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「触れ合い」
「……あら、また来て下すったんですの?」
「ああ」
そのロボットの右腕だけは、本物の女性のそれだった。時空間的に固定されているので、血液を送り込まずとも腐る心配は無い。またむしろ、仄かに温かくさえある気もした。
「何かお飲みになります?」
「ダージリンでも頼むよ。いや、そんなことより君、足はもう大丈夫かい?」
「ええ、もう随分よろしいようですの」
「自己回復機能が優れているんだね」
「いやだわ。そんにお触りになって……」
彼女はそう言いながらも、身を寄せ、しなだれ掛かってくる。
右頬に触れる手が、左右どちらの手なのか、次第に分からなくなる。