帰還…1/2
練習場は今まで戦った敵や、図書館などの本に特徴が鮮明に記載されている魔物を投影技術で、再現できる。魔物に攻撃を受けた判定になると、ブーと音が鳴る。
もちろん、実践の方が良いが、これも戦闘経験を積める。また、一番安全だ。
今回感知された敵が図書館の本に記載されていたので呼び出してみる。
目の前には鉄の鎧を着けたゴツい狂鬼の投影、名前は……
「重鬼だったな。」
グァアアガァアアォォォオ!!
「まずは様子m」
一瞬で投影が消えたようだった。
ブー
は?
もう切られた?
はあぁぁ……
わかったよ。
「適応すりゃーいいんだろ?適応すりゃ……」
そうは言ったものの、どうすれば。。
そういや、回転斬りの後で得たデカ物の経験で何か避け技ができないのか?
少し書こうとした。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
戦闘経験が一定を超えました。
欲しい技を願ってみてください。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
こんな事も書かされるのか。
避けるわざ………
いや待てよ。今ならもしかして、
相手を……
遅くする魔法を剣にエンチャントしたい。
エンチャント
剣を加工する魔法技術であり、特有の素材と剣を加工させることで、特有の効果を発揮できるようになる。この効果は通常の人間では繰り出せない異次元の効果を発揮する。
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低速効果
効果内容
エンチャントした剣を剣鞘から外している時に付近の魔物を魔力によって低速させる。
要求素材
剣 光泥石20g 錬成材 10g
付属方法
研究結果帳に素材を乗せる。
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素材は買いに行かないとな。
よし、市場に行こう。
「えーと?鉱石は、どこにあるんだ?」
商売人「ちょっと?そこのお客様?鉱石をお探しになられるのですか?」
「…はい。そうですけど。」
商売人「それでしたら、うちに寄ってみてはいかがでしょうか。」
「わかりました。」
この世界の市場で運営するには相当な努力が必要だ。市場で運営するのに初期費用に莫大なお金がかかるし、何よりも人が多い。だから、正規値段よりも3倍くらいするぼったくりとかがあまり市場にはいないんだよな。
だから安心だ。まあ物価は少し周りと高いが。(1.2倍くらい)
「…へ?」
光泥石50g 50ルーネ
他の値段は正当に見えるし。
「すみません。なんかこれだけ高くないですか?」
商人「あー。それはですね。ここらで希少な石なんですよ。しかも、みんな欲しがるもんで。すみません。」
うーん、高いけど……まあ、仕方ないか。
そう言って以下の商品を購入。
光泥石50g 50ルーネ
錬成材200g 10ルーネ
商人「まいどありー¥」
ちょっと金使いすぎたな。
モブ「なあなあ。聞いた?このお店。」
別モブ「あー。光泥石のぼったくりで市場から取り下げられるんだっけ。確かに稀少だけど1g1ルーネは高すぎやろ。」
はあ?と内心思いながらも、その場から去った。
気を取り直して、早速やってみよう。
まずは、研究結果帳の紙を一枚破り、錬成材をまぶす。
そしたらその上に光泥石を置き、剣の鋭い部分で均等に削っていく。
これで完成だ。
よし、もう一戦だ。
重鬼との戦闘が始まる。
まずは様子見。
それが基本だ。
剣を剣鞘から外してみる。
すると、身に着けていた時計が狂い、遅く動くようになった。
「驚いた。まさか、こんなにもエンチャントの力が強いとは」
重鬼は四足歩行(狂鬼は基本的に二足歩行)相手に突進をして、凶器の牙で倒すという攻撃方法だった。
猪みたいな?
ダッサダッサ
グァアアガァアアォォォオ!!
なら、足を切って、動けなくするか?それとも上部を狙ってもいい。
今使えるのだと、足は切れそうだな。
よし!
走りながら体をひねってしゃがみ込んで回転斬り!(走る+しゃがむ+回転斬り)
って、近すぎやしねーか?これじゃ転ぶ!
いや、わざと転んで回転を狙う。
これでどうだ?
重鬼が行動不能になりました。
戦闘を終了します。
というアナウンスと共に。
重鬼は倒れ投影が閉じた。
――これは、強いな。
主人公は鍛錬を続け、タルムザンの問題解決に協力する。
次回 帰還??? 2/2