~ 私の故郷 ~
透き通る 青い空と …
神の住むと言う高い山 …
美しい自然の恵みと …
実り多い豊かな大地 …
それが 私の故郷 …
自然と私は一つの家族であり
又 兄弟でもある
私と同じ集落に住む仲間は 皆 …
誰 一人 その事を疑う者は無く …
それが 教えであり …
それが たった一つの真実である…
ある日の事 …
心地良く私の髪を撫で揺らす
何時もの風が ピタリッと止まった …
空を見上げると…
晴れ渡る水色の空が 雲を一つも持たずに静かに… 只々 静かに拡がっていた …
無風の空を見上げる私の目に…
大きく翼を拡げた鷹が まるで 行き先と方角を失ってしまったかのように 急接近して来た …
私は慌てて肘を突き出し頭を庇ったバサッ バサッ !
鷹は私の目前で二度 大きな羽音と風を巻き起こし 垂直に空へと昇った…
呆然と鷹を目で追う私の元へ ヒラリヒラリと一枚の鷹の羽が降りてきた…
私は慌てて鷹の羽を掴んだ …
「驚いたが… 鷹が羽を一枚与えてくれた…これは 善い日に違いない! ありがとう兄弟 !」
何処へ向かうのか青い空を進む鷹を見つめ 私は微笑みを浮かべていた…
美しい私の故郷 …
曾て 先人達は神と共に暮らしていたと言う…
私は私の故郷を誇りに想う…
此処に生を受けた事を神に感謝している …
そんな 私の心地良さをゴゴゴゴゴォー!! と 凄まじく大きな音と熱風が掻き消した …
「何が起きた … 」
私は辺りを見回した …
鼻を突くツゥ~ンとした匂いが鼻先に纏わり付いた…
大地が激しく揺れ動いた …
余りの激しさに腰を抜かし地に座りこみ動けなくなる者もあった …
再び 大きな爆音が耳をツン裂き 私の躰を包み込んだ