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第55話 サイレント、フランケン・シュタインの手のひらの上で踊らされる!?

これまでのあらすじ

 サイレント、フランケン・シュタインに勝利条件を提案をする。

 フランケン・シュタイン提案された勝利条件を承諾する。



「納得したなら、僕のパンチを一発食らって気絶でもしているといいよ」


 フランケン・シュタインはもう片方の手でボクのお腹を殴ってきた。

 ボクは体をひねり、攻撃をよけると、すぐさま瞬動を使って距離をとる。


 うわ、フランケン・シュタインに攻撃されずに、こちらから攻撃だけできると思って提案したのに、これじゃあ、安全には倒せないな。


「うまく避けたね」

 パチパチパチと心無い拍手を送ってくるフランケン・シュタイン。


「それはどうも」

「僕が攻撃することなんて想像さえしていなかったような、驚き顔だったのにね」


「安心して。フランケン・シュタインが攻撃してくることは今ので分かったから、もう絶対にそんな驚き顔はしないよ」

「本当に?」


「ボクはウソが苦手なんだ」

 ウソだけど。


「そっか、それは残念だ。もっと驚いた顔が見たかったな」

 フランケン・シュタインは、意地悪くつぶやく。


「残念、何があっても、もう驚かないんだから」

 ボクはニッコリと笑う。


「……それなら僕は君から逃げようかな。この中庭を駆け抜けて、世界の果てまで」

 ニッコリと作り笑いをするフランケン・シュタイン。


「え?」


 世界の果てまで逃げるだと??

 いやいや、フランケン・シュタインの速度で地の果てまで逃げられたら、絶対に捕まえられないじゃないか。


 フランケン・シュタインに逃げられたら、攻撃さえできずにボクの負けだ。

 もしも負ければフランケン・シュタインの言うことを1つ聞かなければならない。


「おやおや、驚いた顔はしないんじゃないのかい??」


 ははは、何も言い返せないや……

 ボクは黙ってフランケン・シュタインの顔を見続けた。


「おやおや、黙りこくってどうしたんだい?? やはり逃げられると困るのかい?? それなら、すぐにでも逃げちゃうよ」


 魔法の出力をあげて逃げようとしていることをアピールしてくるフランケン・シュタイン。

 さて、どうしたものか……


「いい加減にするデス!! フランケン・シュタイン!!」

 静寂を切り裂いたのはアリアの声だった。


「何をいい加減にするんだい、アリアっち??」

「最初からあなたに逃げる気はないはずデス!!」


 フランケン・シュタインがボクから逃げないってどういうこと??


「どうして僕に逃げる気がないと言い切れるんだい??」

「あなたが知識欲の塊だからデス!!」


 どういうこと??

 アリア、もっと詳しくプリーズ。


「知識欲の塊であるあなたは、亜音速を超えると宣言したサイレンコさんの攻撃がどんな攻撃なのか、知りたくて知りたくてたまらないはずデス!!」

 心の声が通じたのか、アリアは詳しく説明をしてくれた。


「確かに、亜音速を超える攻撃があるのならば知りたいと思っている」

 フランケン・シュタインはあっさりと白状した。


「だが、しかし、それと同等に、僕の手のひらの上で踊る、この子の驚き顔もみたいと思っているんだ!!」

 それって、ボクのことだよね??


「そこが間違っているんデス!!」

「僕が間違っているというのか??」


「そうデス、間違っているデス。妹さんはあなたが逃げないことを分かっているにも関わらず、あえて驚いたフリをしていたんデス。そうデスよね、妹さん??」


 えーっ?

 そうだったの!?


 ……と口には出したいが、ここは我慢だ。


「えっと……うん、まあね……」

 ボクはほほに無理やり力を入れて、口だけで笑いながら、曖昧にうなずいた。


「手のひらの上で踊らされていたのは、あなたデス、フランケン・シュタイン!!」

 アリアは座ったままで、ぴしっとフランケン・シュタインに指さした。


「あはははは……なるほど、なるほど、踊らされていたのは僕のほうだったということかい??」


 違うよ。

 手の平で踊らされていたのはボクの方だよ。

 口が裂けても言えないけれども。


「やっぱり、一発くらって、気絶しているといよ」


 怒ったフランケン・シュタインは、トリプル魔法でボクとの距離を詰めると、攻撃を繰り出す。


 フランケン・シュタインがトリプル魔法を使った瞬間、ボクは瞬動でできる限り距離をとろうとした。


「だから、瞬動だけじゃ勝てないんだってば」

 すぐさまボクについてくるフランケン・シュタイン。


「瞬動だけじゃ勝てないことくらい分かっているよ」


「そうと分かっていてなぜ瞬動を使ったんだい??」

「君を今いる場所に誘導したかったのさ」


「誘導ね……誘導するのもいいけど、いい加減、亜音速を超えるスピードを見せてくれないかい??」

「ちょうどよかった、たった今、ボクの新必殺技をお披露目しているところさ!!」


 ボクは、瞬動を使うとともに、大量の魔力を消費した。


「またバカの一つ覚えの瞬動かい?? その程度の速さじゃ、トリプル魔法を詠唱できる僕には、傷一つつけられないよ」


 そう言いながら、魔法を使うフランケン・シュタイン。

 しかし、詠唱するのが遅い、遅すぎる!!


 もう、ボクは既に新必殺技をお披露目していると宣言したんだよ??

 ボクの速さに比べれば、まるでフランケン・シュタインは止まっているかのような遅さだ。


「当たれーーーっ!!」

 ボクは叫びながらフランケン・シュタインを斬りつける。


「僕のスピードに追いつけるはずがない……って、当たってる!?」

 ボクのダガーがフランケン・シュタインの腕に当たり、大量の血しぶきが噴き出す。


「よし、ボクの勝ちだ!!」

 勝利を叫んだ瞬間、ボクは自分のマジック・バックの中に吸い込まれた。


忙しい人のためのまとめ話

 サイレント、フランケン・シュタインの言葉に驚く。

 サイレント、フランケン・シュタインに1撃を与える。


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