~第二の故郷~
私にとって 赤岩の山が聳え立ち 神秘の森が 豊かな自然を与える この大地が 第二の故郷 …
ホワイト・レディに告げられた時迄 残り数ヶ月 …
穏やかな時を過ごせた …
各々のテイピーの横に植えた桃も良く実り 瑞々しい甘味が 微笑みを誘った …
清らかな水が染み込んだ土は 立派な実りを恵んでくれた …
トウモロコシ も 豆 も カボチャも … イモも … 実りゆく物 全てに…
私達は 幸せだと 心から そう想う …
私は 洞窟から出た あの日 …
不毛の地へ旅立つと 皆に告げたが …家族達を誘ってはいない …
向かう 大地の実りは 細々としたものになるだろう … それを 想うと …
出来る事なら 皆を穏やかに暮らせる この第二の故郷に残して行きたい …
あの日から 毎日 カチーナに祈りを捧げているのだが …
私は 桃を頬張りながら畑へと向かった…
何やら家族達が腰を曲げ働いているので慌てて近寄ると …
皆は一粒一粒 丁寧に作物の種を並べていた …
「皆 何故 種を ?」
私が問うと …
「何って ? ALOこそ 何してるんだ !旅立ちに向け 種を乾かさねば 腐るぞ !」
私は一瞬 言葉を失った …
「いゃ … 皆 … 向かう大地は不毛の地 良く良く考え決断して…」
私の言葉を 最年長の QALETAQA (カレタカ) が遮り
「無論 皆 良く良く考えたさ ALO … 人間は辛い時こそ 一人になってはいかん!ワシらは家族 ! 共にあるべきだと 各々が決断したのじゃ 文句あるまい? それにしても ALO … 旅はいいものじゃな ! 前は海を越えたぞ!次も楽しみじゃ!ハッハッハ ! 」
家族達は QALETAQA と共に私に笑顔を与えてくれた …
私の眼から涙が溢れ出した … 泣いた … 大いに泣いた …
それから 家族と共に大いに笑った …




