラリと見る。


「ホーリィ」

 院長先生は間違いなく魔法を唱えていた。


「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい!!」

 ボクは目をつぶりながら、スタンディング・ウッドの木の鞭を避ける。


「アリアちゃんに攻撃なんかさせないのよ!!」


 ……あれ??

 標的はボクじゃない。


 院長先生はスタンディング・ウッドの本体に光の槍を投げつけていた。

 院長先生の攻撃で、スタンディング・ウッドは、アリアに向かっていた木の枝の鞭を防御 に回ったようで、アリアへの攻撃が止まる。


「アリア、攻撃されていない今がチャンスだ!!」

「分かったデス!!」


忙しい人のためのまとめ話

 サイレント、アリアに間違った指示を出して、院長先生に命を狙われる。

 サイレント、院長先生に聞かれないようにアリアに指示を出す。

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