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~ 新な大地 ~
私は聳え立つ赤岩の山に目を奪われた …
山は赤岩と大地の色とが層になり 空に近付くにつれ 尖るように細くなっていた …
不思議だ …
故郷の高い山は緑豊かであったのに …
高さも形も色も 違うと言うのに …
何故か … 懐かしい …
見上げる赤岩の山は 誇らしげに私達を見つめているように思えた …
カチーナに導かれた 新な大地に敬意を込め 皆で祈りを捧げた …
祈りを終えると とにかく躰を休めるべきだと 交代で休む事にした …
新な大地に どんな危険があるか知れないからと …
私は 皆に伝え 辺りに危険が無いか確かめる事と 傷を負った者達に 何か探せはしないかと 大地の奥に覗く森へと向う事にした …
辺りに 人間の姿 も 気配 も 感じはしなかった …