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僕等は走る

朝から、キッチンにパンの香りが充満している。リードが大量にパンを作っていた。昨日仕込んだものらしい。一週間分焼くと夜言っていた。それを収納していく。仕事を早朝から全うしてくれたリードには感謝だ。朝ごはんも美味しかったしね。

「お疲れ様、リード」

リードが涙をエプロンで拭いている。もう、泣かないでよ、大袈裟だなぁ。

「でも、もう少しで酵母がなくなります」

聞いたことあはあるなぁ。

「何するやつだっけ?」

「パンを美味しく作る為に必要です。マルに貰ったものですが、ジーンマニで買った筈です。後、海藻も無くなります」

どうするのよそれ~どっちも無いよ。

「コニーさんは果物で作ってたぞ」

ルーはリードの海藻のパンを齧りながら話す。ふふ、ルーはお母さんが好きだからよく見てたんだね。ウンウン僕は納得。

「果物でどうやる?」

リードはルーの情報を昇華する為、追求する。

「うーん、水を入れる。待つ?」

そんな感じなの?まぁ、たぶん発酵するのを待つってことだろう。発酵は菌かな?ルーの曖昧な言葉でリードは頭を掻いている。

もしかしたらケインなら知ってるかも?

(ケイン、パン酵母のレシピわかる?)

『うん、わかる。載ってた本があったよ』

(よし、やったぁ!助かったよ!教えて!)

僕はケインに教えて貰い、酵母のレシピを説明した。

「それ、移動していたら出来ないぞ」

リードがそう言って、また頭を掻いている。僕は話していて自分で気付かなかった。

取り敢えず、ロッシ達と合流しよう。


ロッシの家をノックする。チクルが出て来た。皆が出て行くと、ここはチクル一人になる。大丈夫だろうか?

リードはマルに酵母のことを訊ね、ガックリしている。どうしたの?

酵母は日持ちしないらしく、マルの持っていた分はとっくに使い切ったという。異空間に入れていたからまだ使えただけだった。レシピの話しをしていると、チクルが

「あたし作ろうか?」

やってくれるの?お願いします。チクルはお世話になってばかりで何かしたかったと笑った。

彼女にレシピを教えて、果物のリンゴをいくつか渡す。リードとマルも気になるので、仕込んでからの出発である。リンゴの種は全部貰っておいた。

「「「行って来ます」」」

「行って来るよ」

「酵母を頼む」

「よろしくね」

「あの、あの子達の事お願いします。」

チクルは頭を深く長く下げていた。子供たちの詳しい話しを昨日か今日に聞いておいたのだろう。マルは、「ハイ。」と短く応え、テスも笑って頷くだけだった。

村を出てラインを目指して、越える。全員、普通にジャンプして越えている。皆のレベルはどれくらいなんだろうな?

そこでまず一回、殲滅しておいた。そこからは走る、それだけ。地図の縮尺がどれくらいなのかわからない。たぶん一日に百五十キロ位移動しないといけないと思っている。マラソン頑張るしかない。

六十キロ程走り半径三十キロを殲滅してまた六十キロ移動してを繰り返す予定だが、最初と二回目が終わり十キロを過ぎたという頃合いで異変があった。

「何の音でしょう?」

トッドが何かを感じとったようだ。強い風が吹いている。風の中に蟲の羽音とガシャガシャ聞こえる?ケインを使い魔蟲を集めている時の音に似ている。

「スーハイフーが来る!」

ロッシが何か知っているらしい。それが名前ならケインが何かわかるかもしれない。

『スーハイフーは川ほどのバッタの群れだ。そして普通の昆虫と魔蟲が一緒に群れている。スーハイフーが、植物が消えて無くなった一番の原因とされているらしいよ』

(ヤバいのが来たね。どれくらい来るかわからないけど。まぁ、兎に角、回収だケイン!)

『ハイハイ、近くのスーハイフー回収!』

いつもはケインを上に投げるが、スーハイフーが上からケイン目掛けて集まって来た。同じ種類の虫が集まっている光景も何とも言えない気持ち悪さだった。まだまだ、スーハイフーの川は終わらない。ケインが働いている最中、アイゼバインが一頭爆走して来た。

「サンドディスク!」

僕はアイゼバインの目を狙い、魔法を放った。砂が目に入り、足が止まる。止まったところにリードが矢をいる。首の中程に矢は刺さったがまだのようだ。そこに、ルーが大剣を振り落とした。同時に首も落ちた。

ケインはまだつづているが、燃やすことにした。

 燃やし尽くし、ケインを収納、回収しておいた。ああ、多かった。あれは確かに脅威だね。

さぁ、出発しよ。

マラソン、再開だ。僕等は初日から走りまくった。




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