~ 信じる事 ~
私は 何時の間にやら … コクリ コクリと眠っていた …
「ALO … ALO ! 」
私は 誰かの呼ぶ声に 瞼を開いた …
私の 眼の前に 赤岩の山の カチーナが 立っていた …
「 ALO … 礼を言うぞ 良く来てくれた…ALOに伝えたき事がある … ALOの言う通り此の地に 恵みの作物は育たぬ … 併し 此処から先に進み 崖を抜けると 豊かとは言えぬが実を持たらす大地がある … その大地に種を撒くと善い…」
カチーナはニコリと微笑んだ …
「カチーナ 感謝します ! 此で私達は生きて行ける… 」
私は カチーナに感謝し微笑んだ …
「ALO … ALO ー!!」
誰かの声に驚くと QALETAQA が 私の躰を揺すっていた …
「ALO ! お前 何をニヤけておるんじゃ?善い夢でも視たか? ハッハッハ ! 夜明けじゃ … ALO … 」
QALETAQA の声に 空を見上げると …
赤岩の山に 桃色と薄く青に近い紫が溶けたような 空が拡がっていた …
「あぁ … QALETAQA … 夜が明けたのか… 善い知らせがある …」
私は 赤岩のカチーナの言葉をQALETAQAに伝えた …
「何 ! それは 早速 向かわねばならぬな!」と QALETAQAは 嬉しそうに微笑んだ…
それから … 家族達が 眠る 明け方の空 と 赤岩の山に 二人で 感謝の祈りを捧げた …
信じ合える喜びに 二人で微笑みながら …




