疑心暗鬼な愛の渇望
こんにちは みなさん 生まれてきてごめんなさい
話しかけても返ってこない声 どうしてなの?
本を読んでる私を避けてざわざわ 陰口言ってるでしょ?
ペン回して机トントンしてる私を見て笑わないでよ
嫌い怖い煙い憎い臭い そんな私に「誰か」がそっと口を開く
金輪際もうその瞳に血まみれた緋色の景色を映すなよ
そんな手首に赤いミサンガ付けちゃって辛いだろ?
必要とされるか否かなんて関係ないからもう眠っちゃいな
そして私は毒虫になった
こんばんは みなさん 生きていてごめんなさい
腐りかけてるチーズが美味しい どうしてなの?
姿現す私を見てはチラチラ 醜いからでしょ?
一人泣いてカッタースパスパしてる私をもう放っておいてよ
むさいキモいウザい酷い弱い そんな私に「誰か」がすっと棘を刺す
これから先もうその体に望まない群青の現実を刻むなよ
そんな背中に赤いリンゴ埋めちゃって苦しいだろ?
助け出されるかどうかなんてわかりっこないからもう休んじゃいな
そして私は
目を閉じ横になるとふと思う
本当は私が毒虫になりたかっただけなんじゃないか
返事がなかったのは私の声が聞こえなかったから
ざわざわしてたのは盛り上がっていたから
腐りかけを選んだのはかわいそうと思われたかったから
チラチラ見てるんじゃと思ったのは誰かに見て欲しかったから
悲劇のヒロイン気取って愛されたかっただけの弱い私
そんな疑心暗鬼な愛の渇望が「誰か」だったのなら
受け入れましょう どこまでもあなたを
ありがとう「誰か」さん 生き続けて良かったよ
手を繋いでみんなとワイワイしてる私はもう孤独じゃないから
嫌い怖い煙い憎い臭い そんな私に「私」はわっと声を出す
金輪際もうこの瞳に血まみれた緋色の景色は映らない
今は手首におそろのミサンガ付けてるから楽しいんだ
幸せなのか違うのかなんて幸せなんだからもう聞かなくていい
昔の私にさようなら