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旅立ち

…ついに、旅立つ日が来た。

その日は必然的に、されど唐突に訪れた。

その頃のボクは、言い過ぎではあるかもしれないが、アイリスさんと互角に戦えるようになり、魔術の操作も人並みにはできるようになった。それをグレイトさんも知っていて当然ではあった。

その日、ボクの部屋にフローレンスさんが来て、グレイト様が宮殿でおまちしています、と告げてくれた。…まあここまでは今までもよくあったことなのだが、この日は、フローレンスさんは最後に、


「ご武運を。」


と告げて部屋を去った。

この時点でボクはだいたい理解ができた。ああ、もう旅立つときなんだなあ、と。

案の定、大勢の前でグレイトさんの前に跪いたボクの頭上からかけられた言葉は、


「一国の王として命ずる。魔王を…討って参れ。」

と、いつもボクやリリーさんに見せているような一人の娘の父の顔ではなく、まさに王としての威厳を見せつける堂々とした佇まいだった。


「承知しました。勇者の名にかけて、必ずしや討って参りましょう。」


…うん。誰からも返事も歓声もないけど、これでよかったんだよね?表情を確認したいけど、顔を上げていいのやら…


「顔を上げよ、勇者レイよ。」


んお?もう顔を上げていいのかな?

お許しが出たので顔を上げる。

さーて、どんな顔をしてるのかなっと。


―――そのときのグレイトさんの顔は、ボクには理解ができない物だった。

笑っているような、泣いているような、安堵しているような…とにかく、ボクには説明ができなかった。その顔を見たボクはただ、


「いってまいります。」


―そういうことしかできなかった。


┼┼┼


…結局どうすればいいんだろう。

いや、なんかその場ののりでかっこよく飛び出したのはいいんだけど…

どこに魔王がいるのかわからない。

それ以前にこの辺りの地形がわからない。

…まあなんとかなるか!ボクはさっきから足にまとわりついてくるスライムも無視して元気よく歩き出した。

短め。

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