登校日
私の名前は土城なお。ドジな中学二年生。自転車登校をここ二年間続けているが、溝にはまるのが日課みたいになっている。
「おはよう!なお!」
家を出たら友達のみほちゃんの声が聞こえてきた。彼女は小学校時代からの友達で私とは違い、しっかり者のムードメーカーだ。みほちゃんと家が近いこともあり学校まで一緒に自転車で登校している。
「おはよう!みほ」
私は挨拶を返した。
「今日は体育あるから体操服いるよ。持ってきた?」
いつもなおちゃんは私の持ち物を心配してくれる。
「大丈夫だよ!ほらこの通り持ってきたよ」
私はその時自転車のカゴに入れていた体操服が入っているミニリュックを左手に持って後ろを振り返り、なおちゃんに見せた。その瞬間バランスが崩れて左から転けた。
「大丈夫ー?」
みほちゃんは心配そうな顔で聞いてきた。
「大丈夫。いつものことだよ」
と私は慣れた顔つきで血のついた左足をティッシュで拭いた。
いつもと変わらない街の風景。私たちはくだらない会話を交わしながら学校に着いた。
「教室に入る前に保健室に行った方がいいよ」
とみほちゃんは私を心配していた。左足の出血は止まっていなかったが、体育をしたかったので
「一時間目に重要な体育のテストあるんだよ。休めないよ」
と返した。
「怪我してたら体育できないだろ」
と二秒後に言いくるめられた。