表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

疑心暗鬼な愛の渇望

作者: 新山流泉

こんにちは みなさん 生まれてきてごめんなさい


話しかけても返ってこない声 どうしてなの?


本を読んでる私を避けてざわざわ 陰口言ってるでしょ?


ペン回して机トントンしてる私を見て笑わないでよ


嫌い怖い煙い憎い臭い そんな私に「誰か」がそっと口を開く


金輪際もうその瞳に血まみれた緋色の景色を映すなよ


そんな手首に赤いミサンガ付けちゃって辛いだろ?


必要とされるか否かなんて関係ないからもう眠っちゃいな


そして私は毒虫になった



こんばんは みなさん 生きていてごめんなさい


腐りかけてるチーズが美味しい どうしてなの?


姿現す私を見てはチラチラ 醜いからでしょ?


一人泣いてカッタースパスパしてる私をもう放っておいてよ


むさいキモいウザい酷い弱い そんな私に「誰か」がすっと棘を刺す


これから先もうその体に望まない群青の現実を刻むなよ


そんな背中に赤いリンゴ埋めちゃって苦しいだろ?


助け出されるかどうかなんてわかりっこないからもう休んじゃいな


そして私は



目を閉じ横になるとふと思う


本当は私が毒虫になりたかっただけなんじゃないか


返事がなかったのは私の声が聞こえなかったから


ざわざわしてたのは盛り上がっていたから


腐りかけを選んだのはかわいそうと思われたかったから


チラチラ見てるんじゃと思ったのは誰かに見て欲しかったから


悲劇のヒロイン気取って愛されたかっただけの弱い私


そんな疑心暗鬼な愛の渇望が「誰か」だったのなら


受け入れましょう どこまでもあなたを



ありがとう「誰か」さん 生き続けて良かったよ


手を繋いでみんなとワイワイしてる私はもう孤独(ひとり)じゃないから


嫌い怖い煙い憎い臭い そんな私に「私」はわっと声を出す


金輪際もうこの瞳に血まみれた緋色の景色は映らない


今は手首におそろのミサンガ付けてるから楽しいんだ


幸せなのか違うのかなんて幸せなんだからもう聞かなくていい


昔の私にさようなら



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ