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~傷を負った者~
そうして 一夜が明けた …
傷を負った男は ゆっくりと瞼を開いた…
私を見るなり震え出し 痛む躰を引き摩りテイピーの隅へと移り ガタガタと躰を震わせた …
あぁ … そうか … 余程 辛い想いをしたのだな …
私は 朝の分の煮汁を 飲む真似をしてテイピーの入り口から 手を伸ばし置いた …
傷ついた者を 怖がらせぬよう テイピーを出て 桃の木の横に腰を降ろした …
私は 空を見上げた …
晴れ渡る空は ターコイズの青で充たされ… 何処までも 何処までも 穏やかで …
今は無理だが 癒えたならば… テイピーの中で震える傷ついた者と 一緒に 空を見上げたい … そう 想い眺めていた …
私の 目線の端から 一羽の鷹が 悠々と翼を拡げ 風に乗り現れた …
鷹は … 何を想ったのか 私の頭上辺りで クルリと 躰を翻し 空に輪を描いた …
その後 羽を バサッバサッ ! と 振り 何事も無かったかのように 神秘の森の方へと向かった …
ヒラヒラ ヒラヒラ と 二枚の羽を落として …
!!!
そうか ! この羽を 傷ついた者と私に与えてくれたのだな … 彼の心に 大空が拡がるようにと … ありがとう!空の兄弟 ! 感謝します!
私は 時を見て 傷ついた彼に 空の兄弟が与えてくれた 羽を渡す事に決めた …




