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更道からの手紙

作者: 就職氷河期世代のヘレン・ケラー

「何から話をしましょうか?⌋

彼女は私の前でややうわ言のように呟いた。

彼女は40代既婚女性、不妊治療を始めて、ホルモン剤を飲みやや不安定な精神状態で、かかりつけ医である精神科の私の元に相談してきたのである。

私は自由に話をするように、個人的な情報は漏らさないからと約束した。

5年前から前任の医師から引き継ぎ、継続的に定期受診させ処方箋を書いている。

前任の医師も前任から引き継いでいるので、彼女にとっては私は3人目の医師になるであろう。

病名は統合失調症。

14年前に病気を発症し、8年前に障害者手帳を取得している。

まず彼女の経歴から紹介しよう。

彼女は病院のある区で生まれ、隣の区に実家があり、入籍後また別の区に住んでいる。

進学校の公立高校を卒業し、国立4年大学·教育学部に進み、在学中国費留学し、卒業後臨時で教職をしたが15か月で自主退職。

半年引きこもり、半年法律系の会社で、行政の様式データベースの入力の仕事をした。

その後国立系研究機関で6年半パートで事務補助、文献複写の業務に携わる。所謂コピー業務だ。

それから看護系の外郭団体のイベントでクローク係をし、ファッション通販のコールセンターを辞めさせられ、公民館の臨時職員、有限会社のアンケートデータ入力、債権会社の電話交渉と異職の転職をし、現在は介護の仕事を辞めたばかりである。

多くの資格を取っており、夜間の商業高校と大学、専門学校に通い、簿記と図書館司書と介護福祉士実務者研修を修了している。

ざっと学歴と職歴を話し終わると、配偶者の話をし始めた。

所謂就職氷河期世代の女性である。

若干サイコロが転がる錯覚を起こした。

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