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第49話 サイレントパーティー、平常運転になる!?

これまでのあらすじ

 ナ・リキン、逃げる。

 サイレント、性格が悪そうな女の子に会う。






「う……この笑い声……イヤな記憶がよみがえるデス」

 女の子の笑い声に反応して目を覚ますアリア。


「アリアちゃん、気がついたのよ!!」

「くっつかないでほしいデス!!」

 院長先生が抱き着いてきたので、アリアは必死に院長先生を引きはがそうとする。


「アリア、大丈夫?」

「フランシュがパンチをするそぶりをしたところまでは覚えているデスが、それ以降の記憶がないデス。もしかしてアリア、気絶していたんデスか??」


「そうだよ。フランシュの見えない風圧にやられてね」

「そう……だったんデスね……道理でおなかが痛いはずデス」


「ヒールはかけたんだけど、魔族だと完全にはヒールが効きにくいから、痛みは残るかもしれないのよ、ごめんなさいなのよ」

「いえいえ、ヒールをかけていただいただけでもありがたいデス」

 アリアは院長先生に深々と頭を下げる。


「そんなにかしこまらないでほしいのよ。ヒールをかけるくらいどうってことないのよ。まあ、どうしてもアリアちゃんがお礼をしたいっていうのであれば、デート券がいいのよ!!」

 お礼を期待して合法的にアリアになんて図々しいんだ。


「そんなにデート券が欲しいならー、私とのデート券を発券してあげますよー」

 フラットさんが院長先生に提案する。


「いらないのよ!! 私はアリアちゃんとのデート券が欲しいのよ!!」

「いらないなら、アリアがもらうデス」


「えっとー、デート券は発券しないということでー」

「そうデスか……」

 落ち込むアリア。

 うん、いつも通りの平常運転。


「ところで、フランシュはどうなったデスか??」

「安心して。ボクがフランシュを倒したから」


「さすが、師匠の妹さんデス」

「そんなことないよ」

 だって、相手はスライムよりも弱いSランクだもの。


「いえいえ、あの怪物を倒すなんて、すごいデス。これで一件落着デスね」

「いや、一件落着じゃなさそうなんだよ。性格悪そうな女の子がフランシュの体をマジック・バックに入れちゃったんだ。もし、回復魔法でもかけられたら、また戦わないといけなくなるんだよ」


「性格悪そうな女の子デスか??」

「そうなのよ、こっちは四天王の一角、フランケン・シュタインを倒したからちょっかい出すなって伝えたんだけど、うまく伝わっていないみたいなのよ」


 そう言いながら、院長先生は笑い転げている女の子を指さした。


「違うデス」

 アリアは女の子の顔を見るなり、青ざめながら突然小刻みに震え始めた。


「違うってどういうこと??」

「今まで戦ってきたフランシュはフランケン・シュタインじゃないデス」


「ん? どういうこと?? 今まで戦ってきたのはフランケン・シュタインじゃないって……」

 今まで戦っていた傷だらけの筋肉マッチョがフランケン・シュタインじゃないの??


「いやー、久々に笑った、笑った。そうだ、自己紹介がまだだったね。僕が女ヴァンパイアのあげはに移動魔法を教え、実験体フランシュの開発者でもあり飼い主でもある、フランケン・シュタインだ」


「なんだって!」


 目の前にいる女の子が本当のフランケン・シュタイン。

 つまり、スライムよりも弱いSランク。

 確かに、見た目からして弱そうだ。


「えーと、確認すると、女の子に見える君が本当のフランケン・シュタインで、今まで戦っていた筋肉ムキムキのフランシュは君が開発した実験体ってこと??」

「そう言っているじゃないか。もしかして、君、頭が悪いのかい??」


「まあね」

 ボクは頭をかきながらこたえた。

「言っておくけど、僕、君のことを褒めてないからね」

 あれ、褒められたかと思ったよ。


「で、誰が、誰を倒したって? 聞かせてくれるかな、堕天使さん」


「今から私があんたを倒すのよ」

 フランケン・シュタインの挑発を買って、魔力を練りこむ院長先生。



「僕の速さについてこれないのに、僕を倒すっていうのかい? そいつは笑えないな」

 声だけ残して、フランケン・シュタインと使い魔の姿が跡形もなく消えた。


「ホーリィー!!」

「おお、すごい魔力じゃないかい!! その魔力と力比べしてみたい!!」

 そう言うと、フランシュは院長先生の目の前に現れた。


「余裕ぶっこいてほえ面かかないといいのよ」

 院長先生は魔法で作り出した魔法の槍をフランケン・シュタインに投げつける。


「ご心配ありがとう。だけど、僕はほえ面なんてかかない!! ホーリィ!!」

 フランケン・シュタインは院長先生と同じ魔法を唱え、院長先生の投げつけた魔法の槍に自分の槍を投げつけて相殺する。


「なんで魔族のあんたも聖魔法のホーリィが使えるのよ??」

「聖魔法くらい使えるでしょ!!」


「フランケン・シュタインは、火・水・土・風・光・闇すべての属性の魔法が使えるデス」

「へー、フランケン・シュタインさんはー、すごいんですねー」

 フラットさんの間延びした声だと、全然すごそうには聞こえない。


「僕なんて大したことないよ!! 神様を殺した神殺しと比べたらね!!」

「いやいや、比較する相手がおかしいから! ボクが元いた勇者パーティーの魔法使いのアイズは、風と水属性の魔法を使えるだけでも天才と呼ばれていたんだよ! すべての属性の魔法を使えるなら大天才でしょ!!」

忙しい人のためのまとめ話

 アリアが目を覚まし、サイレントパーティー、平常運転になる。

 サイレント、性格が悪そうな女の子がフランケン・シュタインだと知る。


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