第十四話 “僕”と“オレ”
こんにちはー!
キー兄の妹の花梨でーす!
え?なんで今回は私なのかって?
それはさっき作者さんから『喜助ちょっとムリそうだから代わって』って頼まれたからだよ~!
条件付きでオッケーしたよ!!その条件は…また後日にね!!アハッ☆
でもなんでキー兄が“ムリそう”なんだろう……?
悪いことに巻き込まれてなければ良いけど………
(……なんだ?腹が……痛い……あれ…………僕………何……して……?……そっか……僕……コイツに……やられて……)
「じゃ、俺は帰ろうかな♪ゴメンね、ミツキちゃん。恐い目に合わせたりして。」
「………」
「とりあえずどうしようかな。俺もこの辺の地理に詳しくないからねぇ……タクシーでも呼ぼうか?」
「………」
「でも俺金無いんだよねぇ…タクシーはダメだね」
「…………」
「最悪ヒッチハイクでもする?それはそれで楽しそうだけど♪」
「………喜助……」
「ん?」
「……喜助……喜助ぇ……」
(…ミツキが…泣いてる…)
「う~ん…あんまり弱くなってるから、つい殺しちゃったけど…悪気はなかったんだよ?」
(…誰…だ…ミツキを…泣かせた…のは…)
「…喜助ぇ………喜助ぇぇ………」
(…泣いてる…悲しんでる…人の…ナミダ…血の……臭い…)
(…ココは…“オレ”の…居場所…!!)
ポタッ…ポタッ…
「ん?」
「………」
「喜助…!?」
ミツキと滝沢が見ると、そこには口から血を流し腹を抱えて立つ喜助の姿があった。
「へぇ…まだ立てるんだ。さすが♪」
「………」
「次からは本気でやってくれないと、ホントに死んじゃうよ?」
「………」
「じゃ、始めようか♪改めて戦闘再開と…」
「……死ね」
(ヒュッ)
「……!?」
滝沢が喜助と距離があるため油断していると、喜助は一瞬で間合いを詰めハイキックを放っていた。
そしてその蹴りは…先程までとは“質”が違っていた。
「………クッ……!!」
ポタッ…ポタッ…
「き…切り傷…?」
ミツキが見たのは、ハイキックをガードした腕から血を流す滝沢の姿。
そしてその腕には…まるで鋭利な刃物で斬られたような傷があった。
「アンタの首…“オレ”がもらっても良いんだよなぁ!!ヒャハハハハハハハハハハハハハ!!」
そして喜助は狂ったように笑っており、その表情は付き合いの長いミツキですら見たことのない、狂気に満ちた表情だった。
「き、喜助……?」
「くくく…ハハハハハ!!それだ!その笑い方!その殺気!その蹴り!俺が会いたかったのは君だよ!“首斬り”ぃ!!」
「血!血だぁ!ヒャハハハハハハハハハハハハハ!!」
「やっと…やっと俺も本気になれる!さぁ、ケンカしよーぜ!!!」
「……ぅん?」ミツキが目を覚ますと、そこは建物の中でベッドに寝かされた状態だった。
「こ、ここは…?」
「病院。やっと目さましたな。」
「ミツキちゃん…大丈夫?」
「な、なんでここに!?」
ミツキが横を見ると、サヤとアヤコが立っていた。
「なんでも何も…アンタと喜助が病院に運ばれたって聞いたからわざわざ来てあげたワケだ。転校初日に何してるんだか…」
「でもミツキちゃん大丈夫そうでよかった…」
「そうか…ボクは病院に運ばれて………………………………喜助!喜助はどこ!?」
「慌てなくても別室で寝てる。かなり危なかったみたいだけど…」
「そ、そうか!よかった……」
「でもお医者さんが言うにはこんなケガ初めてだって……右側の肋骨が粉々に砕けてたって……」
「そ、そうかい………」
「………ねぇ、一体何があったの?」
「………」
「私は前に一度喜助に助けてもらったことがあるからわかる。アイツは簡単にやられるヤツじゃない。でも…昨日死にかけた。」
「………」
「一体何があったの?教えて。」
「…私も知りたい。喜助くんがなんであんなに酷い目にあっているのか。教えて、ミツキちゃん…」
サヤとアヤコは真剣な顔をしてミツキを見る。
「正直…ボクも何がなんだかわかんないんだ。でも昨日あったことは説明する。」
ミツキは体を二人の方に向けて話しはじめた。
「イテテ…しばらく右腕は使えそうにないな…ま、楽しかった代償だと思えば大丈夫大丈夫♪」
地下水道の中、腕から血を流し歩く一人の男。顔はフードで隠れて見えないが、口はニヤリと笑っていた。
「おもしろかった…実におもしろかった!!彼も俺と“同じ”ということだったのか!!ククク…ハハハハハハ!!」
地下水道に笑い声が響きわたる。その声はしばらくの間、地下中に響いていた………
「そっか…そんなことが…」
「………」
ミツキは自分が見たことを全て話した。
“腹砕き”と呼ばれた男、その男に喜助がやられたこと……そして、立ち上がった喜助は普段とは全く違い、別人のようになっていたこと。
「これがボクの見た全てだ。正直…」
「……ミツキちゃん?」
「ボクは…恐い…あれは…あの時の喜助は…まるで…」
(ガララララ!)
「ミツキいる!?」
「「「き、喜助!?」」」
すると突然喜助が病室のドアを勢いよく開けて入ってきた。
「あ、サヤとアヤコも来てたのか…ってそれよりも!ちょっと隠れさせ…」
「キー兄みーっけた♪」
「か、花梨…」
喜助の後ろには花梨の姿。その表情は笑っているが…目は決して笑ってはいない。
「キー兄、ダメだよ?他人を巻き込んじゃ…」
「ご、ゴメン…許し…て…」
「許して?私は別に怒ってないよ?ただ…私が看病してあげるってだけだって。」
(ガシッ)
「さぁ部屋に戻ろうねぇ~♪」
「た、助け…」
(ガララララ)
「……今の誰だ?」
「……喜助くん、いけない子だね」
「はぁ…二人とも落ち着いて。アレは喜助の妹の花梨ちゃんだから。二人が想像してるような関係じゃないよ…」
「そ、そうか…そうだよな!喜助にそんなヤツがいるはずないもんな!」
「そうだよ、サヤちゃん。………もしそんなのいたら目に熱濃硫酸かけてやる………」
「とにかく変な心配はいらな……」
『ぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああ』
「「「!?」」」
『花梨!悪かった!僕が悪かったから…や、やめろ!やめてくれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇあああああああああああああああああああああ』
「……さっきの心配とは別に、喜助の命が心配になってきた」
「……喜助くん、死なないでね」
「どうか無事で帰ってくるんだよ…」
喜助のうめき声はしばらく止まなかったという……
いや~…シリアスは難しいですね(苦笑)
戦闘シーンとかもっと入れたかったんですけどねぇ……今の僕の技量じゃ満足出来るのが書けませんでした(泣)
僕の技量が上がったら、いつかまた書きたいですね(笑)
あ、作品の感想はもちろん、リクエストも常時募集中です!!
例えば…
『喜助と●●のデート』や『変態校長再来』、『アヤコのヤンデレ日記』などなど…
では、相変わらず更新は不定期ですが…これからも『変人たちと僕』をよろしくお願いします!