投稿小説が一次審査にも引っ掛からない悲しみの歌
サブタイトル通りですよ……。
異世界転生をした俺だが、悲しい気分になっていた。
はじまりの村の宿屋。金のない俺たちは同じ部屋で、各々の悲しみに浸っていた……。
エロフが俺に話しかけてくる。
「トイレは廊下の突き当りにあるわよ」
「いや、うんこ我慢してるわけじゃないから……」
俺はどうしてこんなに悲しい気持ちになっているんだ……?
投稿したライトノベル新人賞で一次審査にも引っ掛からなかった時のような喪失感……。
いちおう、頑張って書き上げた作品だったんだが、まあ、そうなるわな。
話の筋がめちゃくちゃだったもんな……。
心のどこかでは期待していたんじゃないか?
投稿した奴は終わって、俺は次の作品を書き続けなければ、デビューなんてできないんだぜ。
簡単に心折れるようでは……デビューしてからも大変だ。
でも……俺の理性が言うんだ。
「君の書いているものは面白くないんだ。少しは面白みがあるかもしれないけれど、他の人の作品で代用できてしまうんだ。誰かの影響を受けた君の、インフルエンサーは小説家なんだから……」
名前も知らない読者たち……。
俺は永遠に敗北し続けるのさ。
本気で夢だと思い込んでいたし才能を信じていたけれど、
それはただの幻なのさ。
現実と向き合っていかないといけない時が来ている……。
どうして皆は、何物にもなれない、文章を書かずに、生きていけるんだろう?
俺の心の叫びは誰かの劣化コピーなのだ。
俺が俺だと思っているものは、誰かが叫んでいた言葉を真似して、感傷に浸っているだけさ……。
ビリー・ジョエルのピアノマンを聞く。
音楽の世界には……カバーやアレンジがある。
俺だって、カバーやアレンジをしていると思えばいいんだ。
異世界転生だって、流行曲のカバー・アレンジなんだ。
誰だってオリジナリティを生んでいるんだ。
なろうで有名な人たちは、異世界転生とはいえ、そこに彼らの魂を宿しているんだ。
もう一度がんばろう。やっぱり、書くのは楽しい……。
小説を書いている限り小説家なのさ。
小説を書いててこれを読んでくださった方、がんばりましょう。
ひたすら書きましょう。