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第1話 サイレント、指名手配者が他にもいることを知る

毎日23時更新予定です。


4章から間が空いたので、1章から前章までのあらすじです。

※未読の人はネタバレ注意です


1章 ドラゴンと戦う

 ボクの名前はサイレント。

 アサシンをしているF級冒険者さ。

 どこにでもよく聞く、ありきたりな普通の冒険話なんだけど、聞いてほしい。

 自宅への帰り道、偶然自分の所属している勇者パーティーのメンバーに声をかけようとしたところ、背後にいるボクに気づかなかったパーティーメンバーは、ボクが力不足だからと追放しようと画策していたんだ。

 ショックを受けたボクが自宅に帰って、ふて寝を決め込み、夜中に目が覚めると……女の子がボクを襲おうとしていた。

 なんとか返り討ちにして、女の子から事情を聞くボク。

 どうやら、その子はアリアと言う名前で、ボクもお世話になっていた院長先生の孤児院の子のようだ。

 アリアとカバッカ町のお祭りに向かうと、司祭様に指名手配され、町を追放される羽目に。

 町のみんなから逃げている途中、ダークドラゴンに遭遇して戦っている最中、無自覚でボクはアリアに婚約をしてしまったんだ。

 ダークドラゴンは契約を司る魔物で、婚約は破棄できないと後から分かるんだ。


2章 ホバッカ村で四天王の一人、人狼と戦う。

 ボクたちが次に向かったのが、カバッカ町を目の敵にしているホバッカ村。

 道すがら、山奥に住むおばあさんに会って、人狼という四天王がいることを知るんだ。

 この人狼、ちょっと前までおばあさんの家に滞在していたらしく、相手に触りさえすれば、触った相手を完全にコピーできるということや、甘い香りがするという話を聞いたんだ。

 まあ、すでにおばあさんの家を出て行ったから、遭遇することもないと思っていたんだけどね。

 ところがどっこい、ボクが向かったホバッカ村で、魔物が出たと大騒ぎ。

 入村チェックで魔物が出たと言われただけなのに、ボクが人狼が出るなんて大変ですね……なんて余計な一言を言ったばかりに、村人に疑われ、捕まってしまうんだ。

 人狼が甘い香りがすることを知っていたボクは、村の中で誰に変身したか分からない人狼をあぶりだしますと豪語して、一時的に解放されるんだけど、村全体に甘い香りが漂っていて捜査は難航。

 タイムリミットがせまるんだけど、アリアの助けを借りて人狼を探し当て、戦いの果てに和解したんだ。

 まあ、なんやかんやで、ボクとアリアはホバッカ村を追放されるんだけどね。


3章 ニック村で四天王の一人、…………と戦う。

 次にボクたちが向かったのは、ニック村。

 カバッカ町でボクを逃がしてくれた、サンザールのおっちゃんと再会するんだけど、このおっちゃん、病気にかかっていたんだ。

 実はこの病気、四天王の一人の仕業だったんだ。

 四天王の名前は……えっと、忘れちゃった。

 おっちゃんを助けるために、火山に生えている薬草刈に出かけたんだけど、そこで、フェニックスという魔物に遭遇。

 この魔物の羽根がおっちゃんの病気を治したことを良いことに、調子に乗って村の全員の治療を施して、感謝されていたんだ。

 全員の施しが終わり、村の守り神であるフェニックスの羽根を使っていたと知られた瞬間、村人全員から手のひら返しされて、追放されたんだ。


4章 四天王の一人、ヴァンパイア・あげはと戦う

 ミスリド海集落で、お世話になっていた孤児院の院長先生と再会するんだけど、そこで、アリアが魔族だということと院長先生が元天使だと判明するんだ。

 加えて、院長先生にボクとアリアが婚約していることも伝えられる。

 なんとか婚約破棄をしたいことを院長先生に伝えると、天界の神の作ったタワーの最上階にある神の作った杖で願うしかないということで、院長先生とボクだけで天界に行く予定のはずが、アリアもついてきちゃったから、一大事に。

 天使にばれずにボクとアリアと院長先生で天界へ潜入したまでは良かったんだ。

 ただ、神タワーに入ると、天使長官カナエルと対峙。

 院長先生が天使長官カナエルを一蹴してくれたんだけど、今度は天界を支配しにきたヴァンパイア・あげはが天使を支配して天界を占拠。

 神の杖の力を借りて、ボクが支配された天使たちを解放して、ヴァンパイア・あげはを天使たちに逮捕させて、一件落着したんだ。

 でも、なぜかカナエルを倒したのは、ボクのせいになってしまい、追われる立場に。

 とりあえず、アーノム・ギトーゲ城に来たんだけど、なぜか、王様の勅命で全国指名手配されていたんだ。


 以上、あらすじ終了。


「何で、ボクが王様の勅命で全国指名手配になっているんですか?」

 ボクは空動で空を飛びながらも、院長先生の肩を掴んで激しく前後にゆする。

 院長先生の背中におぶわれていたアリアも激しく揺さぶられた。


「こっちが訊きたいのよ!! いったい何をすれば、王様の勅命で全国指名手配なんてことになるのよ?」

 院長先生はボクの肩を掴んで、激しく前後にゆすり返してきた。


「ボクは何もしていませんよ」

 そもそも、王様と会ったこともないのに。


「何もしていないのに、王様の勅命で指名手配になるなんてことありえないのよ。怒らないから、正直に言うのよ」


 院長先生はさらに激しくボクの肩をゆする。


「正直に言うも何も、本当に身に覚えがないんですって」

 なんとか言葉を紡ぎ出すと、院長先生はゆすっている肩からぱっと手を離した。


「ほら、思い出すのよ、サイレント。モテないのをバカにされて逆上して王様に鉄拳制裁した……とか、全然起きてこない王様の朝ごはんを食べてしまった……とか。何かあるはずなのよ」


「それって、どちらも孤児院にいた時に、院長先生がボクにしてきたことですよね?」

 院長先生がモテないのをバカにしたら、ボクにホーリィを打ってきて、大けがを負ったことと、おなかがすいたからと、朝起きるのが遅かったボクの朝食を食べたことが思い返される。


 うん、今、思い出してもイライラしてきたぞ。


「何でボクだけこんな目にあうんだよ……」

 ボクは怒りながら涙を流し始めていた。


「師匠、安心してくださいデス」

「何を安心するのさ?」


「指名手配されているのは、師匠だけじゃないみたいデス」

 アリアが冷静にボクに言ってきた。

 ボクだけじゃない?


「ちょっと待てよ!! もう一枚の手配書を忘れているぞ!!」


 大声をあげながら、一人の兵士が手配書をばらまいている兵士に呼びかける。

 もしかして、アリアか院長先生もボクと一緒に全国指名手配されているってこと?


 よかった、仲間がいたんだ。


「すまない、もう一人いたのか!?」

「そうだ!! 今回、王様の冒険者サイレントと、もう一人は……」


 うん、あと一人は誰?

 アリアと院長先生は固唾を飲んで見守る。


 魔族で天界に不法侵入をしたアリアか?

 いや、天界の天使長官を倒してしまった院長先生って可能性もあるぞ。


 さあ、どちらの名前が呼ばれるんだ!?

 全国指名手配の仲間ができるなら、どちらでもボクは構わないよ。


 ボクはドキドキしながら次の言葉を待った。


「そしてもう一人は、フランケン・シュタインだ」

「アリアでもなく、院長先生でもなく、フランケン・シュタインかーい!! ……って、フランケン・シュタインって誰だよ!!」


 ボクが大声でつっこんでしまったので、その場にいた兵士たち全員の視線が集まった。

 あ、まずい。


 このままだと、ボクがサイレントだと気づかれてしまうかもしれない。

 気づかれてしまうのを恐れて、急に顔を隠せば、なおさら怪しくなってしまう。


 さて、どうするか……


「そんなに大きな声でツッコみをいれたら、みんなびっくりしちゃうのよ。さあ、謝るのよ」


 謝る?

 みんなが注目している、この状況で?


 下手したら、ボクが指名手配されているサイレントだとバレてしまうかもしれないのに?

 ちらっと院長先生を盗み見る。


 院長先生は、さあ、謝れと言わんばかりに、手を兵士のみなさんのほうへ差し向けていた。

 これは謝らざるを得ない状況だ。

 逆に謝らないと、兵士の皆さんが不信感を抱くだろう。


「すみませんでした」

 ボクは顔バレしないように、両手で顔を覆いながら、頭を下げる。


「あれ? 青年の顔どこかで見たことがあるような……」

 まずい。

 兵士の一人が気づき始めた。

 このままだとボクが指名手配されているサイレントだとばれてしまうぞ。


「それはそうなのよ!」

 ちょっと、院長先生、何を言う気ですか?

 まさか、ボクを裏切ってボクのことを兵士に差し出すつもりなんじゃ……


「この子の顔はどこにでもいるバカ面な顔なのよ」

 え?

 どこにでもいるバカ面?


「「「確かに」」」

 院長先生の言葉にその場にいた兵士全員が激しく同意する。

 ……って、全員同意するんかい!!

 1人くらい『そんなことないよ』ってフォローしてくれてもよさそうなのに……


「師匠をバカにするなデス」

 大鎌を振り回すアリア。

 うん、誰かフォローしてほしいって思っていたけど、アリアがフォローすると話がややこしくなるから、やめてほしいな。


「ちょっと落ちついて、アリア!! ボクは怒っていないから!!」

 今、ここで目立つ方が非常にまずいんだから。


「デスが師匠、初対面の師匠をバカにするなんておかしいデス」

 頬を膨らますアリア。


「いや、確かに、そのお嬢さんの言う通りだ。すまなかったな、青年。我々は君をバカにするわけではなかったんだ」

 兵士たちの親玉らしき人が恐縮しながらボクに言ってきた。


「気にしていません。バカ面だと言ったのは、こちら側にいる院長先生ですしね」

 ボクが院長先生をにらみつけるが、院長先生は視線が合っても、どこ吹く風の態度だ。


「そういってもらえると助かる」

「そもそもの原因はボクがフランケン・シュタインって誰だよってつっこんだのが原因ですしね」


「確かに、誰だよって話だよな。つっこみたくなる気持ちは分かるよ」

 ん?

 その言い方からすると、兵士も知らない魔物ってことだよね?


 兵士も知らない魔物を、王様が指名手配したってこと?

 なんで?


「あれ? そういえば、フランケン・シュタインって、どこかで聞いたことある名前だな」

 どこだったっけな……ボクはスキル『空動』をつかいながら、腕を組み、記憶をたどる。


 カバッカ町であったんだっけ?

 いやいや、そんな人とは会っていないよな……

 うん、思い出せそうで思い出せない。



忙しい人のためのまとめ話

 サイレント、全国指名手配の仲間がいることに浮かれる。

 全国指名手配の仲間はどこかで聞いたことある名前だけど、思い出せない。


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