~光に包まれて~
アラャアラャアラャ!!
鳥のような獣のような 高い音が脳に響き私は 瞼を開いた…
パカラッ !バカラッ! パカラッ !
あれは … 何だ ? 人間だ!十二 … 嫌 … 十五人いるな… 私達の部族と同じような 戦士の姿をしているぞ … 頭には 私達と比べると 沢山の羽を飾っているぞ … それに 股がるあの動物は何だ … 足が随分と長いが … 狩りでもするのだろうか ?
今の私が どのような姿となり 此処にいるのかは解らぬが 手を振っても 気づかない… どうやら… 彼等に 私は見えないらしい…
羽飾りの 男達は 四つ足で足長の動物に股がり 風のように 荒野を駆け抜けて行った …
不思議な事に 私は風にでもなったのだろうか … 彼等と共に 私も荒野を駆け抜けた…
「 居たぞ! 良しっ!囲め !」
数人が 岩陰に隠れながら 右と左に分かれ静かに進んだ … 岩陰の中心には 肌が白く鼻の高い男達が 何やら笑いながら話していた …
あぁっ!!私は 眼を疑った … 白く鼻の高い男達は 羽飾りを飾った男の髪を 鷲掴みにし笑っていた …
躰から切り離された 生首の その顔は 両目の間に 深く皺を刻みつけ 怒りに充ちていた… 今 切り離されたばかりなのだろう… 滴る血が生々しく 彼の 怒りの涙に 想えた …
何と言うことだ … 酷過ぎるぞ ! 私の心は怒りに震えた …
白く鼻の高い男達を 岩陰に潜み グルリと囲んだ 羽飾りの男達が 一斉に 砂色の先が輪の形をした 蔦のような道具を飛ばし 白く鼻の高い 男達の首に引っ掛けた … 羽飾りの男達は 股がる生き物の尻の辺りを足で蹴り 一斉に四方に走り出した … アラャアラャアラャ!と 先程と同じ高い声を上げて… 蔦のような道具は 生き物が走り出すと 共に白く鼻の高い 男達の首を締め上げた…首を締め上げられ 荒野の大地をゴリゴリ!と引き連れられて行った …
蔦のような道具が掛からなかった 白く鼻の高い男達は 先が長く黒く光る何かを 生き物に股がり走り去る羽飾りの男達へ向けた …
バンッ ! バンッ !と 何かの弾けるような音が 辺りに響いた …
羽飾りの男達は 白く鼻の高い男達を そのまま連れ去った …
静けさが 辺りを包み パンッ!パンッ!と何かを弾けさせた 白く鼻の高い男達は 「インディアンメッ!」と 言い … 羽飾りの男の 生首を蹴った …
クッ! 何と言う事だ! 亡き者の頭を蹴るとは!! あれは 人間なのか!!私の心に怒りと哀しみとが留まった …
私は再び風になったのか … 今度は先程の羽飾りの男達の元へと 飛ばされた …
羽飾りの男達は 崖下の 一つの場所に集まっていた … 白く鼻の高い男達が五人 躰は既に無く… 首だけの姿となっていた …
辺りは暗くなり… 火を起こし 火の周りに 羽飾りの男達は腰を降ろしていた …
皆 哀しそうで … 皆 無口だった …
私の 脳に 哀しそうな羽飾りの男達の想いが響いた …
「家族を … 愛する者達を殺された … 大地を奪われ … 我等には … 復讐 以外 … 何も残されては いない … 奴等も人間 我等も人間! 同じ事をして 何が悪いのか … 大いなる神よ 貴方は 我等を 見棄てられたのか … 神よ …我等の 神よ … 」




