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17-1・バルミィ救出~ゲンジ&セラフvsヴラド&ジャンヌ

美穂の作戦①(ネメシスの復活直後にゲンジ&セラフに説明)

 最優先でバルミィを救出する。ただし、普通に近付いても妨害される可能性が高いので。敵の虚を突く。担当はゲンジ(紅葉)。ネメシス(美穂)とセラフ(麻由)は、ゲンジが動きやすいように牽制に徹する。


 ネメシスを先頭にして、一斉にヴラドに向かって突進を開始!ヴラドの背後には、地面から突き出した杭の山が聳えており、バルミィは無数の杭に貫かれたまま動かない。突き刺さった杭を取り除いてやらないと傷口の再生が出来ないのだ。


「来るぞ、オマエ達!仲間割れの末に敗北するは愚の骨頂なり!

 騎士の誇りを重んじるなら思うままに戦え!

 経緯よりも勝利を優先するなら思うままに戦え!」

「ワラキアの王の言うなりになるのはシャクだが、尤もな話だ!」

「にぃっひっひ!勝たなきゃ、何を言っても言い訳にしかならんからな!

 アンタ(ジャンヌ)との意見の相違は、勝ったあとでゆっくりと修正するぞ!」


 諍いを続けていたジャンヌとヘイグだったが、ヴラドの言葉を受けて本来の目的を思い出す。

 ヴラドは構えており、ジャンヌとヘイグは気持ちを切り替えてゲンジ達3人を追走!セラフが率先して立ち止まり、足の速いジャンヌに向かって弓を構え、2本の矢を連射!ジャンヌはフィエルボワソードを振って、最初の矢を叩き落とす!2本目の矢は蜘蛛の巣状に変化!ジャンヌに覆い被さって絡み付いた!


「チィィ!」


 セラフは、続けてヘイグに向かって2本の矢を連射!ヘイグは噴霧器の発射口を矢に向けて、霧状の硫酸を噴霧!矢のまま飛んで来た1本は回避をして、蜘蛛の巣状に変化した2本目は、溶けて消滅をする!しかし、ヘイグの突進速度を鈍らせる事には成功した!

 その間に、ジャンヌは黒炎を纏ったナイフで、絡み付いていた蜘蛛の糸を焼き切る!


弓兵セラフはオマエに任せた!・・・にぃっひっひ!」

「チィィ!勝手な事を!!」


 ヘイグは、ジャンヌにセラフを押しつけて、ゲンジとネメシスを追う!ヘイグの動きにネメシスが反応して、走りながらサマナーホルダからカードを抜き、学校の窓に向ける!窓が乳白色に歪んで、白鳥型モンスター=キグナスターが出現!ヘイグの進入路に割り込んで羽ばたき、ヘイグを吹き飛ばす!一方でネメシスは、レイピアを構えてヴラドに突進!


「おぉぉぉぉぉぉっっっっっっ!!」

「あれほど痛めつけられたにも係わらず、臆せずに立ち向かってくるその胆力!

 見事なり、女騎士よ!」

「敵に評価されても、あんまり嬉しくないっ!」


 ヴラドはマスクの下で愉悦の笑みを浮かべ、巨大杭を振り上げてネメシス目掛けて打ち下ろす!ネメシスは横っ飛びで回避!ネメシスの背後から、ゲンジが突進をしてくる!既に攻撃の準備は万端だ!正面に翳した左手から、八卦先天図が射出される!


「んぁぁぁぁっっっっっっ!!!」


 ゲンジが漆黒の翼を広げた冥鳥に変化!しかし、ヴラドは動じない!巨大杭の先端を冥鳥に向けて伸ばした!


「へへっ!悪いけど、紅葉はオマエ(ヴラド)を狙ってるワケじゃない!

 そして、あたしがキグナスターを召喚したのは、

 アイツ(ヘイグ)の足止めが目的じゃない!」


 キグナスターが背を地面に向けて、冥鳥ゲンジの真下に滑り込み、真上の冥鳥に向かって羽ばたいた!風圧を受けた冥鳥が上昇!伸びてきた巨大杭の尖端を回避して、ヴラドの頭上を通過!一方、逆さになったまま地面スレスレの低空を飛んでいたキグナスターは、そのままヴラドに体当たりをして足元を掬った!巨体のヴラドでも、堪えきれずに前のめりに転倒をする!


「ウルティマバスタァァッッッッッッ!!!」


 ヘルズノヴァ(ゲンジ曰くウルティマバスター)が、ヴラドの背後に聳えていた杭の山に衝突をして粉砕!ネメシスは崩壊する杭の山に向かってジャンプ!バルミィの腕を掴んで、瓦礫の中から脱出をする!


「ばるばるぅ~~~~!酷い目に遭ったばるっ!

 いくらボクでも、刺さりっぱなしは痛いばるっ!


 ネメシス&バルミィが地面に着地。バルミィの傷が塞がっていく。離れてジャンヌと対峙中のセラフは安堵をして、作戦を成功させたゲンジがバルミィの無事を喜んだ。


美穂の作戦①補足おさらい

 小手先の攻撃でバルミィの救出に向かっても、妨害をされてしまう。ゆえに、敵に狙いを気付かれないうちに、一番の大技で一気に破壊をする。ネメシスとセラフは、ゲンジの冥鳥変化が成功する為の援護に徹する。ただし、あくまでも敵の足止めを目的として、深追いはしない。

 作戦①は、見事に成功をした。続けて、作戦②に移行をする!


美穂の作戦②(ネメシスの復活直後にゲンジ&セラフに説明)

 バルミィが戦線復帰をした時点で、数の優位で押して敵を撃破する。最初の標的はマスクドヘイグ。武器や体格や消極的な戦闘を見る限り、おそらく、リベンジャー3体の中で一番倒しやすい。担当はネメシス(美穂)とバルミィ。ゲンジ(紅葉)とセラフ(麻由)はジャンヌとヴラドを牽制する。ゲンジは接近戦を行い、セラフは遠距離でゲンジの援護をする。作戦①と同様に深追いは禁物。あくまでも、ヘイグの打倒と、ジャンヌ&ヴラドの牽制が目的。ただし、ゲンジには、少々難易度の高いミッション有り。


「バルミィには作戦が説明できなくて申し訳ないけど、

 あたしと一緒に硫酸野郎の担当だ!」

「了解ばるっ!」

「紅葉は深追いは絶対に禁止だぞ!

 麻由には絶対に接近戦をさせるな!その辺はオマエ(紅葉)がフォローしろ!」

「うぃっす!」


 ゲンジはセラフと合流する為に、ネメシスとバルミィはヘイグを倒す為に、突進をする!


 ジャンヌは接近戦を仕掛ける為にセラフ(麻由)に近付こうとするが、セラフはネメシス(美穂)の指示を守り、ジャンヌに対して間合いを空け、弓矢による中距離~遠距離攻撃に専念する!

 飛んで来た矢をフィエルボワソードで叩き落とし、セラフに接近をしようとした時には、既に間合いを空けられている!セラフに矢を射られ、回避や防御をしたあとで突進をするのでは、行動が遅れて近付けない!

 ジャンヌは、ナイフを左右の手に1本ずつ、計2本持って、黒炎の小悪魔達を発動させて投擲!不規則に飛び回る黒炎を帯びたナイフが、セラフに襲いかかる!


「・・・くっ!」


 セラフは、呼吸を整えて不規則に動くナイフの軌道を読み、矢を2連射!黒炎の小悪魔2本を打ち落とした!しかし、直後に3本目のナイフが飛んで来た!慌てて回避をするが、黒炎の小悪魔は旋回をして再び飛んで来た!セラフは、体勢を崩しながら矢を番え射て、かろうじて3本目のナイフを打ち落とす!


「なるほど・・・貴殿の矢は、2連射が限界ということか・・・ならば!」


 ジャンヌは、ナイフを左右の手に3本ずつ持って、黒炎の小悪魔達を発動させて一斉に投擲!更に、ジャンヌ自身もフィエルボワソードを構えて、セラフ目掛けて突進をする!


「くっ!まずいっ!!」


 不規則に飛び回る黒炎を帯びた6本のナイフが、セラフに襲いかかる!セラフは後退をしながら矢を2連続で番えて射るが、2連射では2本のナイフを打ち落とす事しか出来ない。残り4本が意思を持って飛び、四方からセラフを囲むようにして襲いかかる!


「んぁぁぁっっっっっっっっっ!!!」


 黒炎の小悪魔達と同じように意志を持つ“子供が落書きをしたステーキナイフ”が6本飛んで来て、4本の黒炎の小悪魔達を打ち落とす!更に、残った2本のステーキナイフが、突進中のジャンヌを襲った!不意を突かれたジャンヌは、1本は辛うじて叩き落としたが、もう1本を右肩に受けてしまう!


「・・・紅葉!」

「ぐぅぅぅっ!!また、貴殿かっ!!」

「麻由を狙ぅの解ってたから、

 さっきみたく、勝手に飛び回らせるより、操作しやすかったっ!」

「あ、ありがとうございます。でも、今のナイフは一体?」

「んへへっ!ァイツ(ジャンヌ)のマネしたら出来たっ!

 まだ、ァイツみたく上手には出来なぃけどねっ!」


 セラフを庇うようにして、ゲンジ(紅葉)が立つ!肩に刺さったステーキナイフを抜いて投げ捨て、剣を構えるジャンヌ!斜め前方からは、巨大杭を担いだヴラドが近付いてくる!


「ミホの作戦、まだちゃんと覚えてる?」

「も、もちろんです!」


 ゲンジとセラフは互いを見て頷き合ってから、ジャンヌは無視してヴラドに向かって突進開始!


「・・・な、なにっ!?バカなっ!!」

「ほぅ・・・聖女ではなく我を選ぶか?

 いいだろう!2人纏めて相手をしてやろう!!」


 巨大杭を構えるヴラド!一方のジャンヌは無視をされたのが面白くない!6本のナイフを掴んで念を込め、ゲンジとセラフの背中に向かって黒炎の小悪魔達を投げつけた!

 セラフ(麻由)が走りながら、背後をチラ見して、黒炎の小悪魔達との距離を目測する。


「不規則な軌道で飛び回るナイフ・・・簡単にコピーをした紅葉は凄すぎる。

 私の力量では、6本の矢をバラバラに飛ばすなんて出来ない。

 だけど・・・6本に勝る1本ならっ!!」


 セラフは立ち止まって、ジャンヌ側に体を向け、弓に1本の矢を番えて、心を乗せるイメージをして射る!矢は、今までの矢よりも強く発光をして不規則に飛び回り、6本の黒炎の小悪魔達の全てを打ち落とした!6本の矢を同時に打つことは出来ないが「一矢に想いを乗せる技術」ならば、誰にも負けるつもりは無い!


「できたっ!」


 6本の黒炎の小悪魔達を打ち落として、なお、余力のある光の矢は、そのままの勢いで軌道を変えて、ジャンヌ目掛けて飛んでいく!光の矢を叩き落とすべく、フィエルボワソードを振るうジャンヌ!しかし、矢を包んでいる光が強大すぎて、ジャンヌの方が力負けをして弾かれ、数歩後退!光の矢は、軌道を変えて、再びジャンヌ目掛けて飛んでくる!

 その矢が放つ光は、あまりにも気高く美しい。ジャンヌは、セラフが発揮した底力に恐怖を感じながらも、眩い光に見入ってしまう。


「か・・・神の・・・光・・・」



 15世紀、ジャンヌダルクが生きた当時のフランスは、百年戦争によって、領内の大半をイングランドに占領されていた。

 何の変哲も無いフランス領ドンレミという片田舎の農夫の娘。その血筋は、王族の落胤でも、司祭の家系でも、名誉を剥奪された騎士の血筋でも、なんでもない。だが、その日、屋外を歩く少女を、神の光が照らした。呆然と光を見つめる少女には、確かに、「イングランド軍を駆逐して、王太子をフランス王位に就かせよ」という「神の啓示」が聞こえた。光が消えたあと、少女は泣き崩れ、神の御心に従う決意をする。


 聖女・ジャンヌ・ダルク!彼女は決起して、劣勢と言われた数々の戦いで奇跡を起こし、祖国に希望をもたらす。


 しかし、その功績の対価は、栄光や名誉ではなかった。捕縛され、祖国に裏切られて見捨てられ、度重なる屈辱を受けた上で、魔女という汚名を着せられ処刑される。

 火刑、それは、キリスト教にとって、復活のための肉体を奪う極めて重い処刑法なのだ。



「神?・・・つくづく身勝手な奴だ!」


 我に返るジャンヌ。改めて思い出した。この光が嫌いだ。僅か一瞬でも、美しいと感じてしまった自分が愚かに思える。この光を殲滅する為に、今、この場にいるのだ。蘇った願いは、「この世を焼き尽くして、焼死体の山を土産に天国へ乗り込んで、神を焼き殺す」こと。蘇る為の契約は「天の巫女と、鬼の末裔と、その仲間達を血祭りに上げる」こと。

 フィエルボワソードでは、光の矢を弾けないと判断したジャンヌは、自分が召喚された場所に立てておいたオラクルフラッグに手を伸ばした!ジャンヌの意志に呼応したオラクルフラッグは、吸い寄せられるように飛んで、ジャンヌの手に収まる!


「おぉぉぉぉぉっっっっっっっ!!!」


 気合いを込めて旗竿を振り上げるジャンヌ!旗から魔力が放出!飛んで来た矢に込められた光を無効化して弾き落とした!

 梓弓に次の矢を番え、ジャンヌを狙うセラフ!一方のジャンヌは、旗を構えてセラフを睨み付ける!


「忌々しい神の光を持つ女・・・私の標的は決まった!」

「ジャンヌダルク・・・アナタには同情をします。

 だけど・・・申し訳ありませんが、

 今の私には、アナタの言葉に耳を傾けている余裕はありません!」


 セラフは、ジャンヌ目掛けて光の矢を射ると、直ぐに踵を返し、先に行ったゲンジを追って、ヴラドに向かって再突進を開始する!


「なにっ!この期に及んで、私を無視する気か!?」


 光の矢は、ジャンヌ目掛けて真っ直ぐに飛ぶ!ジャンヌは苛立ちを募らせ、光の矢を叩き落とすべく、気合いを伝わらせた旗を振り下ろした!しかし、寸前で、光の矢は軌道を変え、旋回してジャンヌの背後に回り込んで、蜘蛛の巣状に変化!ジャンヌに被さって自由を奪う!


「チィィ!また、蜘蛛の巣か!?」


 一方、接近してきたゲンジ(紅葉)に対して、マスクドヴラドが巨大杭を打ち下ろす!ゲンジは横飛びで回避!ヴラドは直ぐさま巨大杭を横に振ってゲンジに叩き付けようとする!ゲンジは、巴薙刀を棒高跳のポールのように扱って飛び跳ね、巨大杭を回避!ヴラドの懐に飛び込んで、巴薙刀の突きを放った!数歩退きながら体を捻るヴラド!空いている手で巴薙刀の柄を掴み、もう一方の手に持った巨大杭を振り上げ、ゲンジの脳天目掛けて振り下ろす!しかし、ヴラドがゲンジに巨大杭を叩き込むよりも早く、セラフ(麻由)が放った光の矢が飛んで来て、ヴラドの左肩を貫いた!


「ぐぅぅぅっっ!!」


 ゲンジは、素早く体を一回転させて、巴薙刀を引き、そのまま遠心力を利用して、刃をヴラドの脇腹に叩き組んだ!更に、セラフの2射目がヴラド目掛けて放たれる!


「んぁぁぁぁっっっっっっ!!」

「これで終わりよっ!!」

「ぬぅぉぉぉぉぉぉぉっっっっっっっ!!!させるかぁぁぁっっっっっっ!!!」

「来るっ!?」 「紅葉っ!」


 追い詰められたヴラドは、巨大杭に渾身の力を込め、地面目掛けて叩き付けた!渾身の一振り・ドラクル・ディストゥッジェ(竜公の破壊)発動!凄まじい轟音が鳴り響き、ヴラドを中心に激しい衝撃波が発生!セラフが放った光の矢は衝撃波に飲まれ、30mほど離れていたセラフですら、衝撃波に押されて前に進むことが出来ない!


 衝撃波が収まり、舞い上がった砂埃が振ってくる。ヴラドの周りには、ドラクル・ディストゥッジェの傷跡(直径10mのクレーター)が出来ている。ヴラドは、防御姿勢のセラフを見て、巨大杭を肩に担ぎ、「次はオマエの番だ」と言わんばかりに近付いてくる。・・・が!


「ひぇ~~~~・・・危なかったねぇ~~~!」

「なにっ?」


 ヴラドは、咄嗟には状況が理解できずに、マスクの下で目を大きく見開いた。


「バカな!?」


 ゲンジが上空から降りてきて、セラフの隣に着地!多少のダメージは負っているが、致命的な傷は一つも無い!ハナから技が発動される事を予想して、ドラクル・ディストゥッジェが発動される寸前に飛び上がって、空に逃げていたのだ!


「凌ぎきりましたね!作戦通りです!」

「ぅん!ミホの作戦どーり!」


 ゲンジとセラフは、まだ蜘蛛の糸から脱出できていないジャンヌを警戒しつつ、並んで、ヴラドに対して構える!


「ミホに、あの技のこと聞ぃとぃて良かったねぇ~~」

「同感です。至近距離で受けていたら、おそらく、戦闘続行は不可能でした」


 渾身の大技が空振りをした。たかだか光の矢を1本弾き飛ばしただけで、誰にもダメージを与えることが出来なかった。ヴラドは、しばらくは自分の目を疑っていたが、「まんまと回避された」と認めるしかなかった。だが、それは同時に、ヴラドの怒りの導火線に火を付けた。


「おぉぉぉぉぉぉっっっっ!!!!

 おのれっ!!我は王ぞっ!!民草如きが図に乗るなぁぁっっっ!!!」


 ヴラドは一足飛びにゲンジ&セラフに近付き、2人の足元に渾身の力を込めた巨大杭を叩き付けた!


「次こそ喰らえ!ドラクル・ディストゥッジェ!!」


 あまりにも咄嗟の出来事だったので、2~3歩退く以外にゲンジとセラフは対応できず!ほぼ爆心地で、ドラクル・ディストゥッジェを発動されてしまう!・・・が、衝撃波は発生せず!ヴラドの渾身の一振りは、地面を叩いたのみ!


「なにぃ!?」

「桐藤さんの読み通り・・・やはり、体力が枯渇をっ!」

「すげ~!ミホすげ~!!」


 グラウンドの片隅では、弁才天ユカリに操られている真奈達3人のうちの1人、真島が、青白い顔で、地面に両膝を付き苦しそうに息をしている。真奈と相良が、まだ立っているのとは対照的に、1人だけ極端に体力が消耗している。3人の背後では、ユカリが苦虫を噛みつぶしたような表情で、ヴラドを見つめている。


「天の巫女と鬼の末裔・・・初めから、こうなることを予測しながら戦っていた?」


美穂の作戦②補足おさらい

 ゲンジには、少々難易度の高いミッション有り。かなりセンスが必要な戦闘になる。深追いはせず、直ぐに退避できる姿勢を確保しながら、ヴラドを追い詰め、もう一度大技を発動させる。怪物リベンジャーの体力は召喚者から供給されている。おそらく、ヴラドは次の大技を撃てば、召喚者がスタミナ切れを起こし、戦闘を維持できなくなる。

 これは、瞬発力に優れ、且つ、直感で動けるゲンジ(紅葉)だからこそ可能な作戦。


「いけるっ!」


 ゲンジとセラフは互いの顔を見て頷き合い、ヴラドに向かって突進をする!


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