~赤岩の山へ~ ALO
鷹の視線に 私も鷹を視つめ返した …
私の脳が グワンと大きく揺れた …
「ALO … 頂上ヲ目指スノカ ?」鷹の声が聴こえた …
「そうなのだ 空の兄弟!兄弟 私は貴方に とても感謝しているのだ 何時でも此の羽が 私に勇気をくれる! ありがとう兄弟!」私は 鷹と話せる事を 嬉ばしく想い 夢中で 日々の感謝を告げた …
鷹は そんな私を 何処か寂しげに 視つめ…
「ALO … 引キ返セ … 」 とポツリと言った
「兄弟よ … 何故 そんな事を ? 私は カチーナに呼ばれ 此の 赤岩の山の頂上へと向かっているのだ… 」
と 私が言うと 鷹は再び 哀しそうに私を視つめ …
「知ッテイル … 」とポツリと言った …
それから 鷹は 嘴で 自分の 羽をムシリ取り 始めた …
!!!
「兄弟 ? どうしたんだ ! 何故 羽を … 止めるんだ !」
私は 必至で止めようと 思わず鷹を抱き締めた … 鷹の温もりが 私の躰を伝った…
「ALO … 此ヲ 持ッテ行ケ … 私ノ気持チダ… 」
鷹は 私に そう言い 私の胸から飛び立った …
「空の兄弟よ … 」
私は 風に乗り大きな羽を拡げて飛んで行く 鷹を 視つめた …
足元には … 兄弟の羽が 散らばっていた …
私は 鷹の姿が見えなくなる迄 呆然とし鷹の 後ろ姿を視つめていた …
鷹の姿が 空から消え… 私は 足元に散らばる 鷹の羽を拾い始めた …
空の兄弟は 私に何を云えたかったのか …
兄弟の羽を一枚一枚 拾いながら 私は そう 考えていた … 応え等 出せぬまま …
「ALO … 引キ返セ …」 兄弟の言葉が 心に痛く 響いていた …




