~ 不毛の大地 ~
幸いな事に …
その後 QALETAQA は 熱一つ出さず 翌日には 傷も ほぼ塞がっていた …
「 何とも 逞しい … 」 私が驚きそう言うとQALETAQA は 「若かりし頃 … 同じように熊と戦ったのだが … あの時は 七日は躰が辛かったのだが … 不思議だ … 」と 自分の躰を確めながら 呟いた …
KiVa か … ? 私は そう想ったが … 敢えて言葉にはしなかった … QALETAQA も 何かを感じているのだ と そう想った …
私達 は ティピーをたたみ 再び 歩き始めた … 不毛の大地が 近づく …
其処は … 砂と風の吹き抜ける… 何とも …淋しい 大地 だった …
第二の故郷を出た時と 同じように 私達は赤岩の山の麓 と ティピーを張るであろう不毛の大地に 祈りを捧げた …
その後は … 男達は ティピーを張り 女達は食事の支度にかかった …
私は 不毛の大地を 見て廻る事にした …
見渡す限り … 高く赤い岩肌 … 私は 大地の土を 手ですくった …
サラサラと掌から 零れる 土は 赤茶けて 微かに ツンとした 匂いがした … 土は 死んでいた …
「この土では 作物は育たない … カチーナよ … 私達は 此らの事実を どう受け入れたら 善いのか … 」
私は 赤岩の山を 見上げた … カチーナに 救いを求めて …




