相棒と幼少期 4
カーテンを開け放つと四角い闇に浮かび上がった自分の姿にちょっと驚いてしまった。恥ずかしい、苦笑いする。
この世界に産まれてから鏡を見ることがなかったし、夜起きているなんてこの二日程の話で窓に映った自分の姿すら確認するのは初めてだった。何よ、この美少年。白い肌に金髪であることは知っていたが、先日四歳を前に一度髪を整えてもらいよく揃って理知的に見える髪型が冷たそうな深い藍色の瞳によく似合っている。まぁ、外が暗いので瞳の色に関しては定かではないけど。
窓際に腰を下ろしケインを見つめ話を促す。顔があるわけではないので見ながら話す意味はないが、話している人の方を向いてしまうのは地球に生きて小学校に通ったことのある人なら大概自然にそうなるだろう。
ケインは表情なく前降りもなく語りだす。
『魔法とは魔力を用いて物体を動かしたり形状を変えたりと考え、願い欲することで変化を得て、違った用途を物質に与える。魔力量に可能な変化量に違いがある。予てより魔力の容量は人によって差があると考えられていたが、証明されたのは近年魔法機器の発展によるものである。』
ケインの声が一拍途切れる。
『と、こんなところかな~。後は実験結果とか証明内容とかですかね?他には魔法機器の構造や作り方なんかあるよ。』
クリスの目が輝く
(それは、興味あるよ。便利そうなら作ってみたいし、改良とか開発とか出来るかな?)
『たぶんクリスなら出来るよ。僕を作ってしまったくらいだしねっ。』
前に思っていた転生者ならではな疑問をぶつけてみる。
(魔法の属性とかないの?)
『そうゆうのは確認出来ないね、そういった考え方すらなさそう。あ~只、レベルについてはあるみたいよ~』
ケインはイタズラっぽく語尾を伸ばし、僕を挑発しのせようとしている。わかっちゃう。
(そっちも分かってるくせに)
やりたい!レベリング!
訳も判らずこんなところで転生していたんだそのヒント位は見つけたいし、その為には旅はいつかしないと。(そうなると強さは必須だろ?)
まず魔法の練習だね。
(やるぞ!)『じゃっ、外の方がいいね』
頷くとそろそろと部屋を出た。