~ 闇の中を ~
そうか …
死が宿ったのならば … 受け入れる事と教えられた … 新たな魂の旅立ちのために …
私は 今日起きた 素晴らしき出来事を想い起こしてみた …
先ずは …
カチーナの導きにより 新たな大地に辿り着く事が出来た … 家族の誰一人も欠ける事なく … カチーナ の存在を こんなにハッキリ確信出来る事も 一生の中で 幾つもあるまい … あぁ … 私の一生は何て幸せであった事か …今日は 死ぬのに相応しい 善い日だ …
バ ン ッ !! 何かが振り降ろされ 音が響いた …
「 お 前 … ゴチャゴチャ煩いぞ ! これじゃ眠れないだろ! お前 死にたいのか?」
私 の 脳裏に ホワイト・ウルフとの不思議な時が甦った …
私は 応えた …
「 い っ いやぁ… 死にたい訳ではなく …死が近付いているので 心を整えて … 」
私の 応えを遮り イライラしたような強い言葉が響いた
「サッサと 目開けて トウモロコシ喰え!腹が減り過ぎて倒れただけだ ! 」
余りの迫力に私は飛び起き 目を見開いた
家族達は 皆 心配そうに私を囲み 涙を浮かべながら 必至に私に声を掛けていた …
私は … 恥ずかしくなり 咳払いをして 何事も無かったように 家族達の前に4色のトウモロコシを並べた …