第一章 プロローグ
はじめまして、小椋犬生と申します。
初投稿となります。
通勤時の時間潰しに読んで頂ければ幸いです。
(ハーレム、エグい展開とかはありません。)
自分自身、このサイトの数々の小説にかなり救われています。(もちろん今も)。
通勤途中は言うに及ばず、帰宅して横になってここの作品を読むのが、至福のひとときです。
その膨大な作品のなかに、今回この作品を置かせてもらいました。
よろしくお願いします。
プロローグ
そこは無限の広さを持つ空間。
明るくも無く、暗くも無く。
白く硬そうな床?はたして地面?の上には大きさが異なる大小の球体がこの空間の彼方まで埋め尽くしている。
あるものは床の上に、あるものはその上に浮遊している。
よく見ると形も色も全て微妙に異なる事に気づくだろう。
ここは「魂の浄化場」。
大小の球体は全てこの世界の魂。
現実世界で、生を全うし、再び新たな生へ向かう。
その為にこの浄化場で、前世の記憶を消し、罪も徳も綺麗に浄化する。
魂は今まで繰り返してきた生が多い程大きくなる。
大小さまざまな魂が存在しているのはそのせいだ。
よく見ると生まれたての小さな魂から、一体幾度の生を繰り返してきたのか巨大な魂も見てとれるだろう。
その「魂の浄化場」が突然激しい揺れに襲われた。床に居た魂は飛び上がったり、転がったり、
別の魂にぶつかったり、静かなまま大混乱の様相を呈している。
「何が起こっている?」
ここを管理している「管理者」と呼ばれる者が、何処からか現れ辺りを見回す。
そして、床にあるはずの無い穴が開いているのが目に入った。
その穴に一つの巨大な魂が転がっていく。「異送の穴が何故ここに?」
「異送の穴」とは、異なる世界へ繋がっている穴。
理の異なる世界に何の加護もないここの魂が落ちてしまえば、まず魂は破壊されてしまう。
まして、転がっていく大きな魂と同様の魂をまた育てるだけでも、何千年の月日が必要か。
「くっ!絆の縄よあの魂とつながれ!」
管理者は何処からか紐を取り出すと、今まさに落ちようとしている魂に投げる。
紐の先端が形を変え鋭く尖り魂に刺さる。
管理者が手にもった紐を引き、魂を引き寄せる。
「ふう。」と管理者が安心した瞬間、魂が紐ごと発光し、消えた。
「何!どういう事だ。」
「魂の浄化場」の揺れはとっく収まっており、無音の広大な空間に管理者が立ち尽くしていた。
今年は、まさかのコロナ騒動で、おうちで過ごす時間が増えました。
休日はここの作品を読むことが多くなっております。