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転生したらマオでした。  作者: 小椋犬生
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第2話 マオ、頭の整理ついでに登場人物の紹介をする。

「父さん。と、とにかく、ちょっと時間をください。」

やっとの事で言葉を絞りだした。

「そ、そうだな。突然すまなかった。皆、居間に戻ろう。」

何故か名残り押しそうに渋々号泣集団が移動してゆく。

「なんか、すいません。落ち着いたら行きますから。」

思わず謝ってしまった、良くわからないけど、なんか謝った。


そして僕は1人になった。


さて、状況を整理してみよう。

この世界では僕は3歳児マオ。

ここ数日で思いだした前世の僕は男性。

名前がいまいち思いだせないが、サラリーマンを定年まで務めて、結婚もしたし孫もいた。

前世では特に変わった経験もなく、誰かを助けてトラックに轢かれたわけでもないし、身代わりにナイフでさされてもいなく、老衰で死んだはず。

アレ?いまいちパンチに欠けてない?オレの人生。

死んだ後、魂の浄化場でふわふわしてたら、突然地震起きて、穴に落ちたらこの世界で生を受けた。

目はブルーで、茶系の金髪。多分この辺では普通の容姿の子供だ。

うん、僕の事は、ここまでとしよう。

イマイチ盛り上がりにかけるし。


次はさっき僕にいきなり懺悔してきた父。

名前はラオ。

真珠のように綺麗な銀色の長髪で細マッチョのしまった体に彫りの深い顔。いわゆるイケメン。

いつも笑顔を絶やさず、皆に好かれていて信頼も厚いようだ。

朝早くから夜遅くまで外で働いていて、あまり会えないけど、会った時には必ず抱き上げてくれる。

自分の父ながらカッコイイと思ってしまう。


で、最後にちょっと登場した母ハナは、いつもは凛とした立ち姿に明るい笑顔の長身の洋風美人さんだ。

髪はストレートの金髪で、瞳はブルー。いつもは長い髪を纏め上げている。

だが僕は見たことがある。

半年程前に母は繰り出したパンチであの父を思い切り、文字通りぶっ飛ばし、父が1メートルほど、吹っ飛んだ場面。

細く見える父だが、母よりひと回りは大きいし、それなりにいい体をしてる。その父が宙を舞った。

理由はわからないが、あのいつもは優しい母が、その時は般若の形相だった。

怒らせてはいけない人第2位の人だ。


そして怒らせてはいけない人第1位は!

父の兄、ガオおじさんである。

実は、先程の号泣集団の1人として、さっきまでそこにいたのだが。

長身の父より更にひと回り大きく、筋肉パンパンのガチマッチョ。

金髪を短く刈り上げ、苦味ばしった顔は

まさに世紀末覇者。

多分口癖は「力こそ正義!」だ、多分、聞いたことないけど。

ガオおじさんちにはオレと同い年の双子の子供がいるので、よく家族で遊びに来る。

家で見かけて僕がビクっとするたび、満足そうに笑う、その笑顔がまた怖いという、一粒で2度怖いおじさんだ。

妻のユアさんはとても綺麗な人で、母とは違いフワッとした柔らかい雰囲気の美人で、いつもニコニコしている。

見ているだけで癒される人だ。

正に美女と野獣ならぬ、聖女と覇王!

ガオおじさんが怒った時はもう誰も止められない。

父と母と大人の男性数人がかりでやっとだ。

ちなみに、そんな時でもユアさんはニコニコしている。

それはそれで結構怖いのだけれど。


実はさっき、ガオおじさんまで飛び込んできたらどうしようと生きた気がしなかった。


さて、今回の件でマーサ以外で絡んで来そうな人はこのくらい。

ん?オレのパンチのなさに比べて、なんだろ、この濃いキャラ達は。

もう、一生このベッドから出たくないんだけど。

「はぁ?。」哀愁濃度をさらに上げたため息を吐くと覚悟を決めて僕は居間に向かった。


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