屋上
次の日になり、僕はいつものように学校の準備をしていた。ふと携帯を見ると彼女から連絡が入っていた。内容は、「昼休みに屋上に来てほしい」と言うことだった。僕は何か彼女の身に起こったのかと心配したが、今は学校に行かなければ彼女の真意はわからないのだ。
「おっはよ〜」
「… 君はいつもいきなりだな」
「へへっ」
「今朝のメールだけどさ」
「ああっ、それは昼休み話すから、今はまだ待って!」
「う、うん」
「あっ、夏菜〜」
そう彼女に話しかけているのは、彼女の親友の藤咲華恋であった。
「おはよ〜。どうしたの?」
「うん、なんか噂になってるよ」
「何が?」
「夏菜、あんた昨日最近あの仲良い男子とデートしたんでしょ?」
「うん。 したよ」
「夏菜、あんた付き合ってるの?」
「う〜ん? どうだろう彼に訊いてみないとわからないや」
「ふぅん? まあ、私は何があっても応援するよ!」
「ありがとう。やっぱり私には華恋しか居ないよ」
「なんかあったら、私に絶対に相談してね!」
「当たり前でしょ?」
「嬉しいこと言ってくれるじゃない」
「えへへっ」
「ねぇ、これどういうこと?」
「私もわかんないんだけど、なんか昨日見られちゃったみたい」
「……僕は」
「何?」
「いや、なんでもない」
「ふぅん? 変なの〜」
「とにかく、昼休みに屋上に行くから」
「うん。私待ってるから」
「絶対行くよ」
「じゃあまた昼にね〜」
こうして、僕らは次の別々の授業の為に別れた。
そして、ようやく午前の授業が終わり、昼休みになった。僕はすぐさま彼女との約束を果たす為、屋上へと急いだ。そこに彼女は居た。彼女は僕を見るとその表情が目に見えてパッと明るくなった。