対象年齢
文章を執筆する上で、意外と慮外にあるのが「対象年齢」です。
十八歳以上は性的描写を含む文章という固定観念が、この「対象年齢」という大切な事柄を失念させていると思います。
どのような文章でも「対象年齢」を考慮しないと、表現が的外れになる可能性があります。
私の場合は十五歳以上を想定していますので、中学校卒業程度より少し多めの漢字表記を念頭に置いています。
ですので、常用漢字の範囲を越える場合は振り仮名を打つか、別の表現方法を模索します。
そういう軛を外しているのが『四十五歳のオッサン』で、話の内容も四十代未満にはサッパリ分からないはずです。
「桜」は小学校五年生で習う漢字です。
「咲く」は中学校一年生で習う漢字です。
ですから小学校四年生までを対象年齢にするならば、「さくらがさいた」と全てを平仮名にするか「サクラがさいた」と名詞を片仮名表記にする方法があります。
小学校高学年を対象年齢とするならば、「桜がさいた」となり、中学生以上を対象年齢にするならば「桜が咲いた」と漢字表記できます。
「梅」は小学校四年生、「桃」は中学生で習います。
「梅、桃、桜」と漢字で列挙しても良いのは中学生以上を対象年齢としている場合です。では小学生を対象年齢とする場合、どのようにするのが読み易いでしょうか。
小学生以下を対象年齢とする場合は、「ウメ、モモ、サクラ」と全て仮名表記にするのが良いと思います。
それから、専門用語や横文字への配慮も必要です。
慣用句や故事成語などは、敢えて年齢を考慮せずに使い、知的好奇心を刺激するのも良いでしょう。




